食の大切さを小学生に伝える「超人シェフ×超人アスリート 夢のスーパー給食」で横浜市内の小学校を訪問した山縣亮太、右代啓祐、長谷川大悟、新井涼平【写真 : 編集部】

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リオ五輪代表・山縣、右代、長谷川、新井が語った「食」のこだわり

 8月に世界選手権が行われ、昨年、大きな盛り上がりを見せた陸上界。ライバルと戦う体を作り上げ、ベストパフォーマンスを引き出す上で、大事な要素が「食」だ。では、五輪に出場するような日本のトップ選手たちは何を食べ、どんなこだわりを持っているのか。将来のトップアスリートを目指す中高生は意識すべきことは何か――。昨夏に行われたリオデジャネイロ五輪代表の4選手に話を聞いた。

 登場したのは、リオ五輪代表400メートルリレー銀メダリストで100メートル日本歴代2位の10秒00を持つ山縣亮太(セイコー)を筆頭に、十種競技の右代啓祐(スズキ浜松アスリートクラブ)、三段跳びの長谷川大悟(横浜市陸協)、やり投げの新井涼平(スズキ浜松アスリートクラブ)だ。

 11月30日に行われた食の大切さを小学生に伝える「超人シェフ×超人アスリート 夢のスーパー給食」(主催=一般社団法人超人シェフ倶楽部、共催=日清オイリオグループ株式会社)で横浜市内の小学校を訪問した4人。それぞれ種目は異なり、筋力、瞬発力、跳躍力など求められる能力が異なるが、日常の練習、あるいは大会に際し、どんな物を食べているのか。「食」に対する考えを語ってもらった。

――それぞれ異なる種目。4人にとって「勝てるごはん」は何でしょうか。

右代「まずは次の日に体を回復させるため、バランス良く摂ること。自分は放っておくと体重変動が激しい。和食中心に組み立てています。そうすることで、変動が落ち着くので、自分にとって和食は大事。体の疲労が大きい時はがっつり肉を食べることもあるけど、波を作らないという意識で、和食は勝負するときに必要なもの。タンパク質は大事。生姜焼きが大好きです」

――右代選手は「キングオブアスリート」と呼ばれる総合性の高い十種競技。気をつけていることは。

右代「練習、競技時間が長いのも競技の特性。間の補食の意識もしている。おにぎりが準備できる環境なら、おにぎり。ゼリー系で瞬時に回復できるものがあれば使っています」

「毎日納豆」「1日7食」「かつ丼」も!? それぞれの狙いとは…

――三段跳びの長谷川選手はどうでしょうか。

長谷川「日頃から気を付けているのは大豆製品を取ること。納豆、豆腐とか、ほぼ毎日食べています。低カロリー、高たんぱくで取りすぎても大きな問題がないので、継続して取っています」

――食べる上でのこだわりは。

長谷川「ひきわりは好きではありません。大きすぎるのも食べづらいので、大きすぎない。ほどよい大きさのものにこだわっています。あとはねぎをたくさん入れること。体を温める作用があるので、風邪のときもとるけど、体を冷やさないようにしています。あとは自分は苦手な野菜があるので、スムージーにして飲むという工夫はしています」

――瞬発力が問われる山縣選手は。

山縣「エネルギー源が枯渇すると、瞬発の力が出ない種目。力が出づらい競技なので、かつ丼を食べるようにしています。ゲン担ぎだけじゃなく、特に意識しているのが、栄養面。右代選手もおっしゃった通り、たんぱく質の効果が大きい。国内の遠征では、どこにでもお店があるので、大会前に食べるようにしています」

――やり投げの新井選手は。

新井「自分は疲れたら肉を食べるようにしていますが、これといってこだわりはありません。ただ、長谷川選手と同じように野菜、果物をスムージーにして飲みやすくして、こまめに摂るようにしています。試合前は消化のいいうどんを食べるようにしていた時期もあったけど、海外ではそうもいきません」

――183センチ、96キロの体格。体を大きくする上で、どう意識してきたのか。

新井「体格でよく言われるのは、大食いと思われがちですが、実は小食なんです。1人前食べたら、お腹いっぱいになります。なので、工夫しているのは回数を分けて1日5食にすること。大学2年くらいからやっています。3食を通常通り食べ、その間に1食ずつ。1時間半から2時間おきで食べています。おにぎりだけではなくて、鶏肉とか。多いときは7回くらいになることもあります」

――細かく分けて食べることのメリットは。

新井「お腹が空いている時間がないこと。その分、練習に集中できるし、エネルギーが切れない。大食いではないので、腸の波がないのもいいのかなと思うし、食べる量が少ない人が細かく分けて食べるのはいいことだと思います」

陸上選手にとっての「食」とは? 「ライバルと戦っていくスタートライン」

――4人にとって「食」とは何でしょうか。

右代「究極を言えば、食べ物がなければ、人間は生きていけない。生きる上で必要なもの。競技をする上では、食べたもので僕たちの体は作られる。トレーニングの疲労を回復させたり、体を大きくさせたり、自分が生まれ変わるために大切なもの。食事に対してしっかりと知識を持って、何のために必要なのかわかってくるといいと思います。

 特に、中高生くらいは出されたものを何気なく食べて、知らないうちに大きくなっている。でも、自分に何が足りなくて必要なのかまで調べて、知識を持った上で栄養を摂れるようになると、怪我が予防できたり、効率的に体を作れたりできる。自分自身も、しっかりと意識していきたいです」

長谷川「スポーツに限らず、ほかの仕事でも、体が健康でないとできないもの。特にアスリートは、体調を崩しても、あまり薬を使うことができない。そういうことも頭に入れながら、どういう栄養素が足りなくて、どう摂っていけばいいという知識があると、食事で自分の体調をコントロールできるようになる。そういったものの積み重ねが、競技を含め、いろんな結果につながります」

新井「自分は食べているものが体を作ると思っています。いかにバランス良く、栄養を摂るかがとても大事。競技をしていく上では意識しているし、今後も意識していきたいと思っています」

山縣「食は僕の中では『ライバルと戦っていくスタートライン』と思っている。しっかりした食事、栄養を摂れないと練習の質に影響する。例えば、しっかり走りたい時に走れない、タイムを上げたい時に上げられないことになる。そうなると、戦うための体作りができない。体ができてない状態で、当然、勝てるわけがない。競技をしていく上で、一番大事なポイントだと思います」(THE ANSWER編集部)