ジョーダン・スピース【写真:Getty Images】

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「スポーツ界の名珍場面総集編」…7月にスピースが炸裂させた起死回生のスーパーショット

 2017年のスポーツ界を沸かせた名シーンを連日にわたって振り返る「名珍場面2017」。今回は7月に男子ゴルフのジョーダン・スピース(米国)が炸裂させた「奇跡のリカバリー」だ。隣接する練習場からのスーパーショットを大会公式ツイッターが動画付きで紹介すると、「信じられない」「なんて偉大なチャンピオン」と絶賛の嵐となった。

 世紀の一打が飛び出したのは、7月のメジャー第3戦・全英オープン。最終日の13番パー4だった。

 スコアを3つ落とし、マット・クーチャー(米国)に並ばれて迎えた勝負のホール。スピースの第1打は大きく左に曲がり、ギャラリー席後方の深いブッシュに打ち込んでしまった。スイング直後に思わず両手で頭を抱えるほどのミスショット――。絶体絶命のピンチに立たされた男は、驚きの決断を下した。

 競技委員とギャラリーが見つめる中、小さな丘の中腹で考え込むスピース。傾斜でグリーン方向へのショットは十分なスタンスが取れない。一度丘の上に登り、全体を見渡して出した決断は、1打ペナルティーを付加して救済措置を受ける「アンプレアブル」の宣言だった。

隣接する練習場からの再開…小雨を切り裂いた一打は見事にグリーン手前へ

 アンプレアブルで与えられる選択肢は、「最後にプレーしたところのできるだけ近くにドロップ」「ホールと球があった箇所を結んだ線上で、その箇所よりも後方にドロップ」「球の箇所から2クラブレングス以内で、しかもホールに近づかないところにドロップ」の3つ。ドロップ場所を巡って20分近く協議した結果、後方に隣接する練習場からの再開を選んだ。

 スピースが放った第3打は、小雨を切り裂き、グリーン手前へ。鮮やかな“練習場ショット”でのリカバリーにギャラリーからは惜しみない拍手が送られた。

 このホールをボギーで踏みとどまったスピースは、14番パー3でバーディー、続く15番パー5でも10メートル以上のイーグルパットを沈めてクーチャーを逆転。さらに、16番、17番でもバーディーを奪い、通算12アンダーで初の全英オープンタイトルを手にした。

 米スポーツ専門テレビ局「ESPN」は、「13番ホールでアンプレアブルのライからドロップを数台のトラックに挟まれた最寄りの場所――練習場に選ばざるを得ないような危険な歩みとなった。作り話ではない。スピースは砂丘の裏からブラインドショットを放つと、厄介な場所を後にした」と“奇跡の脱出”を報道。併せて、「ちょうどあそこで機運が変わった」というスピースのコメントを伝えている。

元世界1位ウッズも称賛「なんて見事な盛り返しなんだ」

 大会公式ツイッターも「驚異的なリカバリーだ!」と速報し、この模様を動画付きで紹介すると、ファンも即座に反応を示した。

「信じられない」

「なんて偉大なチャンピオン」

「何も悪くない。ゴルフのルールを意図通りに利用しただけ!」

 元世界ランキング1位のタイガー・ウッズもツイッターで「なんて見事な盛り返しなんだ。本当におめでとう」と祝福のメッセージを送っていた。

 年間王者こそプレーオフ最終戦でライバルのジャスティン・トーマス(米国)に譲ったが、トップランカーとして確固たる地位を築いたスピース。来たる2018年、王手をかける「生涯グランドスラム」を成し遂げ、“練習場ショット”に続く武勇伝を加えることができるか、大きな期待が懸かる。(THE ANSWER編集部)