2018年に周年を迎える企業を紹介します(写真:TAKASHI O DESIGN / PIXTA)

2018年は日本にとって、明治維新からちょうど150年の節目の年です。同様に、2018年に節目を迎える企業はどんな顔ぶれなのでしょうか。帝国データバンクの企業概要データベース「COSMOS2」(147万社収録)を用いて、その面々を紹介します。

猛者ぞろいのリーマン・ショック年創業組

まず、2008年に創業した「10周年企業」を見てみましょう。その数は全国に2万0290社。リーマン・ショックが発生した年に創業しその後を生き抜いただけあって、主な顔ぶれも粒ぞろいです。経営コンサルティングファームのシグマクシス(東証1部)、インターネットサービスのアイリッジ(マザーズ)など、すでに上場を果たしている企業が27社を数えます。

アベノミクスによる金融緩和を背景に、ここ数年はIPOを比較的しやすい環境だったことが理由として考えられますが、わずか10年のうちにこれだけの新興企業が上場を果たしているのは異例といえるでしょう(「30周年企業」の上場企業数は19社)。

「10周年企業」を業種別に見ると、「サービス業」が6093社(構成比30.0%)で最も多く、なかでもIT・システム関連の企業が目立ちます。その一方では、「製造業」(1060社、構成比5.2%)の比率が低いのも大きな特徴です。「50周年企業」の15.4%、「100周年企業」の30.2%を大きく下回っており、当時のリーマン・ショックの影響が最も深刻に表れた業種だけに、2008年はメーカーの創業が相対的に少なかったといえます。

次に、1988年に創業した「30周年企業」はどうでしょうか。総数は2万4800社を数え、各周年の中で最も多くなっています。「30周年企業」は、バブル景気真っ只中の1988年に創業した企業群。

NTT本体からデータ通信事業本部を分離独立し、この年に別法人化されたエヌ・ティ・ティ・データ(東証1部)は、会社設立から30年を迎えます。このほか、たこ焼き店「築地銀だこ」を展開するホットランド(東証1部)、ネットワークインテグレーターのネットワンシステムズ(東証1部)などが名を連ねています。

業種別に見ると、不動産開発に沸いたバブルという時代を反映し、「建設業」と「不動産業」が目立ちます。「建設業」は7387社(構成比29.8%)、「不動産業」は2196社(同8.9%)を数え、とくに「不動産業」はこの年が、社数、構成比ともに過去最高です。当時は、地上げ屋、ウォーター・フロント開発など、不動産関連の“バブル用語”が一世を風靡しましたが、こうした追い風に乗って会社を立ち上げ、バブル崩壊後も生き残り、今なお存続する不動産業者が少なくないようです。

高度経済成長の波に乗った50周年組

続いて、老舗の仲間入りともいえる1968年創業の「50周年企業」です。総数は2万3661社で30周年企業の次に多く、その顔ぶれもバラエティーに富んでいます。有限責任監査法人トーマツ、電子部品商社の加賀電子(東証1部)、システムインテグレーターのオービック(東証1部)、介護事業のニチイ学館(東証1部)など、各業界を引っ張る企業ばかりです。

これらの企業が創業した1968年は、川端康成がノーベル文学賞を受賞した年。全共闘運動や学生紛争が各地で盛んになり、年末には三億円事件が発生しました。高度成長の真っ只中にあり、日本経済全体が右肩上がりを続けていた時代です。日本初の超高層ビルとして、高さ147メートル、地上36階建ての霞が関ビルが竣工した年でもありました。

「50周年企業」を業種別に見ると、「建設業」が9414社(構成比40.3%)で全体の4割を占めます。驚きなのは、このうち6割以上が年商1億円未満の中小企業が占めている点です。

おそらく下請け工事が中心の零細業者が、オイルショック、リーマン・ショック、東日本大震災などを潜り抜けてここまできたのでしょう。現代に至るまで、零細企業への政策的な後押しもあったにせよ、50年を生き抜くには幾多の苦労と不断の経営努力があったに違いありません。

最後に、1918年創業の「100周年企業」を紹介します。総数は1308社でぐっと少なくなり、このうち上場企業は38社。100年企業ともなると、その名を知られた企業ばかりです。

電機の雄・パナソニックも100歳

パナソニック(東証・名証1部)は、松下幸之助氏が配線器具のソケット製造で「松下電気器具製作所」を開設した1918年を創業年としています。現社名の「パナソニック」には2008年、大坪文雄社長時代に変更。2010年代初頭には2年間で1兆円以上の赤字を出しながらも近年は回復し、全世界で売上高7兆円超の大企業に成長しています。

ほかには帝人(東証1部)や筆記具のパイロットコーポレーション(東証1部)、防災機器のホーチキ(東証1部)、時計のシチズン時計(東証1部)、テープのニチバン(東証1部)など、各業界を代表するトップ企業が多く登場しています。100年の間に複数にわたる震災や戦争、経済危機など幾度となく訪れたピンチを乗り越えてきただけに、ただでは倒れない優良企業が目立ちます。

今から約100年前の1918年は、第一次世界大戦が終結し、国内では米騒動の影響から寺内正毅内閣が退陣に追い込まれ、日本で最初の本格的な政党内閣である原敬内閣が発足した年でした。経済面では、1914年から始まった第一次大戦に伴う空前の好景気を背景に、起業する企業家たちが多数現れた時期でもありました。

「100周年企業」を業種別に見ると、「製造業」が395社(構成比30.2%)で最も多く、明治年間から続く富国強兵・殖産興業の大きな流れが、多数の製造業の起業を後押ししたといえるでしょう。

周年という節目は、長年培ってきた自社のブランドイメージ向上につながる良い機会ともなるものです。周年を迎えるにあたって、記念行事やプロジェクトを計画、実行する企業も多くあります。みなさんにとっても、周年企業のもつ魅力や強みにあらためて触れることで、さまざまなビジネス上のヒントを得るきっかけとなれば幸いです。