優しさ、思慮深さ、繊細さを表現し続けた早逝の作曲家=キム・ジョンヒョンを振り返る

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「SHINeeのキム・ジョンヒョンが死亡したらしい」。2017年12月18日の夕方ごろに、韓国の友人から突然LINEでメッセージが届いた。あまりにも突拍子もない話だったから、心の底から驚いた。すぐにネットで調べてみると、それが悪い冗談ではないことがわかった。

ジョンヒョンは、一般的にパワフルでセクシーなSHINeeのメインボーカルとして紹介されることが多い。だがファンは彼が非常に優しくて、繊細で、色鮮やかな感性を持つ表現者であることをよく知っていた。

もちろんボーカリストとしてのジョンヒョンは超一流だ。彼はK-POPで一番上手い男性歌手と言われていた。しかも激しく複雑な振り付けが特徴の1つでもあるSHINeeは、グループ内でメンバーを歌担当とダンス担当に分けていない。激しくダンスしながら、時に熱く、時に優しげにさまざまな歌声を使い分けた。

■SHINee ??? 'Lucifer' MV
https://youtu.be/Dww9UjJ4Dt8

■[Comeback Stage] SHINee - Symptoms, ??? - ???, ??? ?? ??? Show Music core 20131012
https://www.youtube.com/watch?v=8zYHsBcoo0c

そんなジョンヒョンの印象を大きく変えたのは、2015年1月に発表された初のソロアルバム『BASE』だ。いわゆる紋切り型の「アイドルのソロアルバム」ではなく、当時注目を集め始めていたフランク・オーシャンらとシンクロしたオルタナティブなR&Bアルバムを自身の作詞作曲で作り上げた。これを機に多くの人が「アーティストとしてのジョンヒョン」を認識するようになった。

■JONGHYUN ??_??-? (Déjà-Boo) (feat. Zion.T)_KBS MUSIC BANK_2015.02.13
https://www.youtube.com/watch?v=Cz9g18LqsSs

さらに人々を驚かせたのは、ジョンヒョンの繊細さだった。彼は『BASE』をリリースしたタイミングで、韓国のテレビ番組「4つのショー」に出演した。番組ではテミン(SHINee)、Zion-T、カン・ミンギョン(Davichi)という彼と親しい3人が、「パワフルでセクシーなSHINeeのメインボーカル」ではないジョンヒョンについて話した。「あの子はちょっと極端です。強迫的というか」「特別な感性だと言いたい」。彼は危険なほど豊かな感受性の持ち主だった。

この番組でジョンヒョンは「本当の僕を知りたがる人はあまりいないと思う」と語っている。さらに「僕がどう話したって、(ジョンヒョン本人の真意よりも)みんな自分勝手に解釈する」と話した。大人気アイドルとして活動していくうち、彼はキム・ジョンヒョンという個人と、「SHINeeのジョンヒョン」とのズレを感じるようになっていた。「昔は、僕の本当の姿を見せたいという欲がありました。だけど『あぁ、それは不可能なんだな』って。だったら『本当の自分を見せたい』なんて考えるより、そういう人(アイドルとしてジョンヒョンにしか興味のない人)を理解しようと思うようになりました」という苦悩も明かした。

だが念願のソロアルバムが発表されると、さまざま音楽チャートで1位を獲得。自分が本当に作りたいものが評価されたことでジョンヒョンは「今まで、世の中の人は僕個人がどんな人間かなんて気にしてないと思ってました。今もその考えが大きく変わったわけじゃないけど、僕が先に表現してみたら変わるんじゃないかって」と自分の居場所を見つけたようだった。彼はそれからより意欲的に作詞作曲、プロデュースなども頻繁に行うようになった。EXO「Playboy」、IU「????(憂鬱時計) feat. ジョンヒョン」など素晴らしい楽曲は多い。またジョンヒョンが制作するオリジナリティの高い楽曲は、K-POPファン以外からも広く愛された。

■JONGHYUN ?? '?? (She is)' MV
https://youtu.be/jmNhfjzmMrU