ツアー初勝利を達成した福田真未、悲願成就を支えたものとは?(撮影:鈴木祥)

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今季活躍した注目選手のスイングから強さの要因を探る“Playback LPGATour2017”。第42回は「伊藤園レディス」でツアー初勝利をを挙げた福田真未。シーズン中盤ずっと苦しんでいた福田のスイングはどこが変わったのか。上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏が解説する。

今年の賞金ランキングが30位だった福田真未さんです。元々ショットメーカーでしたが、ここ数年は力感をコントロールできなくなっていたことが不調の原因でした。しかし、力で頑張るスイングから体の力みを取り、頑張らないスイングで不調を脱し、見事伊藤園レディスで悲願のツアー初優勝を飾ることができました。
スイングを見ると、ダウンスイングの切り返しの形は最高ですね。力みが一切なく、本当にドライバーを打つの? と思うような力感です。体も開いていないし、重心の位置も下にあります。右ヒザと左ヒザの高さもそろっています。手首のコックも解けておらず、エネルギーのロスをする要素がありません。あとはクラブヘッドを目標に向かって出すだけです。
おそらくトップからクラブを下ろすという感覚は持っていないでしょう。単にリラックスしているだけだからこそ、クラブの重さを感じられるし、この位置にクラブを下せるのです。少しでもクラブを振ろうとすると動きがあったらこの形はつくれません。
切り返しで最高の形をつくっただけに、その直後の動きがもったいないように感じます。体の伸び上がりが早く、ヘソとグリップエンドがボールよりも左を向いています。せっかくクラブの重みを感じて下ろしたわけですから、ここで両手が浮き上がってしまうのは残念です。
また、左肩が上がりすぎると、上体の開きにもつながります。首の左サイドが短く感じるのは、それだけ力が入っている証拠であり、左ヒジも浮いています。詰まった形になっているので、スムーズにクラブを走らせることができません。当然、ヘッドスピードも落ちます。一般的に、スイングは詰まったらそこで終わりです。あとはごまかし作業になるだけです。
福田さんはアドレス、ダウンスイングの切り返し、フィニッシュの形は力が抜けていて非常にいい形をつくっています。にもかかわらず、詰まった形になっていたのは、インパクト間際にボールに対して合わせる動きがあったからでしょう。実は、今回の写真は優勝する前に撮影したもので、結果を出していなかった分、どこかに気負いがあったと思われます。それが力みとなり、詰まった形をつくる原因をつくっていたのではないでしょうか。
しかし、優勝した伊藤園レディスでスタート前の練習を見たとき、力をどう入れるかより、どう抜くかに意識を置いているように見えました。その結果、アドレスからフィニッシュまで詰まることなく、スムーズに振り切れていたので、ショットも安定していたのだと思います。
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、藤崎莉歩、小祝さくらなどを指導。上田の出場試合に帯同、様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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