<東海大仰星・熊本西>前半25分、東海大仰星・河瀬はトライを決める

写真拡大

 ◇第97回全国高校ラグビー第3日 東海大仰星57―12熊本西(2017年12月30日 東大阪市・花園ラグビー場)

 隆起した胸板が成長の証しだった。5点リードの前半20分。東海大仰星(大阪第2)は自陣中央10メートル付近のラックから素早く右へ展開すると、大外で手を挙げながら待ち構えるWTB河瀬にボールが渡った。背番号14は相手WTBをハンドオフと体当たりではね飛ばすと、追いすがるデイフェンダーを振り切って右隅へ飛び込んだ。圧巻の60メートル独走トライ。主導権をガッチリと握った。

 「捕まれても倒れず、前に出ることができました。1年間、フィジカルを強化してきた成果だと思います」

 前回大会の決勝・東福岡戦は試合終了間際にノックオンを犯し、反撃ムードがしぼんだ。この日の試合直前。「ノックオンした場所を見てしまいました」という忘れられないミスを糧に、胸や背中、脚力を徹底的に鍛えてきた。前半開始1分には右ライン際を快走する50メートルの独走トライ。悪夢を払拭するように3トライ5ゴールで計25得点を叩き出した。

 親子2代で日本一に挑む。父・泰治さん(摂南大監督)は大工大高(現・常翔学園)時代の第57回大会(78年)で全国制覇。明大や日本代表でも活躍した。河瀬は幼少期、父も出場した83年のウエールズ戦を映像で見た。卒業後は早大に進学する予定だ。高校、大学と父のライバル校へ進むことになるが、その前にかなえる夢はただ一つ。偉大な父に続く、日本一だけだ。

 同校OBで元日本代表WTB大畑大介氏も成長に目を見張った。「外側から戦況を見る目もあるし、得点に絡む意識が高い」。花園で「初めて」という3トライの活躍に、湯浅大智監督も「体を当てにいくようになったし、思いきりのいいランニングが特徴」とうなった。3年生全員が丸刈りにして挑む今大会。世代屈指のフィニッシャーが2大会ぶりの頂点へ導く。