psisa / PIXTA(ピクスタ)

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 みなさん、あけましておめでとうございます。今年も、モチベーションファクターに焦点を当てた「分解スキル・反復演習」でビジネスにおける交渉や対話をスムースに進める方法を考えていきましょう。

 今年の第一回は、「どうすれば合意形成に至ることができるか」です。

◆とことん議論すればするほど会議は紛糾する

 社内でポジションが上がるにつれて、会議や対話の進行役になって、合意形成を実現する役割を担う機会が多くなります。しかし、合意形成するといっても、なかなかすんなりと合意ができないことが多いと思いませんか。

 M&Aや働き方改革の観点を含めて、企業をサポートしてきた経験をふまえると、会議や対話で合意形成ができない状況は、次の2つに大別されます。途中から紛糾して時間切れになってしまうケースと、本音が議論されずに見せ掛けの合意のままで経過してしまうケースです。

 そこで、多くの企業で行われていることは、とことん議論する、時間をおいて議論する、第三者を入れて議論する、議論のポイントを整理したりフレームワークを用いたりして議論する…という方法です。いずれも、当事者同士の角突き合わせて議論を尽くす方式がとられたり推奨されたりすることが多いと思います。

 しかし、この角突き合わせて議論する方式ですが、実は合意形成を促進した試しがないと思いませんか。むしろ、膠着状況に陥ったり、収拾がつかなくなったりしてしまい、お互いあきらめてしまう状況をつくりだしてさえしまいます。

◆一方が質問者になって合意形成を実現する

 議論することや、議論の筋道をロジカルに組み立てたり、フレームワークを学んだりすることが不要だとは言いません。しかし、それらだけでは、合意形成の度合は高まらないのです。

 議論の仕方を間違えれば、議論すればするほど、紛糾度合が高まってしまうという本末転倒な事態となってしまいます。むきになって応酬すればするほど、相手方が言っても無駄だと口を閉ざし、見せ掛けの合意に陥りかねないのです。

 合意形成を促進するために、いろいろな方法にトライしてきましたが、現在、もっとも効果のある方法は、ある程度議論して時間切れになってしまったり、見せ掛けの合意に陥ったりしてしまうようだったら、角突き合わせて議論することをやめてしまうという方法ではないかと思います。

 やめてどうするかと言えば、ああ言えばこう言う方式で応酬し合わないで、一方が質問だけする方式にするのです。一方が質問だけする方式で、合意形成などできるかと思うかもしれませんが、実は、できます。質問する側はその会議の進行役となります。質問の順番と仕方さえ身に付ければ、かなりの確度で、一定時間内の合意形成が実現できるのです。

◆同じ土俵に立たない、北風にならない

 進行役が「4つの質問」を繰り出すだけで、会議で一定時間内に合意形成できる確度が格段に高まります。4つの質問とは、洗い上げ質問、掘り下げ質問、示唆質問、まとめの質問のことです。(※参照:「「4つの質問」を駆使すれば、1時間で必ずチーム内の合意形成ができる!」)

 実は、30分なら30分、60分なら60分の一定時間で、一つのスキルを一回使って、一気に合意度を100%に上げる方法は、未だ見出すことができていません。しかし、4つの質問を繰り出すプロセスを、一定時間内の中で、3回程度繰り返して回せば、ほとんどのケースで合意形成が実現できることが実証されています。

 要は、お互いに意見を言い合い応酬し合わないで、一方が質問して、他方が答えるというように、立ち位置を変えるということです。立ち位置を変えるということは、同じ土俵に立たないということなのです。