王子様キャラの中島健人&クールな知念侑李 『みせコド』真逆のイケメン像が生んだもの

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 Sexy Zoneの中島健人とHey! Say! JUMPの知念侑李が9年ぶりに共演した映画『未成年だけどコドモじゃない』が12月23日に公開された。『未成年だけどコドモじゃない』は、数々のヒット少女漫画を生み出している漫画家、水波風南による同名コミックを映画化したもの。秘密の結婚、2人のイケメン、三角関係……と、女子の大好物がこれでもかというほど詰まっている胸キュンラブコメディーだ。

 主人公は、世間知らずのお嬢様・折山香琳(平祐奈)で、彼女は16歳の誕生日に両親から“結婚”をプレゼントされる。その相手は、成績優秀・スポーツ万能な学校一のイケメン・鶴木尚(中島健人)。入学式の日、尚に一目惚れしていた香琳は心ときめかせるが、尚にとっては、お金目当ての愛のない結婚にすぎなかった。しかも、“学校で結婚のことは口外無用”という切ないルールまで設けられる。それでも、香琳は尚を振り向かせようと試行錯誤し、尚も少しずつ香琳に心を開いていく。そんな中、香琳に想いを寄せる海老名五十鈴(知念侑李)が登場。五十鈴は結婚の事実を知ってしまい、二人に離婚を迫る。一度は離婚しかけるものの、香琳と尚はお互いの気持ちに改めて気付き……、という王道なストーリーだ。

 中島が演じる尚は、彼お得意の王子様キャラクター。特に今回は、文武両道で学校一のイケメンな反面、家庭環境が原因で心にトラウマを抱えているという、“少女漫画系王子様キャラ”の王道的設定だ。このようなキャラクターは2次元だからこそ成り立つものだが、中島が演じることで、どこかリアリティーが加わり3次元でも成立しているように感じる。それは一体なぜなのだろうか。

 中島が普段から王子様キャラであることは、有名だろう。そのキャラは、Sexy Zoneのコンサートでも崩れることはほとんどない上、最近ではバラエティー番組でも披露することが多くなってきた。さらに、『黒崎くんの言いなりになんてならない』でも“少女漫画系王子様キャラ”の黒崎晴人役を務めており、中島は役者としてもアイドルとしても“少女漫画系王子様キャラ”のキャリアが断トツに長いのだ。しかも女性の反応が直接分かるコンサートという場面では王子様キャラを試すことができるため、「このくらいならやりすぎにならない」「こういう王子らしさは反応がいい」と普段から役作りを研究する場にも恵まれているといえる。これらの経験が、中島がリアリティーのある王子様キャラを演じられる理由となっているのだろう。

 一方、知念演じる五十鈴は、ヒロインを真っすぐに思う、見た目のかわいい男子だ。知念はこれまでに、『忍びの国』ではわがままで“ボンボン感”溢れる織田信雄役、『超高速!参勤交代』シリーズではモテ藩士の鈴木吉之丞役など幅広いキャラクターをこなしてきたが、不思議と“かわいい系男子”を演じてこなかった。むしろ今、“かわいい系男子”と言えば志尊淳や千葉雄大などの名前がよく挙げられる。志尊や千葉が務める“かわいい系男子”の役を見ると、大人しく温厚なキャラクターが多い。しかも、バラエティー番組などで見せる普段の彼らも、中性的でかわいらしいイメージだ。つまり、役と役者のイメージが重なっているといえる。

 その反面、知念が演じた五十鈴は見た目こそ中性的でかわいらしいが、性格は意外と男前。この点では、普段の知念に通づるところがあるといえる。普段の知念のイメージと五十鈴のキャラクターがぴったりハマったことから、知念の“かわいい系男子”役が実現したのではないだろうか。

 さらに『未成年だけどコドモじゃない』で注目したいのは、中島と知念が共演したことで生まれた“メリハリ”だ。中島の演技は全てにおいて全力。香琳が割った皿の音でトラウマがよみがえり動転するシーンも、五十鈴に香琳の居場所を示唆されてハッとするシーンも、体・表情・セリフを発する声・呼吸をフル稼働させて演技している。一方、知念の演技は至ってクール。尚に激高するシーンであっても声に冷静さがあり、落ち着いて見えた。二人が同じシーンに登場する回数は多くなく、物語の終盤に数回ある程度だ。しかしその数回は、ストーリーがちょうど盛り上がる場面であり、二人の演技の温度差が物語全体のメリハリへとつながっているように感じた。

 年末年始、ぜひ劇場で二人の演技を堪能してみてはどうだろうか。ちなみに高嶋政宏演じる香琳の父親の親バカっぷりと、シルビア・グラブ&村上新悟の『真田丸』組の演技もいい味を出している。多様な楽しみ方が散りばめられている『未成年だけどコドモじゃない』、おすすめだ。(高橋梓)