手袋をしたまま「Touch ID」の突破を可能にする製品を紹介する(筆者撮影)

メーカー別のシェアではAndroid勢に押されているアップルだが、単一の端末では、iPhoneがもっとも販売台数が多い。世界中に同じ形状で流通していることもあり、周辺機器のエコシステムが大きいのがiPhoneの魅力になっている。身近なところでは、ケースの豊富さでは、iPhoneにかなうスマホはないだろう。アップル自身もこうした周辺機器を手掛けており、iPad Proなどの製品は、むしろ周辺機器を買い足すことが前提で設計されているようにも見える。

母集団が多いこともあり、ケース以外の周辺機器も豊富にそろう。ケーブルや充電器など、バッテリー関連の製品はその1つ。iPhone用ではBluetoothイヤホン、iPad用ではキーボードやスタンドも、定番といえるジャンルだ。こうした周辺機器を“ちょい足し”することで、iPhone、iPadが今まで以上に活躍する。そこで今回は、ケース以外の周辺機器に目を向け、iPhone、iPadをもっと便利にするための裏技を紹介していこう。

1.手袋をつけたままTouch IDを使う


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昨年から厳しい寒さが続いているが、防寒対策のために手袋をすると、iPhoneの操作に支障が生じる。iPhoneのタッチパネルは、静電容量式と呼ばれる仕組みで、指に通る電気量の変化を検知して反応しているからだ。当然、手袋をすると、指の電気を検知できなくなるため、タッチパネルが反応しなくなってしまう。対策として、タッチパネルが反応するような素材を指の部分に織り込んだ手袋も、発売されている。

ただ、こうした手袋を使っても、1つだけ解決できない問題がある。Touch IDだ。Touch IDは指紋をセンサーで読み取ってロックの解除を行う機能。手袋で指が覆われてしまっている状態だと、反応しないのは当たり前だが、画面のロックを解除するたびにパスコードを入力するのは、手間がかかる。Touch IDに慣れていると、なおさらそう感じるだろう。指の先端部分だけが露出する形状の手袋もあるが、防寒対策という観点では疑問が残る。どうしてもお気に入りの手袋を使いたいという人もいるはずだ。

そんな人にお勧めしたいのが、「Diper ID」と呼ばれる製品。「疑似指紋」と銘打たれているように、この製品は、指紋を模した凹凸のある模様が描かれたシールで、手袋に張り付けて使用する。手袋の指先に、疑似的な指紋を作ってしまうことで、Touch IDを突破するというのが、Diper IDの仕組みだ。利用方法は簡単で、自分の指紋の代わりに、iPhone側にDiper IDの疑似指紋を登録するだけ。あとは、通常のTouch IDと同様、指紋センサーに触れるだけで、ロックを解除したり、App Storeで決済したりといったことができる。


手袋に、疑似的な指紋をつけることができる「Diper ID」(筆者撮影)

同じDiper IDを使用する人に、Touch IDを突破されてしまうのでは……という心配もあるが、それは杞憂だ。Diper IDの疑似指紋は3万パターン以上あり、偶然同じものに当たる確率は、限りなく低い。一人ひとり異なる指紋よりリスクが上がることは確かだが、Touch ID自体も、5万分の1の確率で、誤ってロックを解除してしまう。それを考えると、3万以上のパターンがあれば十分だといえる。

タッチパネルの操作も可能なため、タッチパネルの操作に対応していない通常の手袋に張って使ってもいい。残念ながら、指で直接操作するよりは精度が低くなるため、操作が快適とはいかないが、手袋を外さず、通知を確認できたり、メールを読めたりするのは便利だ。価格は4個入りで1400円前後。手袋自体を買い替えるよりもリーズナブルで、気軽にちょい足しできるのがうれしいポイントといえるだろう。

2.iPad Pro用キーボードは12.9インチ用を使う


10.5インチ版のiPad Proに、12.9インチ版のスマートキーボードを接続した(筆者撮影)

iOS 11でパソコン風に使える機能が増え、iPad Proとキーボードを使って文字入力をしたいという人もいるだろう。実際、筆者もiPad Proのスマートキーボードで取材のメモを取ったり、打ち合わせの要旨を入力したりしているが、文章作成はスムーズに行える。さすがにパソコンと同じようにとまではいかないものの、文章作成やプレゼン資料作りであれば、十分こなせる実力がある。

スマートキーボードは、使わないときは折りたためて、液晶面を保護するケースにもなるのが便利だ。Bluetoothキーボードとは異なり、バッテリーが不要なうえに、iPad Proの側面にある接点に装着するだけと、手軽に利用できる点も評価できる。小さいデメリットとして、キーストロークの浅さが挙げられるが、慣れてしまえば、違和感もなくなってくる。

ただ、10.5インチ版や9.7インチ版のスマートキーボードだと、キー1つ1つのサイズがどうしても小さくなりがち。ディスプレーのサイズにピッタリ合わせてあるため、12.9インチ版用のスマートキーボードのほうが、キーとキーの間が広くなり、打ち間違えも少なくなる。腕を机の上に置いたときに、余裕があるのも12.9インチ版のスマートキーボードだ。

この打ちやすさを取るなら、スマートキーボードだけを12.9インチ版にするという手がある。10.5インチ版の本体と、12.9インチ版のスマートキーボードを組み合わせれば、重さとキーボードの打ちやすさが両立する。実は筆者も、この手を使っており、普段はスマートキーボードをiPad Proから取り外し、折りたたんで持ち運んでいる。これなら、ノートPCより軽くなり、しかも文字は打ちやすい。

アップルのサイトでは、12.9インチ版のスマートキーボードと互換性のある機種に、10.5インチ版のiPad Proは記載されていないが、2つを接続する端子の形状やサイズは、すべて同じ。iPad Proとスマートキーボードのサイズを合わせる必要はないのだ。ディスプレー用のカバーとして使うと、スマートキーボードが大きくはみ出してしまうのが難点だが、あえてカバーとしての用途は捨て、持ち運び用のキーボードとして使うといい。Bluetoothキーボードより重量も軽く、バッテリー交換も不要なため、気軽に使えるはずだ。

3.ワイヤレスチャージャーのお勧めは「Galaxy用」

iPhone 8、8 Plus、Xは、背面がガラス素材になり、Qi(チー)方式のワイヤレス充電に対応した。Lightningケーブルで狙って端子に挿さなければならない従来の充電とは異なり、充電器に置くだけで充電が始まるため、手軽に利用することができる。ケーブルを使った充電よりも充電時間が長くなるのが難点だが、片手で充電を始められるため、ワイヤレス充電に慣れると、ケーブルを使った充電が面倒だと感じてしまうほどである。

Qi方式のワイヤレス充電は、これまでAndroidスマホの一部が対応してきたこともあり、すでにチャージャーが市場に出回っているのも、うれしいポイントだ。しかもiPhoneが対応したことで、チャージャーのバリエーションに広がりも出ている。取り扱う店舗も増え、以前より買いやすくなっているといえるだろう。

さまざまな種類のワイヤレス充電器が発売されているが、筆者がお勧めしたいのは、サムスン電子製の「Wireless Charger Stand」。Galaxyブランドで販売されているため、iPhoneには対応していないかと思いきや、共通規格のQiを使っているため、どちらの機種でも利用できる。


Galaxy用のワイヤレス充電器は、スタンドになっているため、iPhoneを充電しながら使う際に便利(筆者撮影)

その名のとおり、スタンドになっているのがこの充電器の便利なところだ。特に相性がいいのが、Face IDを利用するiPhone X。平置きのワイヤレス充電器でiPhone Xを充電したまま使おうとすると、ディスプレーをのぞきこむようにしてロックを解除する必要があるが、スタンド型のワイヤレスチャージャーであれば、そのようなひと手間が不要になる。

ディスプレーをポンとタップするだけでロックが解除されるため、通知があったとき、すぐに反応できるのがメリットだ。立てかけられるため、動画を見ながら充電するといったときも活躍する。ここで紹介したWireless Charger Standは2016年のものだが、Galaxy S8、S8+に合わせて発売されたワイヤレス充電器は、スタンドの角度まで調整できる。Galaxy用だからといって、使わないのはもったいない。

ただし、大手メーカーが作っていることもあり、値段はワイヤレス充電器の相場よりも少々高め。作りがしっかりしているため、値段に見合った価値はあるように思えるが、サードパーティ製品の中には、より安価なものがあることも覚えておいたほうがいい。いずれにせよ、iPhoneの操作まで考えると、ワイヤレス充電器はスタンドタイプのものを選ぶのが正解だといえる。