横浜FMから磐田に移籍した中村俊輔【写真:Getty Images】

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1月:日本サッカー界を揺るがす移籍が実現

 2017年も残すことあと1日となった。今年もサッカー界では様々な出来事があったが、日本サッカー界の主なニュースを月ごとに振り返ってみたい。

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・中村俊輔が磐田移籍
・青森山田高校が高校選手権初優勝

 2017年最初のトピックは、中村俊輔の移籍だろう。計13年を過ごした横浜F・マリノスからジュビロ磐田に加入した。

 日本代表で共に戦った名波浩監督のラブコールを受け、サックスブルーを新天地に選んだ。38歳での移籍ということで不安もあったはずだが、天才レフティーはこの年、チームを成長させるだけでなく自身の実力を証明することになる。

3月:フォルラン以来のビッグネームの来日が決定

・ポドルスキの神戸加入が決定
・ロシアW杯アジア最終予選 UAE戦、タイ戦

 Jリーグに新たなビッグネームのやってくることが決まったのは、2日のことだった。ヴィッセル神戸が、元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキがトルコのガラタサライから完全移籍で獲得することを発表した。実際にプレーするのはトルコリーグのシーズン終了後となるが、この時期から大きな期待に包まれることになった。

 ポドルスキはドイツ代表として2006年、2010年、2014年と3大会連続でW杯に出場。クラブレベルでもバイエルンやアーセナルなど世界的ビッグクラブで活躍した。

4月:2つのダービーが復活

・J1で大阪ダービーと静岡ダービーが復活
・C大阪の山村和也がトップ下で躍動

 今季の明治安田生命J1リーグではダービーが2つ復活し、4月に第一戦が行われた。ひとつはガンバ大阪とセレッソ大阪の大阪ダービーで、3年ぶりに実現。藤春廣輝の得点でガンバが先制すると、セレッソも負けじと杉本健勇が2点を叩き込み逆転に成功する。それでも後半アディショナルタイムに倉田秋がネットを揺らし、勝ち点1を分け合った。

 また、静岡ダービーは4年ぶりに復活。ジュビロ磐田は中村俊輔のキックから2点をリードすると、後半早々には川辺駿が3人目の動きから決定的なゴールを奪った。清水はチョン・テセが意地のオーバーヘッドで1点を返すも、3-1で磐田が勝利した

 セレッソ大阪の山村和也が新たなポジションで存在感を見せ始めたのもこの時期から。守備的なエリアを本職としていた同選手は、ユン・ジョンファン監督からトップ下へコンバートされると攻撃センスが開花。高さ、強さ、巧さを前面に押し出し、チームに貢献した。

5月:U-20W杯が開幕。日本は15歳の久保も選出

・久保建英が15歳でU-20W杯出場
・小川航基がU-20W杯で重傷を負う
・ACL決勝トーナメント1回戦で浦和対済州(韓国)の一戦で乱闘騒ぎが発生

 韓国で行われたU-20W杯に2001年生まれの久保建英が15歳でメンバーに選出された。将来性豊かなアタッカーだが、純粋な戦力としても稼動した。初戦の南アフリカ戦で1アシストを記録するなど攻撃の切り札としてプレー。チームはベスト16で敗退となってしまったが、久保は存在感を発揮した。

 またこの大会でエースとして活躍が期待された小川航基は、初戦でゴールを奪ったものの、続くウルグアイ戦で左足を負傷。帰国後の検査で左膝前十字靭帯損傷、外側半月板損傷と診断され、トレーニング合流まで6ヶ月を要することが所属するジュビロ磐田から発表された。

6月:日本代表の“あの”ユニフォームが1試合限定で復活

・日本代表がキリンチャレンジカップ・シリア戦、ロシアW杯アジア最終予選イラク戦に臨む
・シリア戦で『炎』のユニフォームを着用
・堂安律がオランダ1部のフローニンゲンに期限付き移籍

 7日のキリンチャレンジカップ・シリア戦で日本代表は『FIFAワールドカップ初出場決定20周年メモリアルユニフォーム』を着用。日本が初めて世界の檜舞台に立ったフランス大会や死闘続きの予選を思い出した方も多いのではないだろうか。

 シリア戦では本田圭佑がインサイドハーフとして質の高いプレーを披露。また、2年ぶりの代表戦となった乾貴士もキレのあるドリブルなど見せ場を創出し、希望を抱かせた。

7月:J1の2クラブの監督が退任

・広島の森保一監督が退任
・浦和のミハイロ・ペトロヴィッチ監督が契約解除

 今季も監督交代が行われたJリーグ。サンフレッチェ広島を2度のJ1優勝に導いた森保一監督が退任した。不調に喘ぐチームを立て直すことができぬまま、クラブを去ることになった。

 また浦和レッズのミハイロ・ペトロヴィッチ監督も30日に契約を解除された。6月にはリーグ戦3連敗を喫し、7月も黒星が先行。一度狂った歯車はなかなか元には戻らず、クラブも決断を余儀なくされた。

8月:リオ五輪世代がW杯出場を手繰り寄せる

・流通経済大柏高が9年ぶり2度目の高校総体制覇
・日本代表6大会連続6回目のW杯出場決める

 勝てばW杯出場が決まるオーストラリア戦で、ハリルジャパンが躍動した。ショートパスを繋いでくる相手に対し、日本は運動量と切り替えのスピードで圧倒。

 42分、長友佑都が左サイドから上げたクロスに浅野拓磨が合わせて先制に成功。さらに82分、井手口陽介がドリブルで前進すると、右足を振りぬく。これがネットに突き刺さって勝負あり。2-0で勝利した日本が6大会連続6度目のW杯出場を決めた。

9月:ACL準々決勝で日本勢が対決

・ACLでJリーグ勢が激突。衝撃の顔面キックも
・日テレ・ベレーザが3年連続15回目のなでしこリーグ制覇
・台風18号の影響によりJ2、J3で3試合が延期に

 AFCチャンピオンズリーグ準々決勝で、浦和レッズと川崎フロンターレが激突。第1戦を1-3で落としている浦和だったが、この試合でも川崎Fに先制されてしまう。それでも興梠慎三のゴールで1点を返すと、38分に試合の流れを大きく動かす出来事が起こる。

 川崎Fの車屋紳太郎が高く上げた足の裏で興梠の顔を蹴る形になり、車屋にはレッドカードが提示された。数的優位に立った浦和は猛反撃を見せ、4-1で勝利。そして、2試合合計5-4で準決勝進出を決めたのだった。

 日テレ・ベレーザがプレナスなでしこリーグ3連覇を達成した。首位を快走していた同チームは23日、2位・INAC神戸レオネッサに2-0で勝利。3年連続15回目のリーグ優勝を果たした。ベレーザには長谷川唯、籾木結花、田中美南など有望な若手や、なでしこジャパンで10番を背負う阪口夢穂などが所属している。

 また台風18号の影響で9月17日に開催予定だったJ2第33節・愛媛FC対京都サンガF.C.、ロアッソ熊本対アビスパ福岡、J3第23節・セレッソ大阪U-23対ギラヴァンツ北九州の3試合が延期となった。

10月:日本代表の欧州遠征メンバーに香川の名前なし

・日本代表がキリンチャレンジカップ・ニュージーランド戦、ロシアW杯アジア最終予選ハイチ戦に臨む
・湘南がリーグ最少失点でJ2優勝
・香川が11月の欧州遠征メンバーに選出されず

 この月はキリンチャレンジカップでニュージーランド、ハイチと対戦。初戦は勝利したものの、ハイチ戦は逆転を許すなど苦しい展開を強いられた。終盤に香川真司のゴールで辛くも引き分けに持ち込んだ。

 土壇場の同点弾を決めた香川だが、31日に発表されたヨーロッパ遠征のメンバーから外れてしまう。この事実を受け日本の背番号10は「正直やはり…このタイミング(で外すの)かっていうのは感じますし、(ブラジルやベルギーとの)試合は、恐らくW杯を想定しないといけない試合で、テストマッチという感覚では僕は全くとらえていなかったので。確実に、半年後のW杯に向けたガチの戦いを、そして、今ぼくたちが積み上げてきた戦いをやれる絶好の機会だと思っていたので。もちろんそこに対する悔しさはあります」と語った。

 またJ2では湘南ベルマーレが安定した戦いを見せ、リーグ優勝を果たし来シーズンのJ1昇格を決めている。

11月 長崎がJ1初昇格

・C大阪がルヴァンカップ優勝。クラブ史上初タイトル獲得
・V・ファーレン長崎がクラブ史上初のJ1昇格を決める
・浦和がACL制覇

 11月は様々なトピックがあり、この月に限り2ページに分けてお送りする。

 シーズンが佳境を迎え、歓喜と悲哀のコントラストもより鮮明に浮かび上がった。4日に行われたJリーグYBCルヴァンカップで、セレッソ大阪が川崎フロンターレを2-0で下し、クラブ史上初めてのタイトルを獲得した。

 またJ2に目を向けるとV・ファーレン長崎がクラブ史上初のJ1昇格を果たしている。クラブが経営危機に陥るなど苦しい時期もあったが、社長の交代も含めピッチ内外で状況が好転。2位で自動昇格を果たした。

 さらに浦和レッズが2度目のAFCチャンピオンズリーグを制覇。シーズン中に監督が交代し、リーグ戦は振るわなかったものの、アジアの戦いを懸命に勝ち抜き、クラブW杯への出場権を獲得した。

11月◆Д魯螢襯献礇僖鵝欧州遠征で世界との差を突きつけられる

・ハリルJ、欧州遠征でブラジル、ベルギーと対戦
・新潟、大宮のJ2降格が決定

 日本代表は、ヨーロッパ遠征を敢行。ブラジル、ベルギーという世界トップクラスの2ヶ国との親善試合に臨んだ。ブラジルには1-3で敗れ、スコア以上の差を見せつけられた続くベルギー戦では個人能力の高い相手に奮闘したが、守備での甘さを突かれて敗れた。

 歓喜に酔いしれるクラブがある一方、悲しみにくれる人々もいた。18日のJ1第32節、アルビレックス新潟はヴァンフォーレ甲府に勝利したが、他会場の結果によりJ2降格が決定。2004年に昇格してからトップカテゴリーの座を守り続け、今季終盤は力強い戦いを見せたが、息を吹き返すのが遅すぎた。

 また、翌節には大宮アルディージャも降格となった。前年リーグ5位と躍進したが、序盤から結果を出せぬまま監督交代を繰り返した。最後は今年の夏まで鹿島アントラーズを率いた石井正忠監督を招聘したが、状況を改善することはできなかった。

12月:W杯組み合わせ決定、川崎F悲願の初タイトル

・W杯の組み合わせが決定
・川崎Fが悲願のリーグ優勝。クラブ史上初タイトル獲得
・E-1選手権で課題を残す

 ロシアW杯組み合わせ抽選会が現地時間1日、モスクワで行われた。日本はグループHに入り、コロンビア、セネガル、ポーランドと同居することになった。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督はコロンビアについて「日本にとっては前回大会のリベンジという形になるかと思う」と、1-4で敗れた前回大会の雪辱を誓った。

 国内では川崎フロンターレがリーグ制覇を成し遂げ、クラブ史上初タイトルを獲得した。圧倒的な攻撃力と向上した守備を武器に勝ち点を積み重ね、最終節で鹿島アントラーズを逆転し王座に就いた。前月にルヴァンカップ準優勝に終わったが、その悔しさを吹き飛ばす結果を手にした。

 Jリーグ組でEAFF E-1 サッカー選手権に臨んだ日本代表は、J1得点王に輝いた小林悠らを擁し、朝鮮民主主義人民共和国、中国に勝利した。しかし、優勝のかかった韓国戦では小林のPKで先制したが、その後4失点し惨敗を喫した。海外組が不在だったとはいえ、物足りない結果に終わった。

text by 編集部