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もくじ

ールノー・クリオ・ウィリアムズの基礎知識
ー考えるより走れ! 「150psのジャイアントキラー」
ーAUTOCAR記者の今の評価は?
ー「買い!」と思ったアナタに…… 最後のアドバイス

ルノー・クリオ・ウィリアムズの基礎知識

・製造:1993年〜1996年
・最高出力:150ps
・現在価格:3500ポンド〜1万5000ポンド(53万〜228万円)

プジョー205GTiが姿を消し、ホットハッチの黄金期が終わろうとしていた1990年代初頭。

3代目ゴルフはGTIをラインナップしたが、熱い魂と引き換えに、保険料を抑えたクルマに姿を変える。他の小さなロケット達も、ヴァイタリティを失って徐々に大人しくなり、このカテゴリーは絶滅寸前であった。

そんな中、ルノーが救いの手を差し伸べる。ネイビーブルーと金色のカラーリングで、F1ワールドチャンピオン・マシンを強く連想させる1台。ルノー・クリオ・ウィリアムズの登場である。

現在のルノー・スポールにあたる部門が、クルマの仕上げを担当。ルノー本体が主導するプロジェクトではあったが、これまでで最も優れたホットハッチが誕生した。
 

考えるより走れ! 「150psのジャイアントキラー」

初代クリオのラインナップには「16V」という熱いモデルも存在したが、クリオ・ウィリアムズは、それ以上のチューニングを施し、高い出力を得た。

16Vに搭載された1.8ℓのF7Pエンジン(138ps)の排気量を拡大。2.0ℓのF7R型は、最高出力150psを発生する。後にルノー・スポール・スピダーにも搭載されたユニットだ。

0-100km/h加速は7.8秒。最高速度215km/h。非常に優秀な数値を叩き出し、当時のゴルフGTIですら敵わぬ性能を誇った。

しかし、クリオ・ウィリアムズのドライバーズカーとしての評価は、決して最高出力によるものではない。クルマの隅々まで筋肉と神経が結ばれて調和したような仕立て。それこそが美点なのだ。

16Vよりも広いトレッド、ワイドなタイヤ、ローダウン・サスペンションのおかげで、基本性能も高められている。プジョー205GTiの方がハンドリングでは甘美な部分もあるが、それは限られた側面である。クリオは、路面や速度を選ばずグリップにも優れ、限界付近のハンドリングに過敏なところがない。
 

AUTOCAR記者の今の評価は?

イギリスで開発されたわけではないが、この土地のひどい路面でも乗り心地は保証できる。205なら横っ飛びしそうな窪みでさえ、クリオなら滑らかに通過する。ならば、コーナリング中のロールは? 心配無用。ターンインは繊細で、立ち上がりは実に力強い。現代のホットハッチよりも静かで、心地よい相棒になるだろう。

最高出力を得るには6100rpmまで回さなければならないが、低回転でも想像以上にトルクフルだ。その後に登場するルノー・スポールのモデル(3代目クリオ・カップなど)よりも、全回転域で楽しめる。ウィリアムズ1と呼ばれる初期型が最も軽量でベストな1台だが、製造台数はわずか3800台。しかし、追加で1600台ほど製造されている。バージョン2、バージョン3も発表されたが、安全機能の充実、ラグジュアリー装備の追加により重量増を招いた。

プジョー205GTiや、初代フォルクスワーゲン・ゴルフGTIほどの名声を得ていないのは事実だ。しかし、バーゲンプライスはすでに過去のもの。最も手に入れやすいウィリアムズ2が、状態の悪いタマでも今は3500ポンド(53万円)の値が付く。よく手入れされた低走行のウィリアムズ1ともなれば、1万2000ポンド(182万円)以上を覚悟しなければならない。
 

「買い!」と思ったアナタに…… 最後のアドバイス

購入時の注意点

錆びは大敵。後輪のホイールアーチ、リアハッチ、Bピラーとつながるサイドシルなどは要注意。

フロントフェンダー・パネルは樹脂製なので錆びないが、塗装を確認すること。太いホイールを履くと、タイヤとホイールハウスが接触し、変形したり塗装が剥がれることがある。

電装関係が弱点なので、メーターを含む補機類の全てをチェックしたい。パワーウインドウの動作確認もしよう。

運転席のフロアの湿りは要注意。ECUがここに搭載されているので、湿気によるダメージに注意が必要。

加えて一言 読者の皆さまに

「買い」と思ったら迷ってはいけない。量産された最も刺激的なホットハッチ。150psのジャイアントキラー。甘美なカーライフを過ごして欲しい。