17年の箱根駅伝で7区を走った青学大・田村

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 第94回箱根駅伝は2日午前8時に東京・大手町をスタートし、2日間にわたって神奈川・箱根町との往復10区間217・1キロで争われる。王者・青学大は大学3大駅伝で5度の区間賞を誇る“駅伝男”の田村和希(4年)が「ハーモニー大作戦」で自身の箱根駅伝を負けなしで締めくくる。チームは今季の出雲、全日本と2連敗中だが、数々の作戦を完遂してきた男が苦境を救うべく“史上最大の作戦”に挑む。

 大学陸上界の一流奏者ならぬ“走者”が名を連ねたフレッシュグリーンの楽団が、今季は満足のいく演奏ができていない。しかし、オーケストラを束ねる田村和希というコンサートマスターがいるから、マエストロ・原晋監督も安心して最終楽章のタクトを振れる。

 10月の出雲駅伝、11月の全日本大学駅伝と2大会戦ってタイトルがないのは、常勝チームにとって異常事態だ。出雲は東海大に敗れ準優勝。距離が延びた分だけ有利とみられていた全日本でも、神奈川大に不覚を取り、不協和音が生じた。

 不安を一掃するのも田村の仕事だ。12日に青山キャンパスで行われた学内壮行会。ガウチャー記念礼拝堂の前に集まった大勢の学生らに対し、「報告会では1年目からの箱根駅伝の金メダル4つぶら下げて優勝報告したい」と堂々と宣言した。苦戦を予想していた観衆の心に希望の灯をともすには実力者の一言で十分だった。

 自身は春先に故障し、シーズン前半戦は出遅れたが、駅伝シーズンが近づけばいつもの田村に戻るのが駅伝男たるゆえん。出雲駅伝、全日本駅伝でしっかり区間賞を獲得して他校にプレッシャーを与えた。一色恭志(現GMOアスリーツ)といった強烈な個性を放った先輩が抜けたが、田村がいる。原監督は「マニュアルには当てはまらない天才。120%の男、チームの大黒柱」と絶大な信頼を寄せる。

 今年は3区を走る予定。2度区間賞、区間新記録も出した4区でもなく、前回7区のリベンジでもない。「昨年と違うのはチームが負けている。内容も重視して、チームを良い流れに持っていく区間賞を目指したい」。全てはチーム4連覇のため。メンバーが苦しいときに頼れるコンサートマスターがいるチームは本番に強い。

 ◆田村 和希(たむら・かずき)1995(平7)7月16日生まれ、山口県岩国市出身の22歳。大学3大駅伝では過去5度の区間賞を誇る。箱根駅伝では15、16年と4区で区間賞を獲得した。自己ベストは1万メートルが28分18秒31。1メートル68、52キロ。