「結婚=ゴール」なんて考えは、古すぎる。

東京には、結婚相手を探す女性で溢れかえっているが、結婚はゴールではない。

吾郎、34歳。長身イケメン、東大卒、超エリートの企業法務弁護士。

吾郎いわく、結婚をM&Aに例えるならば、M&A実施の調印式=結婚式であり、PMI=結婚後の生活となる。現代の東京において、PMI軽視の風潮は非常に強い。

…と言いながらも、吾郎は英里と結婚。しかし、彼のアンチ結婚主義は変わらない。

引き続き、既婚者たちの結婚生活を、彼独自の目線で観察していこう。

「結婚ゴールの真実」一挙に全話おさらい!



第1話:小遣いより高い保険料と毎月増えるルブタン...ポンコツ嫁に怯える夫

松田は、去年の秋に結婚した。相手は同じ弁護士事務所の秘書だ。事務所の秘書は基本的に、弁護士の嫁になり得る素養を持った女が採用される。(少なくとも、吾郎の事務所では、そうなのだ)

しかし、「素養」と「適性」は、全く違う。採用試験の際に、「適性」まで見抜けるほど、人事部は有能ではないと、吾郎は思っていた。

松田の嫁は、顔はなかなか可愛く愛想も良く、世田谷生まれで女子大育ちの女だ。当時は28歳で、婚活市場においては良案件に属したのだろうが、吾郎にとっては、恐怖を絵に描いたような女だった。

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第2話:夢のタワマン移住が裏目に...?豊洲カーストが生んだ、ボス猿嫁の実態

大学時代のサークル同期の2次会。それは、紀尾井町の『GARB セントラル』で行われていた。新郎は吾郎と同期の男で、公認会計士をしている。嫁はサークルの後輩で、都内女子大卒メガバンク勤めの、なかなかの美人だ。

嫁のドレス姿は見栄えが良く、吾郎は二次会に参加したことを後悔せずに済んだと思いきや、男たちの品のない余興が始まった。 数人の男たちがフンドシ姿で、何かを叫びながら、音楽に合わせ、ただ暴れている。

吾郎はそんな余興に目も当てられず、テラス席に避難した。そこで、この髪を掻き上げまくる女・アケミに捕まってしまったのだった。

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第3話:妻への生活費を渋る商社マン。駐妻が直面した、ケチ夫の貧困恐怖

「旦那が生活費をくれないときって、どうしたら良いんですか?」

何度も言うが、吾郎は企業弁護士だ。こういった案件は専門外ではあるが、この種の相談は非常に多い。

「私、今、貯金を切り崩して生活しているんです。」

精気のない表情で、そう切り出した理恵子の話は、思ったよりも深刻なものだった。

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第4話:妻の過去という「パンドラの箱」。知らぬが仏、女の裏の顔は...

「俺、もうダメだ...。本当に、どうしたらいいか分からない...。」

清々しい、週末の昼下がり。高校時代の友人である春樹は、『トゥーランドット』の名物である酢豚には目もくれず、文字通り、頭を抱えていた。

「あゆみがそんな女だったなんて、俺、まだ信じられないんだ。お前だって、あり得ないと思うだろ...?」

―“あり得ない”だって?

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第5話:愛され妻の秘密。結婚願望ゼロ男を落とすため、プレゼン資料まで作る女

洋介は悪い男ではないし、一見、文句なしのSランク男だ。しかし批判覚悟で言ってしまえば、東大卒のコンサル男なんて、変人ばかりだ。(吾郎は人の事を言える立場でもないが)

今となっては余裕の美人妻となった優香だが、その幸せは、相当な苦労の積み重ねの果てに手に入れた賜物であると、吾郎は認識している。

そして優香の成功は、夫への「愛」なしには語れない。

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第6話:月40万円でも足りない生活費。見栄っ張りな元モデル外銀妻の実態

「なぁ吾郎、一般的に、専業主婦って、どれくらい生活費を使うもんだと思う?」

大学の友人である彰人は、焦燥した顔でつぶやいた。目の下には、濃いクマが出来ている。彼は某外資系金融で債権の営業をしている。年収は恐らく、3千万円は下らないだろう。

彼は半年前、2歳年下のモデル上がりの美代子という女と結婚した。しかしモデルと言っても、手足がヒョロリと長いだけで、言うほど目を惹く外見ではなかった記憶がある。

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第7話:ルンバより低い、夫の家庭内カースト身分。自虐男の賢きサバイバル

雅人の結婚歴は、もう7年以上になる。学生時代から長く付き合っていた同い年の女と、若くして結婚したのだ。

彼曰く、10代から付き合っていた嫁との関係は、夫婦を通り越して老夫婦のようだと言う。そして彼女は、もう雅人を「男」として見ることはない。

彼の結婚生活は、基本的に、かなり悲惨だ。

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第8話:吐き気がするほど夫が嫌い?「旦那ツワリ」に巻き込まれた男の苦悩

「旦那悪阻(ダンナヅワリ)」とは、女が通常の妊娠のツワリをきっかけに、旦那まで吐き気がするほど嫌いになってしまう現象らしい。

果たしてポピュラーなワードなのかイマイチ分からぬが、志保いわく、夫婦間ではよくあることだという。「産後クライシス」に続く、ツワリバージョン的な位置付けのものなのかも知れない。

それにしても、「顔を見ると吐き気がする」なんて例えがあるが、それが実際夫に対してリアルに起こるということなのだろうか。

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第9話:年収1千万の夫から貰う生活費はたったの7万円...?専業主婦は遠い夢

「お宅の旦那だって、稼ぎは悪くないだろ?小遣い貰って、のんびり暮らしたっていいじゃないか。」
「はぁ?そんなの、不可能です。日系企業のサラリーマンなんて、ほとんど貧乏人ですよ。分かってるクセに。」

吾郎は、やはりこの皮肉な性格をした秘書が嫌いではない。酒の酔いもまわり、ついに前々から気になっていた質問をしてしまった。

「なぁ、普通のサラリーマンって、嫁にどのくらい生活費を渡すもんなの?」

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第10話:「家事は女の仕事」温厚な会計士の意外な一面。我慢ならぬ妻は…

「結婚して1年も経てば、もう新婚じゃないわよ。それに、結婚生活が楽しいとは言えないわね...。」

美加は生ビールを数口飲んだだけだったが、すでにカウンターに突っ伏してしまいそうな様子だった。童顔の可愛らしい顔には疲れが滲んでいて、本来の魅力を損なってしまっている。

「私、本当にいつか息が詰まって死ぬんじゃないかと思うくらい、毎日息苦しいの。」

男運の悪かった彼女は、最後にようやく幸せを掴んだように見えたが、どうやら間違いであったらしい。吾郎は、大きく溜息をついた。

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第11話:「内助の功」破れたり。玉の輿に乗った女が踏んだ、金持ち夫の地雷

「もう、昔ほど誠一さんも仕事が忙しくないの。下の子もやっと小学校受験が終わったから、一安心。これからは、夫婦でたくさんゴルフ旅行しようねって話してるの」

最後に会ったとき、彼女はそうやって嬉しそうに控えめに語っていた。

だが、長年連れ添い、二人の息子を産んでも、誠一という男の手綱を握るのは簡単ではなかったらしい。たった一回だけ、雪乃は夫の地雷を踏んでしまい、関係は破綻へと向かってしまった。

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第12話:年収1,000万の社畜夫。日本の悪習「飲みニケーション」代は、月30万

「まぁでも、ちょくちょく外で飲んでストレス発散するくらい、許してやれよ」
「ちょくちょく、どころじゃないわよ。ほぼ週5日、毎晩飲んでるのよ、ウチの旦那は。それに......」

奈央子は辛さのために吹き出る汗をハンカチで抑え、酒でも煽るように、水をぐいっと飲み干す。

「飲み代だけで、月に30万円以上使うこともあるのよ?いい加減、やってられない...」

吾郎が30万円という金額に度肝を抜かれたのは、言うまでもない。

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第13話:「商社マンじゃ勝てない...」夫のスペックで戦うマウンティング妻

ゴツいトゲトゲの装飾が付いたハイヒールなんぞ、どんな女が好むのかと疑問に思っていたが、瑠璃子の細く華奢な脚には確かにそれは良く似合っていたのだ。

―高い靴を買わされて高級鮨を奢るなんて、完全にオッサンの所業じゃないか......。

吾郎は少々の自己嫌悪に陥りながらも、しかし、目を輝かせて次の料理を待つ瑠璃子の様子が可愛くて可愛くて仕方がない。何を隠そう、彼女は吾郎の唯一の弱点とも言える、6つ年の離れた妹だった。

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第14話:あえての“別居婚”で掴んだ幸せ。子連れ再婚を果たした、39歳の女

英里との結婚は自分なりに考えて決断したものだし、現状特に不満はない。ただ、何も知りもしない他人に分かったようなことを言われると、何となく悔しさが湧き、プライドがチクチク痛むのだ。

それに自分が特別というわけではないが、基本的に結婚という制度に否定的なのは、今でも変わっていない。

「そちらも再婚されて、まだ日が浅いですよね。どうですか、結婚生活は」

丸の内のビジネスマンに評判の高い『すし青柳』の鮨をつまみながら、吾郎は反撃をするように美代に尋ねた。

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第15話:DINKSはもう古い?エリート女が専業主婦に徹する理由

紀子の専業主婦になるという決断は、彼女を知る人にとっては、もはや山口百恵や堀北真希の引退くらいのインパクトがあった。キャリアの絶頂期で、なぜ“わざわざ”専業主婦なのか。休職でも産休でもなく、彼女は完全に退職してしまったのだ。

経済力もある夫婦なら家政婦やベビーシッターを雇うことも容易だろうし、あれほどの栄光を手にしたキャリア女が、専業主婦で満足できるものなのだろうか。きっと夫がよほどの亭主関白か、紀子のような頭の良い女でも、結婚というイベントにのぼせ、判断を誤ることがあるのか。

そんな背景から、吾郎は紀子から「吾郎くんの結婚秘話も聞きたいし、お祝いしましょ」と、久しぶりの連絡をうけたとき、さぞかし面白い結婚生活の実態が聞けるのだろうと、少々意地の悪い期待を抱いていた。

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第16話:嫁が寝るまで、帰りたくない。朝4時までTSUTAYAで過ごす夫

明宏は吾郎と同じ34歳の既婚者であるが、中年に差し掛かった泥酔男が「クラブで飲もう」などと言う姿は、何とも癒えぬ哀愁感が漂う。

「いや、お前も酔いすぎだろう。たまには早めに帰ったらどうだ」

吾郎はそう窘めたが、この男は、恐らく一人でも飲みに行くに違いなかった。明宏は悪い奴ではないし、決して嫌いでもないのだが、とにかく"帰りたくない男"なのだ。

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第17話:駐妻フィーバー!異国で夫を支える妻が知った、イケナイ蜜の味

吾郎は瑠璃子の発言を、空耳かと疑う。妹は刺激物を全面的に口にしなかったはずだし、ココナッツミルクなんぞ毛嫌いしていた。しかし何より驚いたのは、兄の顔を見ればとにかく高級鮨ばかりねだっていた妹が、長いフライトの後で率先して料理を作るなどと言い出したことだ。

「お前、料理は嫌いじゃなかったか?それに、今夜はお前のために『乃木坂 しん』の予約を入れてあるが...」
「えー!そうなの、嬉しい!さすがお兄ちゃん!じゃあ、お料理は明日にするね。瑠璃子、バンコクでお料理得意になったの。楽しみにしてて」

英里と一緒に楽しそうに荷解きをする妹を、吾郎は虚を突かれたように、ただぼんやりと眺めていた。

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第18話:“昼顔”でも“あなそれ”でもない。完璧な幸せに、自らヒビを入れる妻の狂気

「女の浮気」というものを、恐らくほとんどの男たちは、現実味のない、他人事だと思っている。いくら世の妻たちの不貞が注目され、ドラマや小説でどれだけ話題を集めようとも、男の興味は基本的に、「奪う側」にしかない。

自分の女を「奪われた」情けない男など、交通事故か、たまたま通り魔に遭遇してしまった不運な被害者のような存在に等しく、“まさか”自分の身に実際に起こるものとは考え難いのだ。男とは、そういう生き物である。

良く言えば、男は自分の女を信じている。彼女たちが自分に向ける愛情、優しい振る舞いに裏があるなど、疑いもしない。しかし悪く言えば、それは根拠のない自惚れであり、女たちを軽視し、ただ見くびっているだけなのかも知れない。

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第19話:「“クビ”になった」と妻に言えない。栄光を失った外銀夫の虚しい逃げ道

数年前までの彼は、常にシワのない濃紺のスーツや艶のある革靴を身につけ、おろしたての白シャツをシャキッと姿勢よく着こなし、まさに“外資系証券会社の営業マン”を体現しているように見えた。

切れ長の目に鋭い眼光、自信あふれる立ち振る舞い、ジム通いで鍛え上げられたスマートな体躯は、男の吾郎から見ても尊敬に値し、良い刺激だったのだ。

だが、今や転職活動中という名のニートになった昭夫は、たるんだ身体にTシャツに短パン、安っぽいスリッポンを履き、見るも無残な姿に変貌していた。

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第20話:“父親”よりも“一人の男”でいたい。イクメンを夢見ていた男が吐露した、胸の内

「人は、親になって初めて一人前の人間になるのよ」

なんてエラそうに語り始めた専業主婦の女友達には、異論を唱えて激しい口論となり、泣かせてしまったことすらある。

だが、吾郎は本気で理解不能なのだ。子どもを持つことで優越感にひたり、それを正義のように振りかざし、他人に押し付けようとする親たちが。

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