例年、1月は相場全体で見ると上がりやすい傾向がありますが、市場ごとに見てみるとそれぞれ傾向が異なるようです。それぞれの市場でどのような傾向があるのでしょうか。また、この時期に下がりやすい傾向のある要注意銘柄はどのような銘柄でしょうか。確認してみましょう。

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1月株式市場の傾向

1月の株式市場は、相場全体で検証を行うと上昇しやすい傾向があります。しかし、大型株・小型株というように市場ごとに検証すると、それぞれの傾向は異なってきます。1月相場の傾向を把握し、さらにこの時期に下がりやすい銘柄を事前に把握しておけば、不用意に損失を被るリスクを回避することができるでしょう。

まずは日経平均採用銘柄(日経225銘柄)の傾向について検証してみます。12月末に日経225銘柄を購入し1月末に売却した場合の成績は、以下のようになりました。

【検証結果】

勝率:43.07%
勝ち数:2,301回
負け数:3,041回
引き分け数:80回

平均損益(円):-971円、平均損益(率):-0.49%
平均利益(円):16,050円、平均利益(率):8.03%
平均損失(円):-13,875円、平均損失(率):-6.94%

合計損益(円):-5,262,894円、合計損益(率):-2,631.62%
合計利益(円):36,930,361円、合計利益(率):18,465.73%
合計損失(円):-42,193,255円、合計損失(率):-21,097.35%

プロフィット・ファクター(総利益÷総損失):0.875
平均保持日数:27.04日

以上が、1月の株式市場における日経平均採用銘柄の検証結果です。検証結果を見てみると、勝率は43.07%、平均損益は-0.49%です。勝率が5割を切っており、1トレードあたりの平均損益もマイナスとなっています。日経平均採用銘柄に関して言えば、1月市場は上がりにくい傾向があると言えるでしょう。

一方で、ジャスダックやマザーズといった新興市場を対象に同様の検証をしたところ、「勝率57.92%、平均損益3.23%」という結果になりました。日経平均採用銘柄と新興市場銘柄では、成績に大きな差が出ています。これは、年末年始のご祝儀相場の恩恵を受けた個人投資家の資金が、大型株から値動きの軽い新興市場に移ることが要因と考えられます。

1月の投資戦略を考える上では、日経平均採用銘柄のような「大型株」よりも、ジャスダックやマザーズ市場に上場している「小型株」に注目する方が良さそうです。

なお、全銘柄を対象とした検証は、「1月は食品株が狙い目?」記事で取り上げていますので、こちらもあわせてご覧ください。次は、株価が上がりにくい傾向のある1月の日経平均採用銘柄の中でも、特に株価が下がりやすい傾向にある銘柄をご紹介します。

1月低成績ランキング


上記の表は、先ほどの日経平均採用銘柄を対象とした検証において、勝率が低かった銘柄のランキングです。

【情報・通信関連】
コナミホールディングス【18.52%】
NTTデータ【19.05%】

【医薬品】
エーザイ【25.93%】
塩野義製薬【29.63%】

【電気・ガス】
東京電力ホールディングス【28.00%】
中部電力【29.63%】

といった銘柄があげられますが、これらの銘柄の特徴は「ディフェンシブ銘柄」です。ディフェンシブ銘柄は景気変動の影響を受けにくいため、景気低迷時や相場が軟調に推移している局面ではリスクが低い銘柄として人気化しやすいのですが、その一方で相場が好調な局面になると投資家の注目が好業績銘柄などに集まるため、売られやすくなるという特徴があります。

1月は大型株や日経平均採用銘柄の株価が軟調に推移しやすく、中小型株や新興市場銘柄の株価は好調に推移する傾向のある月です。勝率が低い市場の銘柄でトレードするよりも、成績が良好な市場から銘柄を選定しトレードした方が、よりリスクを抑えることができることでしょう。

これらの数字は、あくまでも過去の検証結果ですので、これから先の未来でも同様の結果になる保証はありません。しかしながら、統計的な背景がある数字は、カンよりもはるかに信ぴょう性が高いものです。みなさんも投資する際には一度検証してみてくださいね。
(文:西村 剛)