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「真っ赤な嘘&インチキ発言」「独裁丸出し発言」とお届けしてきた安倍首相の今年の発言を振り返る企画の最後は、安倍首相による見苦しさと知性レベルの低さが露呈した発言集だ。
「印象操作」「レッテル貼り」を多様したり、ドヤ顔でデマを国会で答弁したり、はたまた陰謀論をテレビで披露したり......その態度はもはや「ネトウヨそのもの」である。
 ただただウンザリするばかりの発言がつづくが、憂うべきはこれが現実だということ。新たな年を迎える前に、いま一度、このどうしようもない事実を直視してほしい。


「(森友問題の追及で)レッテル貼りは辞めましょうよ。一生懸命、一生懸命、そうやって印象操作をされていますけど、何もないんですよ、そこは」
2月27日、衆院予算委員会

 出た、安倍首相がキレると必ず飛び出す「レッテル貼り」「印象操作」の決め台詞。だが、このときの質問は決してそんなものではない。質問は、昭恵夫人の言動について「(小学校の)ホームページ(から昭恵夫人の挨拶文と顔写真)を消したり名誉校長をやめたり(中略)これ以上(問題を)つつかれたくないから引いた、そういうことじゃないんですか」というものだった。それを安倍首相は「ホームページを消したのは私でも私の家内でもありませんよ!」と否定し、「レッテル貼りだ」「印象操作だ」と言い出したのだ。
 しかし、籠池泰典理事長は、安倍事務所の「初村さんという秘書」から電話がかかってきて、「非常にコワモテの声で『(HPから)下ろせ』と」「『FAXで流しているので今日中に顔写真すべて外せ』ということだったのでそのようにした」と証言。そして、これが事実かどうかを確認した質問書に対しては、「安倍議員の政治家個人又は私人としての活動等に関するもので、政府としてお答えする立場にない」という答弁書を閣議決定している。「印象操作だ!」と吠えるのなら事務所のFAX記録を出せばいいだけなのに、それさえしていないのである。
 また、安倍首相が同様に今年連発したのが「ないものを証明しろというのは『悪魔の証明』だ」という言葉だ。だが、森友にしろ加計にしろ、普通ならば残しているべき記録を「ない」「破棄した」と突っぱねてきたのは政府のほう。証明できる資料や記録を一方的に「ない」と言い張った挙げ句に「悪魔の証明」などと言い出すのは筋違いもいいところだ。
 だが、安倍首相はさらなる醜態を晒した。それが次の発言だ。


「辻元議員はですね、きょう産経新聞に『3つの疑惑』が出ていましたね。辻元議員も証明しないといけないということになりますが」
3月28日、参院決算委員会

 森友問題に絡んでネット上では、辻元清美議員に対する「塚本幼稚園に侵入した」「森友学園の小学校建設現場に作業員をスパイとして送り込んでいた」という情報が流れ、こうした情報を産経新聞が「民進・辻元清美氏に新たな「3つの疑惑」」と記事にした。これらがすべてデマであることはすぐさま証明され(既報参照http://lite-ra.com/2017/03/post-3036.html)、あらためて産経が「フェイクニュースの温床」「デマ拡散新聞」「まとめサイトレベル」であることが再確認されたが、安倍首相はこのデマを得意気に国会でもち出したのである。
 ネトウヨがデマを流布することも悪質な行為だが、あろうことか総理大臣が裏付け調査もせず、デマを事実であるかのように取り上げ、国会で追及材料にするとは......。最低限の倫理と知性さえもち合わせていないということは、これではっきりしただろう。
 そしてそのことは、以下の発言でも明確だろう。


「私は、私は、私は! 『報道特注』出たいんだけど!」
10月21日、自民党ネット番組『Café Sta』で

 間違えないでほしいが、TBSの『報道特集』のことでは断じてない。『報道特注』というのはネトウヨから熱い支持を受けているネット番組で、司会の生田よしかつ氏(築地市場のマグロ仲卸三代目)のもと、自民党広報副本部長の和田政宗参院議員や「朝日新聞、死ね」ツイートの日本維新の会・足立康史衆院議員、経済評論家の上念司氏というレギュラー陣が、しばしばアルコールと見られるグラスを傾けつつ、デマと陰謀論丸出しでマスコミや野党をバッシングしまくっている番組。
 さらに準レギュラーには作家の百田尚樹氏や、レイプ告発を受けている安倍官邸御用ジャーナリスト・山口敬之氏もいる。山口氏は10月28日放送では、「もし(レイプ問題を)知らない方がいたらネットなど検索しないでおいていただけると(助かる)」などとネタにし、会場のグロテスクな笑いを誘った。
 このように、出演者をみても内容をみても知性や品格の欠片もない内容なのだが、そんなどうしようもない番組に、安倍首相は「出たいんだけど!」と出演を熱望しているのである。
「丁寧に説明する」という国民との約束は一向に果たさず、ネトウヨ番組に「出たい!」とアピールする。とほほと言うほかないが、しかし恐ろしいことに、今年、安倍首相はもっと露骨に自分のネトウヨっぷりを披露した場面があった。これだ。


「イヤホンちょっと、大丈夫ですか?」
10月9日放送『NEWS23』(TBS)党首討論で星浩キャスターに向かって

 放送を見ていた視聴者のほとんどが「?」の状態だったろうが、テレビの前でネトウヨは狂喜乱舞。それもそのはずで、なんと安倍首相は、ネトウヨがネット上で展開していた陰謀論をそのままテレビの生放送で口にしたからだ。
 経緯を説明しよう。安倍首相が解散発表後に『NEWS23』に生出演した際、番組では籠池泰典理事長側と財務省側との交渉を記録した音声データを取り上げるなど、数々の疑惑を安倍首相にぶつけた。だが、これにネトウヨが大反発。星浩キャスターのイヤホンから「2人でもりかけ」というディレクターの指示の音声が漏れていたことを鬼の首をとったかのように騒ぎ立てたのだ。
 時間が限られている生放送で自分のPRだけをやろうとした安倍首相に対し、番組側が少しでも国民が注目する部分に話をもっていこうと努力するのは当たり前のこと。だいたい「丁寧に説明する」と言って憚らないのは安倍首相自身だ。それをあたかも不正がおこなわれたかのように騒ぎ立てるのはいかにもネトウヨらしい行動といえるが、問題はこのあと。党首討論で再び安倍首相が同番組に出演すると、唐突に「イヤホンちょっと大丈夫ですか」と星キャスターに尋ねたのだ。
 ネトウヨによる「偏向報道陰謀論」を安倍首相がキャッチし、生放送でそのネトウヨの指摘を実行してみせる。しかも、党首討論という国民が注視する場で、である。
 もはや、安倍首相が「ネトウヨ的」だとか「ネトウヨとの親和性が郄い」といったレベルの話ではなく、この言動は「ネトウヨそのもの」。この国は「総理がネトウヨ」なのである。
 そして、そんな安倍首相は、今年、ネトウヨ集会にも参加し、次のように挨拶したのである。


「ネットサポーターズのみなさまには、日頃、自由民主党をしっかりと支援をしていただいていますこと、まずもって厚く御礼を申し上げたいと思います」
10月6日、自民党ネットサポーターズクラブ(J-NSC)の緊急総会

 J-NSCは表向き「自民党の政策や方針などをネットで広報すること」だとされているが、その実態は、自民党が日頃、民族差別や弱者差別を煽っている悪質なネトウヨたちを組織し、他党や政敵へのネガティブキャンペーンをおこなう"ステマ部隊"として使っているといわれてきた。そして、選挙期間中に開かれたこの緊急総会でも、その醜悪さは全開となった。
 たとえば、出席した会員から飛び出した「"従軍慰安婦像の辻元清美"や"手榴弾を投げる人民解放軍姿の志位和夫"は誹謗中傷になるか?」という質問に、J-NSCを統括する自民党ネットメディア局長・平将明衆院議員は「あの、個人のご判断だと思います、はい」と笑いながら返答する、といった具合だ。
 ネトサポをめぐっては、これまでもJ-NSC会員を自称するツイッターアカウントが、野党やその議員たちをデマを駆使して誹謗したり、民族差別を煽る悪質まとめサイトなどをどんどんリツイート拡散している姿が確認できている。
こうした差別発言やネガキャンに関わっているのは、ごく一部のネトサポが勝手にやっている可能性もあったが、しかし、この緊急総会の模様を目の当たりにすれば、やはり自民党が扇動して組織的にネトサポたちにやらせているとしか思えない。
 そして、この総会にサプライズゲストとして安倍首相が登場し、日頃、下劣な誹謗中傷や野党のネガティブキャンペーンに勤しむネトサポたちに「厚く御礼」を述べたのである。
 安倍首相はこの日、事前告知もなく遊説場所に現れる「ステルス街宣」を展開していたが、現場では「お前が国難」というプラカードを掲げる人たちの前に自民党関係者が自民党の幟を持って立ちはだかるなど、ピリピリムードに覆われた。そんな街頭から安倍首相がそそくさと逃げ込んだのが、このネトサポ総会だったのだ。
 ネトウヨ総理が卑劣な謀略デマ攻撃集団を組織し、総理はそれに支えられている。この現実を、来年も忘れてはいけないだろう。
(編集部)