果物をしっかり食べると動脈硬化や脳卒中リスクが低下 「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」に初めて明記
日本動脈硬化学会が発行する「動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2017年版」で、動脈硬化が原因で発症する疾患リスクが果物の摂取によって低減する可能性があり、適度な摂取が推奨されることが初めて明記された。
以前のガイドラインでも野菜や果物の摂取は推奨されていたが、今回のガイドラインでは野菜と果物それぞれの効果を検証。
いずれも「狭心症」や「心筋梗塞」などの「冠動脈疾患」や脳卒中リスクを低減させる可能性があることを示唆する報告が複数存在するとし、「推奨レベルA(強く推奨される)」となっている。
ガイドライン内では、果物の摂取量が多いほど全死亡率や心血管疾患死亡率、脳卒中リスク、2型糖尿病リスクが低く、特に柑橘類やリンゴ、ナシの摂取量と関係が強いとする報告を紹介。
日本で行われた研究の報告も取り上げられ、果物を高頻度あるいは量を多く摂取するほど心血管疾患・脳卒中死亡率が低く、柑橘類の摂取量が多いほど全死亡率・心血管疾患死亡率・心血管疾患発症リスクが低いとされている。
ガイドラインが特定の果物の摂取を推奨しているわけではないが、果物個別の評価も検証しており、グレープフルーツ、スウィーティー、キウイ、ベリー類のいずれかを摂取している場合、わずかにLDLコレステロール値の低下とHDLコレステロール値の増加が認められたとする報告が記載されていた。
また、果物を使用したジュースについては種類や量によって影響が異なり、留意すべきだという。
果糖を含む加工食品の大量摂取は動脈硬化性疾患リスクを高める可能性があるとされ、「推奨レベルB」ではあるものの「減らすことが望ましい」とされている。
「動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2017年版」は2017年6月30日から発行されている。
医師・専門家が監修「Aging Style」