藤本麻子のアグレッシブなスイングを解説(撮影:佐々木啓)

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今季活躍した注目選手のスイングから強さの要因を探る“Playback LPGATour2017”。第40回は2017年に最多のバーディ数を誇った藤本麻子。土壇場でシードを決めた2016年とは一転、序盤戦から安定して上位に顔を出したアグレッシブプレーヤーのスイングを、上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏が解説する。

今季はバーディ数で1位となった藤本麻子さんですが、個人的にはアスリート感満載のプレーヤーだと思います。賞金ランキングは19位でしたが、本来はトップテン、いやトップ5に入らなければいけない一人でしょう。
スイング的には、アドレスでのワイドスタンスが目立ちます。単に広いだけでなく、重心位置の低い、どっしりと安定感があるアドレスです。これだけでアスリート感が伝わってきます。バックスイングでは、肩とクラブの関係やクラブの上がり方など申し分ありません。トップまでクセがほぼ見つからないオーソドックスなバックスイングです。ただ、あえて1つ言わせてもらうなら、あまり右足に体重をかけるタイプではありませんね。だからといって、エネルギーが貯まっていないわけでも、左軸のスイングでもありません。体の軸の中でしっかりとエネルギーを貯めているように感じます。トップで右足の上に上体を乗せていないようにも見えません。
ダウンスイングに移ると、さすがに少しクセが出てきますね。バックスイングで右足にしっかりと上体を乗せるタイプではなく、アドレスでつくった軸を中心に捻り上げてきてパワーを貯めています。不調だったときは、ダウンスイングからインパクトにかけて、軸が大きく右に傾いていたと思います。頭が右に残り、右肩が落ち、ボールの下からクラブヘッドが入るというスイングでした。その結果、あおり打ちになり、それをごまかすために手作業がどうしてもついてきました。できれば、フォローでは30センチほどヘッドが地面をはうように出していきたいところですが、軸が右に傾いたり、右肩が下がるとその動きができません。
今の藤本さんは、右肩を高い位置にキープしたまま振り抜くことができ、高い位置でヘッドをさばけるようになりました。その結果。ヘッドが地面をはうようなフォローになっています。なおかつ右肩が落ちず、頭が後ろにのけぞらず、フォローを出しています。上手い人はスイング中に右ヒザと左ヒザが平行になる時間が長く、それが肩の高さをキープすることにもつながります。
一時は方向性を重視するあまり、ベタ足のスイングにこだわっていましたが、躍動感、アスリート感が彼女の売りなので、あまり小さくまとまらずにこれからも成長してほしいですね。
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、藤崎莉歩、小祝さくらなどを指導。上田の出場試合に帯同、様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。
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