デング熱その場で判別 電通大、精度90%超のシステム開発

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 電気通信大学の孫光鎬助教らは、首都大学東京と共同開発した感染症のスクリーニング(選別)システムを使って、デング熱など感染症の患者を90%以上の精度で判別することに成功した。デング熱は蚊が媒介する感染症で熱帯・亜熱帯地方に多くみられる。医療水準が必ずしも高くないこうした地域の医療環境の向上につながると期待される。

 開発システムは、マイクロ波レーダーで心拍や呼吸、体温といった生体情報を非接触で計測し、得られたデータを統合的に解析して、判別する。1人当たり約15秒で計測が可能。孫助教らは、ベトナムでデング熱が大流行した2017年8月、ベトナム国立熱帯病病院において、1週間で約400例のデング熱患者をスクリーニングした。

 これらの患者のデータと、日本国内で収集した健康者のデータを使って、デング熱などの感染症の罹(り)かん患者を検出する数式を導いた。この式を使うと、レーダーで生体情報を計測後、数秒で感染症に罹患しているかどうかをその場で高精度に判別できる。

 利用例として「病院が混雑する感染ピークの時期などに、待合室で簡易検査をすれば、二次感染などを防げるのではないか」と孫助教は想定する。今後、同病院と医工連携による大規模な共同研究に発展させ、持ち運び可能な小型システムの開発などを目指す。