インタビューに答える大迫

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 国内初マラソンとなった福岡国際(昨年12月3日)で日本歴代5位のタイムをマークし、3位入賞という鮮烈な凱旋レースを走った大迫傑(26=ナイキ・オレゴンプロジェクト)。待望久しいマラソン界の新星は、飛躍の17年を振り返るとともに、18年の抱負や20年東京五輪での活躍を誓った。

 福岡国際の激闘の疲れを癒やすべく、少し早めのウインターブレークを母国・日本で過ごした。「誰にも気付かれませんでした。こんなもんですよ」。指定された都内の取材場所に現れた大迫はレース当日の近寄り難いような緊張感はなく、柔和でおしゃれな26歳の好青年の姿がそこにはあった。

 「17年はマラソンという新しいことに挑戦したわけですけど、比較的いいシーズンだった。飛躍の一年」。昨年の自分自身をこう振り返った。3月はボストンマラソンで3位。日本男子の表彰台は1987年の瀬古利彦以来30年ぶりという記録にも残る鮮烈なデビュー戦だった。

 2戦目に選んだのは福岡。ここでも日本歴代5位のタイムで3位に入り、いとも簡単に東京五輪選考レースの出場権を獲得した。「落ち着いていたというのが福岡の印象。自分のペースで、力をちょっとずつ出していくことに集中していただけです」

 ただ、成功の裏には挫折もある。飛躍の一因となったのは米国での失敗レースだった。16年のプリフォンテーンクラシック(米国)では記録を意識し過ぎたこともあり途中棄権。「タイムを意識し過ぎたときはだいたい良くない」。その失敗がマラソンに生きているという。「タイムではなく、自分のペースで走るのが大事だと学んだ」。この経験を確実に結果に結びつけるところが強さの秘密だ。

 17年の日本マラソン界を大いに沸かせた男が掲げる18年のテーマは意外にも「初心」だという。「常に新鮮な状態でリセットする。初めてマラソンをスタートするような感じです。東京五輪に向けても、常に次の大会で勝てる準備をする。ひたすらメダルを狙って、着実に一歩一歩。結果として半端なくいければと思う」。あくまで自分のペースを守る。その先には半端ない色のメダルを首にかける大迫の姿がある。