お正月休みだからこそ、自宅でシャンパンを楽しんでいる人も多いのでは?楽しく飲むものだから、うんちくを知る必要はないが、ふと疑問に思ったことはないだろうか。

「世界では年間何本のシャンパンが飲まれているのか」と。そんな素朴な疑問に答えるべく、ワインジャーナリストの柳 忠之さんにこの質問をぶつけてみた!



Q.年末年始といえば、泡!世界で一番シャンパンを飲むのって、やっぱりアメリカですか?


――はーい、かんぱーい。

柳「珍しくモリリン(注・編集担当の守屋)からお誘いいただいたので来てみたら、飲み会のメンバーに欠員が出た穴埋めかいな。」

――まあ、そう腐らずに、シャンパンでも召し上がってくださいよ。

柳「おっ、こんなカジュアルな店にもちゃんとしたシャンパンが置いてあるんだね。昔はメニューにシャンパンとあっても、じつは国産スパークリングなんてことがよくあった。」

――そんなの詐欺じゃないですか!




柳「でもそれが実態。本来はフランスのシャンパーニュ地方で造られる発泡性ワインのみがシャンパーニュ、日本流にシャンパンと名乗ることが許されている。

この名称にはシャンパーニュ委員会がつねに目を光らせていてね、90年代に某ブランドが「シャンパーニュ」という名の香水を出した時には、訴えられて販売中止に追い込まれた。」

――そんな素敵な香水が今も売ってたら、人気ナンバーワン間違いなしなのに。ところでシャンパンを一番飲んでる国といったら、やっぱりアメリカかしら? セレブが多いし。


日本のシャンパン市場はプレステージがダントツ


柳「やっぱり一番はフランス。年に約3億本のシャンパンが出荷され、その半分はフランス国内で消費されている。輸出は1位が英国でアメリカは2位。3位がドイツで日本は4位だ。

日本の年間輸入量は3年前から1,000万本を超えている。赤ワインブームに沸いた90年代末でさえせいぜい400万本だから、リーマンショックの後に一時落ち込んだとはいえ、倍以上の伸びだよ。」

――私の周りもシャンパン好きの女子だらけですから。

柳「興味深いことに、ほかの市場はスタンダードなノンヴィンテージが大半を占めるのに、日本はプレステージキュヴェの比率が10パーセント以上とダントツに高い。

アメリカでさえ5〜6パーセントだから、輸入額で比較すると、日本はドイツを抜いて3位に浮上する。」


トップに躍りでそうな中国は、19位?!


――プレステージキュヴェってドンペリニヨンやクリスタル、それにベル・エポックなどですよね?

柳「そのとおり。もちろん、背景には銀座や六本木のナイトマーケットという、日本ならではの特殊事情もあるけどね。」

――あれ? 中国は?

柳「中国は19位だったかな。ただし、香港を加えると、スウェーデンを追い越しトップ10の仲間入り。でも、ボルドーワインでそうなように、中国が近い将来、世界のシャンパン市場を掻き回す存在になるかといえば、そうはならないと思う。

――なぜですか?

柳「医食同源の中国では、冷たい食べ物や飲み物を健康上忌避する傾向が強いから。なので、室温で提供される赤ワインは好んで飲まれるけど、冷やして飲む白ワインやシャンパンの人気はそれほど高くないんだ。」

――なるほど! 中華料理の時に飲む紹興酒も、常温か燗ですものね。ちなみに柳さんが今一番注目しているシャンパンは?




できる男と思われるにはヴィンテージを選べ


柳「ブランドではなくカテゴリーで挙げさせてもらうとヴィンテージ。」

――プレステージキュヴェにもヴィンテージものが多いけど、それとは違うんですか?

柳「うん。ノンヴィンテージと超高価なプレステージキュヴェの間にヴィンテージ、またはフランス語でミレジメと呼ばれるカテゴリーがある。

気候的に厳しいシャンパーニュ地方では毎年安定した品質の収穫を得ることは難しい。それで複数年の原酒をブレンドするノンヴィンテージというコンセプトが生まれたわけだけど、優良年にはその年のブドウのみを使用したシャンパンが造られている。


これがヴィンテージで、今のように各社からプレステージキュヴェが登場するまで、ヴィンテージこそラインナップの頂点だったんだ。」

――それで、柳さんがヴィンテージを押す理由は?

柳「今、市場に出ている各社のヴィンテージは08年や09年だから、熟成期間の点でプレステージキュヴェと遜色なし。それでいて、価格はノンヴィンテージに毛が生えた程度と、めちゃお得というわけさ。」

――(店員に)すいませーん、2本目にヴィンテージくださーい。

柳「飛ばすね、モリリン(苦笑)。」



ヴィンテージなら、こんな1本がおすすめ
「モエ・エ・シャンドン グラン ヴィンテージ 2009」

収穫年のキャラクターを前面に押し出した、モエ・エ・シャンドンのキュヴェがグラン ヴィンテージ。09年はピノ・ノワールの比率が高く、太陽のヴィンテージということも相まり、リッチでパワフル。フレッシュ感も損なわれず、完成度の高い味わい。

¥8,950(税別)/MHD モエ ヘネシー ディアジオ TEL:03-5217-9906




教えてくれたのは、柳 忠之さん

■プロフィール
世界中のワイン産地を東奔西走する、フリーのワインジャーナリスト。迷えるビギナーの質問に、ワインの達人が親身になって答える




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