2018年景気見通しは回復増加 ただし企業と個人の考えにギャップあり

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 2018年の景気見通しについて、回復すると考えている企業や個人が増えているものの、企業の人手不足や個人心理など懸念材料も少なくないことが分かった。

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■2017年は4年ぶりの景気回復傾向に

 帝国データバンクが発表した「2018年の景気見通しに対する企業の意識調査」によると、2017年の景気動向が「回復」と答えた企業の割合は20.3%。

 これは全国2万3,212社を対象に調査をし、回答の得られた1万105社分を集計したもので、昨年の同時期の調査において、景気回復と見込んだ企業割合の11.0%から、およそ倍に増加した。

 また「悪化」と答えた企業割合は9.2%(前回調査:12.3%)、「踊り場」は49.0%(同53.9%)、「分からない」は20.7%(同21.0%)だった。回復の割合が2桁台、かつ悪化の割合が1桁台となったのは、2013年(回復:26.2%、悪化:8.0%)以来のこと。

■2018年の景気見通しは「回復」「踊り場」が増加

 2018年の景気見通しについては、回復が20.3%(前回調査:11.0%)、踊り場が40.4%(同37.9%)、悪化が12.3%(同20.0%)、分からないが27.0%(同31.1%)。

 回復が増加し、悪化が減少したのは2017年動向と共通しているが、踊り場と考えている企業割合が、わずかながら増加している点が2017年の景気動向と異なっている。

■最大の懸念材料は「人手不足」

 2018年の景気に対する懸念材料を尋ねたところ、47.9%の企業が人手不足と答えた。昨年同時期に「人手不足」と答えた企業の割合は28.4%だった。

 2位以下は、原油・素材価格の上昇(今回:40.0%、前回:28.5%、以下同じ)、消費税制(25.7%、12.6%)、地政学リスク(19.1%、5.7%)、為替(16.7%、26.5%)、アメリカ経済(14.1%、41.8%)、中国経済(13.1%、21.0%)と続いている。

 昨年の今ごろは、アメリカでトランプ氏の大統領当選が決まり、アメリカにおける政治や経済の先行きに不安の声が大きかった。1年が経過して、そうした不透明感が払拭されたわけではないものの、より身近な懸念材料に注目が集まっているようだ。

■個人は「どちらでもない」が6割

 日本生命相互会社が発表した「2018年の抱負と期待」によると、「景気はどうなりそうか」の問いに、良くなると答えた人の割合は26.4%。昨年同時期に行われた調査でも、「2016年と比べて2017年は景気が良くなると思いますか」と尋ねており、「良くなる」と答えた人の割合である23.8%から少し増えている。

 反対に、昨年調査で「悪くなる」は56.8%だったが、今回(「良くならない」の表現)は11.6%に大きく減少した。その分増加したのは、昨年調査における「変わらない」の19.4%から、今回調査の「どちらでもない」の61.9%だ。個人の「どちらでもない」を、企業の「踊り場」と同一に考えるのは難しく、「悪くなる」が減ったことをプラス材料と言い切れそうにない。

 ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次・チーフエコノミストは、人々の回復期待の弱さについて「最高益をあげる企業も多いなか、賃金があまり上昇してこなかったことから景気回復への期待が低くなっている」と述べている。企業と個人の景気に対するギャップは、大きなものがありそうだ。