女子1500メートル、優勝した高木美帆(右)と2位の小平奈緒

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 ◇スピードスケート平昌五輪代表選考競技会第3日(2017年12月29日 長野市・エムウエーブ)

 女子1500メートルは高木美帆(23=日体大助手)が1分54秒82の国内最高記録で今大会2種目目の首位となった。自身が10月に出した記録を0秒62も塗り替え、進化した姿を見せつけた。

 電光掲示板にタイムが表示されると、場内が沸き上がった。昨季はW杯全6戦で優勝は1度だったが、今季はW杯4戦負けなしの1500メートル。2位の小平に1秒78差をつけ、ぶっちぎりで勝負を決めた。タイムを縮め続ける高木美は「滑っている感覚はもうちょっと遅いタイムかと思っていた。ビックリしている、というのが正直なところ」と目を白黒させた。

 14年ソチ五輪選考会は姉・菜那にも敗れて同種目5位。現実を突きつけられた、かつての“スーパー中学生”は、涙を流し初めて本気になった。技術だけでなくフィジカル面も徹底強化。「食の誘惑にはだいぶ、負けなくなった」とスイーツも断った。小学生時代からサッカーやダンスで磨かれた才能が、真のアスリートに変身したことで完全に開花した。「(五輪)内定も大きいけど、4年前の気持ちとは違う。それだけのことをこの4年間で積み上げてこられた」と胸を張った。

 ナショナルチームのヨハン・デビッド・ヘッドコーチ(オランダ)は「特別ではないが、いつも通りの滑りができていた」と納得の表情だ。トレーニングで体力測定の数値も上がり、海外を転戦しても調子を崩さず、安定して結果を残し、自信を植え付けてきた。それだけに、「さ細なことで崩したりしないように大事に過ごしていきたい」と自らに言い聞かせた。

 世界記録を持つ小平にも迫る勢いの1000メートルに加え、1500メートルでは「負けるイメージが全然ない」と言い切る。計り知れない重圧を背負う2大会ぶりの夢舞台。「(レースの)途中、頭が真っ白になったとこあったけど、体に染みついているリズムがある」。体に刻まれた感覚が、高木美を平昌五輪の金メダルへと導く。

 ◆スピードスケート平昌五輪代表の道 日本は女子10人、男子8人が出場できる。女子は全種目で最大、男子は長距離以外の種目で最大数を確保。小平は500、1000、1500メートルの3種目、高木美は1000、1500、3000メートルのほか、世界記録を持つ団体追い抜きを加えた4種目での代表入りが確実。30日に正式発表される。