箱根駅伝の季節がやってきた。最大の見どころは、4連覇を狙う青学大と、スピードランナーを揃えて出雲駅伝を制した東海大との対決だろう。だが、17年11月の全日本大学駅伝では、その2校が1区で出遅れる中、いい滑り出しをした神奈川大が好位につけると、アンカーを任せられたエース・鈴木健吾が17秒差を逆転しての優勝と番狂わせを演じた。だが、箱根は各区間20キロ超。総合力という面では経験者も多く残る青学大と、1万メートル28分台のランナーを8名エントリーさせている東海大が一歩抜け出している状況だ。

「青山は6区に小野田勇次くんがいるのが大きい。今の彼なら57分台で走るだろうし、前回と同じように8区に下田裕太くんを使えば、2番手に2分差はつけられる。豊富な駒を持っている東海大を除けば、復路でも勝負できるところはないと思う」と、東洋大の坂井俊幸監督は話すように、2校の実力が抜き出ていることは間違いなさそうだ。

■青山学院大学vs東海大学、勝負のポイントは!?
 青学大の4連覇は、エースの田村和希をどこで使うかが大きなポイントとなるだろう。彼が、1万メートル28分18秒31のスピードを生かしてライバル校に大きな差をつけられるとしたら3区。前回のように1区を梶谷瑠哉で滑り出し、全日本で最長区間の8区を走った鈴木塁人で2区をしのげば、遅れても3区で差を詰められて往路は大きく遅れないはず。6区の小野田は、前回は下りのスペシャリスト秋山清仁(日体大)に次ぐ区間2位だったが、今年はライバル校と比較しても抜け出た存在。ここで追いついて、坂井監督が話すように8区の下田で抜け出せば、勝ちパターンに持ち込めるだろう。

 それに対して東海大は、神奈川大の大後栄治監督が、「1万メートル28分30秒台の選手ふたりをエントリーから外したほどの総合力の高さ。鬼塚翔太と關颯人の使い方がポイントになると思うが、普通に走れば優勝するはず」と言うように、ハーフマラソンの持ちタイムも1時間2分台が6名で1時間3分台前半も6人と、突っ走れば手がつけられない可能性も持つ。ただ、前回1区2位の鬼塚も全日本では力んで区間9位に止まり、關も前回の2区では区間13位で流れを壊している。他にも5000メートル13分台でスピードに対応できる選手がいて他校にも引けをとらないだけに、2人を、他大学が手薄な区間に置いて勝負区間にすれば、青学大の連覇を阻む可能性は大いにありそうだ。さらに、6区には前回59分56秒で走っていて計算ができる中島怜利がいることもプラス材料。豊富な駒でどんな区間配置も可能という強みをどう生かせるか。

■神奈川大学、山梨学院大学、順天堂大学も虎視眈々
 それに対して往路で突っ走って優位に戦いたいと考えているのが、1区に前回区間5位の山藤篤司と2区に前回区間賞の鈴木健吾を有する神奈川大と、2区にハーフマラソン1時間00分50秒のドミニク・ニャイロがいる山梨学院大。さらに、11月末に1万メートル27分47秒87を出した塩尻和也を3年連続2区に起用する順天堂大だ。

 山梨学院大は1区に上田健太を使って上位で滑り出せば、2区のニャイロがつき放し、そのままの勢いで行けば、往路で上位に食い込むことは間違いないだろう。また、ここ2回の箱根だけではなく、全日本も1区が鬼門になっている順天堂大もそこさえ無難に乗り切れば、4区には前回区間賞の栃木渡、5区にも前回区間5位の山田攻がいるだけに往路優勝も見えてくる。

 その3校が往路で上位を占めれば、復路は本命2校を加えた5校の混戦が必至。今回の箱根は復路まで見逃せない。