アミノ酸製品やさまざまな食品で選手の食事をサポートする

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 味の素は韓国・平昌で開く2018年冬季五輪・パラリンピックで、日本代表選手団の食事をサポートする。本番での選手の体調をベストに保つために、アミノ酸や食事、栄養管理などの知見を生かす。日本代表選手団への食事サポートは16年夏のリオデジャネイロ五輪・パラリンピックに続くもの。20年の東京五輪・パラリンピックの食事サポートも決まっている。

 リオ五輪の際は選手に、アミノバイタルGOLDやアミノプロテインなどのアミノ酸ベース製品を合計30万本、提供した。この時の競技種目はシンクロナイズドスイミングやバドミントンなど。

 競技種目の特徴や、さらには選手一人ひとりの体格や味の好みに応じて食事パターンなど摂取品目や量、回数、時間を調整、アドバイスした。その結果「競技成績に役立った」とする選手回答が、94%を占めた。

 平昌五輪ではこのリオでの経験を、さらに進化させる。冬季五輪なので、種目はノルディックスキーやフィギュアスケートなどが中心。ノルディックスキーでは最初のジャンプ競技ではできるだけ遠くまで飛び、続くクロスカントリーではスタミナや持続力の相反する要素が求められる。ジャンプでは体は軽い方が良いので、エネルギー摂取は最小限にすることなどが求められる。

 相反する2要素を解決するカギはアミノ酸と、両競技の間の2時間の時差だ。肉や魚のたんぱく質は体内吸収までに3―4時間かかるが、アミノ酸の場合は約30分。肉や魚料理を食べてもカントリー競技には間に合わないが、アミノ酸ならば体内にすばやく分解、吸収されるためエネルギー源に生かせる。

 「一口にアミノ酸といっても、目的が体力回復か持久力維持かなどで多くの種類がある。2時間のうちに複数の製品を使いこなす」。スポーツニュートリション部の遠藤典数氏は指摘する。選手に応じて投入量や渡す時刻などを変え、最適コンディションに向け、ベストを尽くす。

 フィギュアスケートの場合も同様だ。選手は大会直前、緊張で食事が細くなるので、エネルギーの効率摂取や食事管理が重要になるという。長時間、滑り続ける筋力、体力も必要になる。「ロイシン高配合のアミノバイタルで体内の筋グリコーゲンを増やす工夫をした」(ビクトリープロジェクトグループの栗原秀文氏)。ロイシンは介護施設の高齢者で寝たきり防止のため、筋肉維持にも使われるアミノ酸だ。

 味の素は16年3月に、東京五輪のオフィシャルパートナー契約を締結した。契約カテゴリーはアミノ酸のほか調味料やスープ、冷凍食品など幅広く、関連商品の売り上げ増効果が期待される。また、さまざまな種類のアミノ酸知見は運動選手以外にも応用が可能だ。「受験生の食事管理やシニア層の健康管理にも応用できる」(江崎貴彦ビクトリープロジェクトグループ長)と、他分野への展開も視野に入れる。
(文=嶋田歩)