男女の仲を深めるのに欠かせない、デート。

完璧だったと思ったのに、うまくいかないときもある。私たちはそんなとき、こう考える。

―あの時の、何がいけなかったのだろうか?

あなたはその答えに、気づけるだろうか。

スタイル抜群で、光一からデートを申し込まれた杏奈。しかし勝利を確信していたのに、光一からの誘いが途絶える。

その答えや、いかに。




知人が開催した忘年会にいた杏奈を見た時、僕の体に稲妻が走ったようだった。

そんな風に表現するのは大袈裟かもしれないが、モデルのように細くて長い手足に、女性らしく丸みもある体型。遠くからでも目を引く抜群のスタイルの彼女に、僕の心はすっかり奪われてしまった。

「すごくスタイルいいね。」

僕の近くに来た杏奈に、これはチャンスだとばかりに話しかける。

「いえいえ…。光一さんは、お仕事は何されてるんですか?」

恥ずかしそうに答える杏奈を見て、僕は是非デートをしたいと思った。

「僕は自分で会社を経営しています。杏奈ちゃんは?モデルさんか何か?」

「まさかぁ。ただのOLです!でもたまに、雑誌で読者モデルみたいなことをさせてもらっていますが...」

「そうんなんだ。綺麗だから、プロのモデルさんかと思ったよ。」

そう話す間も、僕は杏奈に釘付けだった。

そして翌日、自分からデートに誘うとすぐに返事が来たので、僕は舞い上がる。

-何か食べたい物ある?

ウキウキしながら、そうLINEしたのだった。


綺麗な女性だから?男を幻滅させる返答に光一は・・


A1:スタイル維持は素晴らしいけれど、一緒にいる時は楽しく食事をしたい


彼女の希望を聞きながらも、頭の中では幾つかの候補が上がっていた。外苑前に最近オープンしたイタリアンでもいいし、広尾に好きなフレンチがある。

しかし杏奈からの返事を見て、 僕は一瞬戸惑う。

-何でも嬉しいです!ただ、実は今炭水化物抜きダイエット中で・・可能ならば、イタリアンかフレンチ、中華以外がいいです^_^

-そうなんだ!分かった、それ以外で探すね。

あれほどの美女なのだから、これくらいは諦めようと言い聞かせ、僕は和食系のお店を探すことにした。



結局、杏奈のリクエストに応じて僕は西麻布にある『田中田』を予約した。小皿で何品も頼める上、美味しい和食が楽しめる店だ。




店に登場した杏奈は相変わらずスタイルが良く、僕は思わず口元が緩む。

「杏奈ちゃん、好きな食べ物は? 」
「野菜が好きです。あとはお肉かなぁ?でも、何でも!お任せします!」
「了解。じゃあ適当に頼んじゃうね。」

個人的に、ここのポテトサラダは都内でもトップクラスに入ると思っている。『田中田』に来たら必ず頼む、好物でもある。

しかしポテトサラダをオーダーするや否や、杏奈から横槍が入った。

「実はイモ類は食べられなくて..」

-いやいや、さっき何でもって言ったよね?

そう心の中で突っ込みながらも、苦手なものは仕方ない。

「あらら、残念。ここのポテトサラダ絶品だから、オススメだったんだけどな〜。でも嫌いなら仕方ないね。」

そう言いながらも、せっかくのデートで美味しい物を食べようと意気揚々としていた自分の気持ちが、徐々に萎んでいくのを感じる。

「どうやってそのスタイルを維持しているの?」

お酒も入り、食事も来たところで気をとりなおして会話を進めていく。

「朝はオリジナルのグリーンスムージーを飲んでいます!」

杏奈は熱心にそのグリーンスムージーの内容(リンゴとほうれん草など)や、効用などを説明してくれるが、正直僕にとってはどうでもいい話だった。

「朝をスムージーに代えるだけでも十分効果があるから、オススメですよ!」

笑顔で力説しているので何も反論できず、“食べることが好きだから”と遠回しに諭すものの、本人は全く気がかない。

「女性からするとよく食べる男性は魅了的です。」

そう言ってくれるが、きっと男性も同じことが言える。美味しそうにご飯を食べる女性は、魅力的である。

結局、杏奈は妙にヘルシーな物ばかりを食べており、せっかくの食事がいつものようには楽しめずに終わった。

「もう一軒行こうよ。」

お酒なら、いいだろう。

そう思い、僕たちは2軒目へと移動した。しかし美意識が高く、完璧主義な杏奈に僕は少々疲れ始めていた 。


男の戦意を喪失させる女。2軒目から呼ばれた意味は?


A2:食事をするほどでもない。だから2軒目から会う


その後も何度か杏奈から誘いが来たのだが、食事に行くのが億劫でもあった。

また色々と食べられない物や“美しくなるための食事”に付き合わされるのは、正直面倒である。

だから忘年会シーズンで忙しいという言い訳を使い、2軒目から合流することにした。

杏奈と待ち合わせた『ケー ジュレップ』へ向かうと、杏奈は既に席に着いていた。その後ろ姿は美しく、やっぱり何度見てもいい女だ。




「遅くなってごめんね!食事に行きたいんだけど、年末はほぼ忘年会で予定が埋まっちゃってて...こんな遅い時間から、ごめんね。」

そんな言い訳に対し、杏奈は優しく受け流してくれた。

「お酒は、飲むんだっけ?って、今日も相変わらず、抜群のスタイルだね。」

眩しいくらいの美脚が目立つ杏奈に、僕の心は思わず揺らぐ。やっぱり、美女は好きだ。

しかし会話を進めていくうちに、外見だけではなく価値観が大事だと思うことになる。

「飲みますよ!家では全く飲まないですが...焼酎が好きです。」

「杏奈ちゃん、焼酎飲むの?意外だね。」

「本当はワインも大好きなのですが...でも最近は、ビオワインが好きで。」

ビオワイン、と聞いて妙に納得してしまった。美意識が高く常に完璧でいるために、体に良いものしか摂取しない。

巷に溢れる“オーガニック大好き女子”も含め、その価値観を否定するつもりはないが、一緒に飲食を共にしている時くらいもっと自由に楽しんでほしい。

ご飯に行きたい、と熱望してくる杏奈に、僕はフレンチを提案してみる。答えは何となく、分かっていたが。

「年明けになっちゃうけど、時間あればご飯行こう。好きなカジュアルフレンチが外苑前にあるんだよね。」

「いいですね!でも私、フレンチも良いけれど、どちらかと言うと焼き鳥とか蕎麦の方が好きなんです。」

その答えを聞き、「ちょっと遊ぶだけでもいいかな」と考えていた気持ちも、みるみるしぼんでいった。

“またね”とだけ言い、僕はタクシーに乗り込んだ。どんなに綺麗でもスタイル抜群でも、そんなことよりもっと大切なことがある。

自分の好きな物を、一緒に美味しく食べられること。

シンプルだけれども、とても大切なことだ。

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デートの答えあわせ【Q】:デート前から見られている、男の行動

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Vol.3:待ち合わせは「駅or店」どちらが正解?女が思う、ベストな集合時間と場所とは
Vol.4:男がデート中に見ている仕草。女が良いと思っていることが、仇になる?
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