長崎総科大附の小嶺忠敏監督【写真:編集部】

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小嶺監督率いる長崎総科大附が3-0で快勝、エース安藤もゴール記録

 高校サッカー選手権で歴代最多タイとなる6度の優勝を誇る名将・小嶺忠敏。現在、長崎総科大附(長崎)を率いている72歳の名伯楽は、これまで数多くのJリーガーや日本代表選手を輩出してきた。そして今年も一人、彼の元から新たなJリーガーが巣立とうとしている――。

 31日に各地で2回戦が行われた第96回全国高校サッカー選手権大会。フクダ電子アリーナで開催された第2試合では、長崎総科大附が3-0で中京大中京(愛知)に大勝した。

 今大会最大の注目株の1人でもあるFW安藤瑞季は先発出場で1ゴールと活躍。しかし、試合後に安藤がチーム3ゴール目を決めたことについて尋ねられた小嶺監督は「あれ、安藤って決めたっけな? 何点目? あー、最後のやつ、安藤だったんだ」と持ち前の” 小嶺節”を炸裂させた。

「安藤には、お前がJに行って通用するほど、そんな甘い世界じゃないぞと言っている」

 安藤は卒業後、J1セレッソ大阪への入団が内定している。昨季J1昇格を果たしたばかりだが、ルヴァン杯に加え、元日に行われた天皇杯でも優勝を収め、2冠を達成した強豪。来季以降も上位クラブとしての飛躍が期待されているが、一方で安藤にとっては出場機会を確保する上で険しい旅路が待ち受けていることになる。

 小嶺監督は国見時代、元日本代表FW大久保嘉人(現・川崎フロンターレ)、同FW平山相太(現・ベガルタ仙台)ら多数のJリーガーを輩出してきた。まさに先輩たちと同じ厳しい環境に身を投じようとしている愛弟子に対して、名将は戦い抜いていくために貫くべき姿勢を示す。

小嶺監督が熱弁 Jリーグを戦う上で必要な姿勢

「監督がどうのこうのとか、チームの雰囲気がどうだとか、絶対口にするなと言い聞かせている。監督なんて、下手したら3か月で交代することだってあるんだからね。そしたら、今度は次の監督に従わなければいけないわけで、出来ることは、ただただ自分の力を伸ばすことに注力していくだけ。

 自分の力を磨き続ければ、どこのチームだって通用する。だから、監督のせいにしたり、ソリが合わないだとかじゃない。自分の個を伸ばす努力をしなければ、どこに行ったって何が起きたって、うまくいきやしない」

 昨年の大会でも、長崎の選手たちは「監督は『大久保、平山のような選手は、試合から帰ってきたその日でもボールを蹴っていた』とか、『ルールは決して破らない』だったり、そういう話を選手にしてくれる」と、Jリーグの第一線で結果を残してきたトッププレイヤーの歩みを常に伝授されていることを明かしていた。

 どんな選手でも、18、19歳の年齢でJクラブで出場機会を勝ち取るのは至難の業だ。定位置はおろか、長期間ベンチ外で日々を過ごすことになるかもしれない。それでも、小嶺監督は指揮官やチーム状況に依存せず、一貫して自分を磨き続けることが、クラブに認められる唯一の道のりであることを教え子たちに伝え続けているのだ。(THE ANSWER編集部)