人口減少と消費スタイルの変化を受け、地方の百貨店が冬の時代に苦しむ中、企業再生のマイルストーンターンアラウンドマネジメント(MTM)が、経営危機に陥っている山形県の百貨店大沼と経営支援に関する覚書を結んだことが分かった。山形県では十字屋山形店が2018年1月で閉店し、大沼の2店舗が唯一の百貨店となる。大沼は人員削減せず、大規模な店舗改装で再生を目指す。

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 大沼は江戸時代の1700年創業。1950年に株式会社となり、現在は百貨店として山形市の山形本店と米沢市の米沢店を営業している。従業員は約240人で、資本金5,000万円。ピーク時の2000年には年間売り上げが200億円近くあったが、2017年2月期決算で約85億円まで減少、4期連続の赤字となっている。

 このまま営業を止めれば山形県内で百貨店がなくなってしまうことから、外部からの出資で経営支援を受け、再生を図ることを決断した。MTMは岩手県盛岡市や兵庫県姫路市などで地方の百貨店、商業拠点再生を手がけてきた。大沼は2018年中をめどに再生計画を策定したあと、億単位の出資を受け、経営権をMTMに譲る見通し。

 大沼の山形本店は地下1階地上7階建てで、売り場面積が約1万2,000平方メートル。山形市の中心部に位置し、中心市街地の核店舗となってきた。再生計画の方向は明らかにされていないが、売り場の多くを占めてきた服飾の割合を減らし、食材売り場やレストランを増やして食品、飲食部門を強化することが、基本方針となるもようだ。

 地方都市の百貨店は東京や海外の最新トレンドを地方に広める役割を果たし、高度経済成長期から地域住民に欠くことができない存在となってきた。しかし、地方都市が急激な人口減少に入ったうえ、インターネット通販や郊外型ショッピングセンターの攻勢を受け、経営悪化するところが目立っている。

 東北地方では2016年に岩手県花巻市のマルカン百貨店が廃業したほか、2017年は宮城県仙台市のさくら野百貨店仙台店、福島県福島市の中合福島店2番館が閉店しており、閉店ラッシュの様相を示している。