『anone』『アンナチュラル』『隣の家族は青く見える』…新ドラマはオリジナル作品が目白押し

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 1月から続々と始まる民放連続ドラマ。今期の見どころは、各局ともにズラリ顔をそろえた、実績ある脚本家たちによるオリジナルのドラマ作品になるのではないでしょうか? ドラマの王道と言えば、やはりオリジナル作品。その中でも、とりわけ注目度の高い作品を、ひと足早く、以下チェックしていくことにしましょう。

参考:石原さとみ、井浦新、窪田正孝が語る『アンナチュラル』の特異性 石原「初めての経験だった」

■『anone』(1月10日(水)22時スタート/日本テレビ系) ドラマ通のあいだで今期最も注目を集めているのは、やはりこの作品でしょう。広瀬すず主演、坂元裕二脚本の『anone』です。松雪泰子主演の『Mother』(2010年)、満島ひかり主演の『Woman』(2013年)に続き、日本テレビ×坂元裕二脚本の第三弾という位置づけになる本作。演出は、前二作に引き続き、水田伸生が担当します。

 「私を守ってくれたのは、ニセモノだけだった。」……そんなキャッチコピーとともに送り届けられたのは、本作のために髪をバッサリ切ってイメージを一新した広瀬すずの印象的なポートレイトでした(参考:坂元裕二脚本ドラマ『anone』、広瀬すずの様々な表情切り取った4種のポスター公開)。

 すべてを失った少女・辻沢ハリカ(広瀬すず)が、ある老齢な女・林田亜乃音(田中裕子)と運命的な出会いを果たし、真実の人間愛を見つけ出すという物語。共演者には、瑛太、阿部サダヲ、小林聡美、火野正平など、実力者が名を連ねています。広瀬すずにとって10代最後の連続ドラマとなる本作。今からちょうど一年前、『カルテット』(TBS系)でドラマ通を唸らせた坂本裕二は、果たして今回、どんな仕掛けを用意しているのでしょう。そして、“anone”というタイトルが、本当に意味するものとは? やや重いトーンの作品になりそうですが、心して観たいと思います。

■『アンナチュラル』(1月12日(金)22時スタート/TBS系) 続いて紹介するのは、2016年、『重版出来!』、『逃げるは恥だが役に立つ』という2本の漫画ドラマ化作品で、一躍人気脚本家の座に躍り出た野木亜紀子が、満を持して手掛けるオリジナル作品『アンナチュラル』です。

 石原さとみを主演に擁し、“不自然死究明研究所(UDIラボ)”と称する組織で働くスペシャリストたちが、不自然死の謎を解き明かす一話完結型の法医学ミステリーであるという本作。石原演じる解剖医と対立するライバル解剖医役を井浦新が、石原の部下役を窪田正孝が、石原の母親役を薬師丸ひろ子が演じるのをはじめ、市川実日子、池田鉄洋、竜星涼、小笠原海、飯尾和樹、松重豊らが出演。キャッチコピーは「不自然な死は許さない」。

 リアルサウンド映画部のインタビューで出演者たちが語っているように(参考:石原さとみ、井浦新、窪田正孝が語る『アンナチュラル』の特異性 石原「初めての経験だった」)、演出を担当するのがこれまで同枠で『砂の塔〜知りすぎた隣人』(2016年)、『リバース』(2017年)などシリアスな作品を手掛けてきた塚原あゆ子であるだけに、近年のコミカルな演技とはひと味違う、毅然とした石原さとみの芝居が見られる作品になりそうです。

■『BG〜身辺警護人〜』(1月18日(木)21時スタート/テレビ朝日系) そして、『ドクターX 〜外科医・大門未知子〜』のあとを引き継ぎテレビ朝日「木曜ドラマ」枠でスタートするのが、木村拓哉主演の『BG〜身辺警護人〜』です。

 テレビ朝日では、『アイムホーム』(2015年)以来、二度目の連続ドラマ主演となる木村。その彼が今回演じるのは、民間警備会社に勤務するボディーガードです。キャッチコピーは、「我々の任務は、絶対警護。」。その脚本を書き下ろすのは、木村とは『エンジン』(フジテレビ系)以来13年ぶりのタッグとなる井上由美子。かつて、『GOOD LUCK!!』(TBS系)では旅客機パイロットを、『エンジン』ではカーレーサーを木村に演じさせた彼女は、果たして今回、彼をどんなボディーガードとして描くのでしょうか。

 民間警備会社を快く思わない警視庁のSP役を江口洋介が演じるのをはじめ、木村の同僚ボディーガード役を上川隆也、斎藤工、菜々緒、間宮祥太朗が、そして厚生労働大臣(!)役を石田ゆり子が演じるなど、共演陣も実に豪華です。そのタイトルや設定から、どうしても『SP 警視庁警備部警護課第四係』シリーズ(フジテレビ系)を彷彿とさせる本作ですが、こちらは民間警備会社が舞台。民間なので当然銃器は携行しません。その“アクション”もさることながら、名手・井上由美子が描き出す重厚な“人間ドラマ”に期待です。

■『隣の家族は青く見える』(1月18日(木)22時スタート/フジテレビ系) 最後に紹介するのは、深田恭子と松山ケンイチが、大河ドラマ『平清盛』(NHK)以来となる夫婦役を演じることが話題となっているドラマ『隣の家族は青く見える』です。

 こちらは、近年注目を集めている“コーポラティブハウス(居住者が意見を出し合いながら作り上げる集合住宅)”を舞台に、婚活カップル、事実婚カップル、同性カップル、虚栄カップルなど、さまざまカップルが、それぞれの“家族のかたち”を模索するドラマになるのだとか。「どんな夫婦も、悩みを隠して、笑っている。」という、ドキッとするようなキャッチコピーからも窺えるように、多様化する昨今の世相を反映した、ある意味チャレンジングな作品になりそうな本作。

 その脚本を書き下ろすのは、映画化もされた戯曲『今度は愛妻家』をはじめ、『ラスト・シンデレラ』(2013年)、『ディア・シスター』(2014年)などのドラマ作品でも知られる中谷まゆみです。婚活カップルを演じる深田恭子&松山ケンイチをはじめ、事実婚カップルを演じる平山浩行&高橋メアリージュン、同性カップルを演じる北村匠海&眞島秀和、虚栄カップルを演じる真飛聖&野間口徹など、個性豊かな役者陣によるアンサンブルが見どころの一作となりそうです。

 以上、実績ある脚本家たちによる入魂のオリジナル作品がラインナップされた1月期の民放連続ドラマですが、実はそれ以外にも、山崎賢人がナンバーワンホストを演じる『トドメの接吻』(1月7日(日)22時スタート/日本テレビ系)、『嘘の戦争』を送り出したカンテレが亀梨和也主演で描く復讐劇『FINAL CUT』(1月9日(火)21時スタート/フジテレビ系)、『世界一難しい恋』のスタッフが再集結した山田涼介&波留主演のコメディ『もみ消して冬〜わが家の問題なかったことに〜』(1月13日(土)22時スタート/日本テレビ系)、そして2016年の4月期に高視聴率をマークした松本潤主演の弁護士ドラマの続編『99.9‐刑事専門弁護士‐ SEASON II』(1月14日(日)21時スタート/TBS系)など、いつになくプライムタイムにオリジナル作品が多い印象のある今期。

 漫画や小説のドラマ化もいいけれど、先入観なく、その先行き不明な物語に身を委ねられるのが、何と言ってもオリジナル作品の良いところ。1月期は、地上波民放ドラマの王道、オリジナル作品たちに注目です!

■麦倉正樹ライター/インタビュアー/編集者。「smart」「サイゾー」「AERA」「CINRA.NET」ほかで、映画、音楽、その他に関するインタビュー/コラム/対談記事を執筆。