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第89回で六本木の数少ない立ち食いそば「小諸そば」を紹介した。続いて今回も、六本木。「名代 富士そば」の一杯を味わおう。富士そばは、数多くある立ち食いそばチェーンの中でも「超」がつくほどの大手グループ。店舗は東京を中心に、埼玉、神奈川、千葉と関東を代表するファストフードだ。公式ウェブサイトによると23区には現在105店舗(2017年12月現在)。

○六本木のど真ん中で24時間待っている

かくいう自分も富士そばには思い入れがあり、ちゃちゃっと腹を満たしたい時や、深夜に小腹が空いた時など、最寄りの店舗に数え切れないほど足を運んだ。読者の方にも、演歌のBGMを聴きながらそばを啜った人も少なくないのではないだろうか。この日訪れた六本木店は、東京メトロ日比谷線「六本木」駅4a出口を出てすぐ、六本木交差点で24時間明かりを灯す。

中に入ろう。入ると左手に券売機が2台。支払いには交通系ICカードが使える。店内は奥に細長く、両側に着席カウンター。立ち食い席はない。平日の13時前ということもあり、9割以上が埋まっていた。

食券を買って、突き当りの厨房カウンターに「そばで」のコールとともに提出。選んだメニューは「肉富士そば」(税込470円)。昔は「わかめうどん」ばかり食べていたが、今日は趣向を変えてみた。

あまり広くない厨房には店員さんが3人ほどいただろうか。生き馬の目を抜く六本木の客を、次々とさばくのに忙しそうだ。無骨な接客がいかにも、という感じで心地よい。提供スピードはさすがで、混んでいても1分以内には呼ばれる。水を汲みつつ、空いている席に腰を下ろす。

○豚肉たっぷりなビジュアルでもおいしい一杯

富士そば歴15年以上だが、初のご対面「肉富士そば」。湯通しされた豚肉がたっぷり盛られた脇にはワカメと温泉卵、刻みネギ。肉の下には焼き海苔が敷かれているのは珍しい。もうひとつの看板メニュー「特撰富士そば」が、大きな揚げとカニカマという不可思議な取り合わせに対して、こちらは攻守のバランスがとれた、見た目にもおいしい一杯だ。

ツユは関東チェーンの割に、それほど黒くない。ダシの風味がさっぱりと感じられる、いいツユだ。そばは小麦のつなぎが多めで、麺及び具のボリュームは申し分なし。

この連載を始めてからも、箸休めのような気持ちでちょくちょく富士そばに通ってはいたが、ようやく紹介するに至った。あらためて食べてみると、毎日食べても飽きのこない味づくりはさすがだと思える。富士そばさん、今後とも末永くよろしくお願いします。

○筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に銭湯を紹介する同人誌『東京銭湯』『三重銭湯』『尼崎銭湯』などをこれまでに制作。