プラットフォームを一新し、クルマをゼロから開発。若々しい外観はクラウンの若返りを狙う!?

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今夏の全面改良に向けて次期型クラウンの試作車が「第45回東京モーターショー2017」に登場して、大きな注目を集めた。

常時インターネット接続となる新型の全貌と、その走りにもがっつり迫った!

■トヨタが協業に奔走している理由

昨年3月、トヨタは2020年に「5G(第5世代移動通信)」を活用して常時ネット接続するコネクテッドカー(つながるクルマ)の研究開発でNTTと協業すると発表。さらに8月には、NTT、NTTドコモ、インテル、エリクソン、デンソー、トヨタIT開発センターと、コネクテッドカーの普及に向けてデータ処理システムなどを研究する団体の設立も発表した。

そして11月5日に閉幕した「第45回東京モーターショー2017」でトヨタはクラウンコンセプトを出展。副社長のディディエ・ルロワ氏は、「新型クラウンが日本のコネクテッドカーの新しい基準となる!」と宣言した。さらに2020年までには日米のほぼすべてのトヨタ乗用車に車載通信機「DCM(データ・コミュニケーション・モジュール)」を搭載し、クラウド上にあるトヨタの「モビリティ・サービス・プラットフォーム」につなげるという。

それにより世の中を走る全トヨタ車から取得できるビッグデータを活用して、常にドライバーに渋滞などの有益な情報を提供できる。しかも、道路や信号などのインフラともつながり、予防安全にも役立つ。つまり、2018年夏に登場する15代目クラウンは、2020年をにらんだトヨタのコネクテッドカーの先駆車ってわけだ。

ここで気になるのは、トヨタがなぜここまで急ピッチで協業を進めているのかということ。自動車ジャーナリストの川端由美氏が明かす。

「次世代カーの軸は電動化、自動化、シェアサービスの3つといわれていますが、実はそのどれもがコネクテッドカーの技術を必要とする。クルマが常時ネット接続したときに、次世代カーは初めて魅力的なサービスを提供できるんです。そしてトヨタは協業により、現在、コネクテッドカーに有利な技術を持つIT企業などと同じ開発スピードを得られます」

一方、次世代カーの開発で日本の先を行くのが欧州勢である。欧州のコネクテッドカーはどうなっているのか。

「VW(フォルクスワーゲン)は2025年までにEVの販売比率を全体の25%、300万台にすると宣言していますが、実はEV化と同時に、コネクテッドカーにもする方針。また、BMWの新車はすでにコネクテッドカーになっていて、『パークナウ』なるサービスでは、BMWと提携した駐車場を予約できます。

メルセデスベンツもコネクテッドカー向けのサービスを昨年8月から日本国内に投入し、万が一の事故の際には緊急通話が自動的に専用のコールセンターにかかります。

独の大手部品メーカー、コンチネンタルは、2020年に新車のほぼ100%がコネクテッドカーになると予想し、後づけでコネクテッドカーにできるデバイスを開発中です。しかも独自のクラウドサービスを構築し、ドライバーが求める情報を積極的に配信することも視野に入れています」(前出・川端氏)

日本のコネクテッドカーは欧州勢に太刀打ちできるか心配になるが、自動車専門誌の編集者は苦笑いしながら言う。

「現時点ではどの国のコネクテッドカーもそう大差はない。今やれることは車載通信機から得たデータを活用し交通渋滞を検知したり、車両を遠隔診断する程度ですから」

■クラウンをニュルに持ち込んで鍛えた!?

最後に気になる15代目クラウンの走りにも触れよう。トヨタは詳細を明らかにしていないが、プラットフォームはTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)に一新! パワートレーンはハイブリッドのほかに数種類を予定している。ちなみにマフラーはド迫力の斜めカットデュアルタイプの4本出しが装着されていた。走りにうるさい自動車ジャーナリストの河口まなぶ氏は、15代目クラウンの走りをこう予想する。

「新型クラウンは独のニュルブルクリンクサーキットで徹底的に走りを磨いたと聞いています。国内専売車なのにここまでやるのは、トヨタが欧州プレミアムカーのメルセデスベンツ、BMW、アウディをライバルととらえ、真っ向勝負を考えているからでは?」

胸をギンギンに膨らませながら新型の登場を待とう!

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(取材・文・撮影/黒羽幸宏)