(写真=「青瓦台」HPより)

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韓国・青瓦台のホームページ(HP)には、国民がオンラインで政府に請願できるサービスがある。

1件の請願に対して30日間20万人以上の署名が集まる場合は、長官や首席秘書官を含む政府関係者が正式に回答を示さなければならない。

米ホワイトハウスが2011年から初めた「We the People」をモチーフに、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の就任100日目からスタートしたものだ。

この1年間、青瓦台HPには7万件以上の請願が寄せられた。中には論ずるに足りないものあるが、社会問題の解決を求める声も少なくない。

今年最も話題になったのは、「青少年保護法廃止」に関する請願だった。

9月に起きた釜山・女子中学生集団リンチ事件の際、加害者たちが14歳未満という理由で刑罰に処せられなかったことが火種になったものである。

(参考記事:女子中学生が血まみれで土下座… 韓国のおそろしき集団リンチ事件が物議

これは20万人の署名が集まった初めての請願となり、9月25日、青瓦台のHPおよびSNSにはジョ・グク首席秘書官による正式回答映像が掲載された。

ジョ秘書官は、「こういう国民の要望も正当な側面がある」としながら、「ただ、少年保護法は犯罪予防の側面から維持されるべきだ」という立場を示した。それでも「保護処分の強化を検討する」「政府が地道に問題解決のために働く」と、努力の意思を見せている。

政府が回答した2番目の請願は、「妊娠中絶罪の廃止と、自然流産誘導薬の合法化」である。

“中絶の自由は女性の権利”と主張する多くの韓国女性がこの請願に同意し、20万人以上の署名が集まったのだ。この件について回答したのもジョ・グク首席秘書官。

「中絶に対するすべての責任を女性に被せる点で、中絶罪の非合理性に同意する。法律用語を見直し、中絶の実態調査に取り掛かる」と表明している。

3番目の回答は、「チョ・ドゥスンの出所反対」と「飲酒状態(心神耗弱)での犯罪における処罰軽減の廃止」の2件についてだった。

2008年、小学1年女児を拉致・強姦した犯人チョ・ドゥスンは、犯行当時飲酒による心神耗弱状態だったという理由で懲役12年の判決を受ける。彼の出所が2020年に近づいたところ、「再審で無期懲役にせよ」との声が高まったのだ。

ただ、「チョ・ドゥスンの出所反対」の請願は登録から63日後に20万人の署名が集まったのだが、サービス開始以来の最多請願だったため、政府は特別に回答を公開。

「確定した判決に重大な過ちがない限り、再審は不可能というのが法治主義の原則。現行法を尊重してほしい」と了承を求めながら、「いまは性暴力特例法が改正されたので、飲酒状態での性犯罪において処罰が軽減されることは不可能だ。飲酒による心神耗弱も、処罰軽減の理由として認めない社会的雰囲気が作られている」と述べた。

このような「国民請願」によって社会的問題に対する意識を高め、解決に向けて取り組んでいる韓国。来年はまた、どんな請願が世間を騒がすか注視したい。

(文=S-KOREA編集部)