©2016「君の名は。」製作委員会

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2016年8月に公開され、歴史的な大ヒットを記録した長編アニメーション映画『君の名は。』。

新春1月3日(水)に地上波初放送(テレビ朝日系)されることが発表され、再び大きな注目を集めている。

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同作の監督をつとめたのは新海誠。緻密で美しい風景描写、そして出会いとすれ違いによって揺れ動く男女の繊細な心情を物語にのせて鮮やかに描き出すことに定評があり、その作品は世代や国境を超えて多くの人々を魅了している。

映画『君の名は。』地上波初放送に際し、新海誠監督にインタビューを行った。

-『君の名は。』を見ていると、自分が高校生のときのことを思い出したりします。新海監督のなかでは、ずっと“10代のときの気持ち”が息づいているのでしょうか?

新海誠:「自分が中学生・高校生のときって、一番アニメーション映画を必要としていた時期だと思うんです。ひとつひとつの作品に教科書1冊と同じくらいの意味や秘密があるような気がしていたし、宮崎駿監督の映画を1本見るだけで、何か人生の大事なことを教えてもらえたような気がしていました。

それは自分が何か大事なものを求めていたから、そういう風に感じたのだと思います。

10代ってそういう時代でしょうから、僕も彼らが何かを受け取ったと感じてもらえるような映画を作りたい。

『君の名は。』もそういう気持ちで作りました。

今作っている新作もそういう気持ちでやりたいと思っています」

◆「感情のコアな”手触り”や”味”みたいなものは同じはず」

©2016「君の名は。」製作委員会

そして、冒頭に述べた以外にも、新海監督作品の魅力のひとつとして、まるで物語が自分の身近なところで起こっているような“リアリティのある世界観”が挙げられる。

世界観を構築するために、新海監督はどのようなリサーチを行っているのか?

新海誠:「特にリサーチらしいリサーチはしていないのですが、ただ街を歩いたり、電車に乗ったり、何気なく迷惑にならない範囲で高校生や中学生の子たちを眺めたりはします。あと、まだ小学生なんですけれど、自分の子どもを眺めたりもします。そんな風に現実のなかで今の若い人たちを観察しているというのも、ひとつあります。

それと同時に、やっぱり信じたいなと思っているのは、根本的な人間の感情は、50年くらいのスパンではそんなに変わらないんじゃないかということです。

スマホがなかったときの“寂しい”という感情と、スマホが登場してからの“寂しい”も多分根本は同じだと思うんですよね。

その寂しさを感じるタイミングみたいなものは刻々と変化していくでしょうけど、感情のコアな”手触り”や”味”みたいなものは人間だから同じはずだと思うんです。

自分の作品でいえば1000年前の万葉集の和歌をモチーフにしたりもしています。あのとき謳われている人を恋しいと思う気持ちに、僕たちが共通して理解できる気持ちが必ずあるはずだと。

個人的にはそのことをすごく強く信じているので、40代になったから10代の高ぶりとか恐れとかが理解できなくなるということはないんじゃないかなと思います。

体感としては少し薄くなっていくでしょうけど、あのときあんなに真剣だった、あんなに苦しかったということ自体は忘れないじゃないですか。そうした気持ちは、ずっと自分のなかに残るから。その事実だけを忘れないように、しっかり記憶にとどめたまま映画をつくっていけば、違和感はあってもいいんですけど、若い人にも見てもらえるような映画が少しできるんじゃないかなと、そういう風に信じたいと思っています」

かつて10代を過ごした人にはどこか懐かしく、今10代の若者には圧倒的なリアリティをもって映る映画『君の名は。』。

新しい年の幕開けを飾るにふさわしい1月3日(水)の放送は、必見だ。