記念撮影で意気込む高木美帆(左)と小平奈緒

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 「スピードスケート・平昌五輪代表選考会」(30日、長野市エムウエーブ)

 全競技終了後、平昌五輪代表の男女8選手が発表され、補欠も含めて5種目で代表入りしたバンクーバー五輪代表の高木美帆(23)=日体大助手=は、女子五輪選手初の1大会複数金メダル獲得を目指す。この日は女子5000メートルなどが行われ、美帆の姉でソチ五輪代表の菜那(25)=日本電産サンキョー=は押切美沙紀(25)=富士急行=に次ぐ2位となり、姉妹そろってでは初の代表切符を手に入れた。小平奈緒(31)=相沢病院=は、2種目での金メダルを目指す。女子は最大10人を派遣できるが、上位選手が複数種目で重複し2枠を使わなかった。

 スーパーエースへと進化した高木美が、平昌五輪で偉業を目指す。男子も含めて1大会の獲得金メダルは4つが最多。日本女子アスリートで1大会複数金メダルを獲得した選手は0だ。15歳のシンデレラガールとして注目を集めた高木美が8年の時を経て“金ラッシュ”を巻き起こす。

 高木美が個人で代表入りしたのは、小平と世界トップの座を競う1000メートル、今季国内外6戦全勝の1500メートル、今月初旬のW杯で今季最速となる日本新記録をマークした3000メートルの3種目。加えて姉の菜那らと協力して臨み、世界記録を立て続けに更新した団体追い抜き(パシュート)では“柱”としての活躍が期待される。「パシュートでは金メダルを狙いたい。個人でも、今まで以上の戦いができるように頑張りたい」。力強い言葉に自信がにじんだ。

 個人種目での金メダルを狙える位置にいることから現在マススタートは補欠扱いだが、湯田強化部長は「最後は五輪期間中の状態を考慮して決める。レースに出る可能性は当然ある」と説明。現段階では4種目、最大5種目金メダルの可能性もゼロではない。

 ただ、高木美自身は「五輪は何が起こるか分からない場所。2018年の戦いが始まる」と冷静。楽観視はしないが「五輪が迫ってきて、やっと特別に思う覚悟ができてきた」と、戦う心も仕上がってきたようだ。

 4年前、姉は出場したソチ五輪の代表入りを逃した日、「4年間全てをスケートに懸けよう」と覚悟を決めた。「あの悔しさがあってこその、この4年間だった。8年前、4年前の悔しさは五輪の結果でしか晴らせない」。これまで誰もなし得なかったことを追い求めて、挫折を味わった高木美が再び五輪の舞台に立つ。