男女が恋仲に発展するための最初のステップである、デート。

互いの愛情と絆を深めあうチャンスとなる一方で、玉砕する場合もある。

二人で同じ時を過ごし、同じ景色を見ていても、男女で感じるものは違うようだ。

あの時、君は何を思い、その行動に出たのだろうか...




光一さんと出会ったのは、同期が連れて行ってくれた、男女8人で行われた忘年会だった。

とは言っても、実際には初対面の人が多く、忘年会という名の食事会である。

私もただ楽しく飲めればいいと思っていたけれど、人懐っこい笑顔で「遅れてごめん」とやって来た光一を見た瞬間、思わず背筋を正した。

-タイプかも...

咄嗟にそう思ったのだ。奥二重の切れ長の目に、綺麗な歯並び。肌も綺麗で、身長も高い。

早速私はお手洗いに行くふりをして席を立ち、彼に近づいた。

「すごくスタイルいいね。」

隣に座った途端、彼に褒められ上機嫌になる。スタイルには自信がある。出るところは出ているが、足やウエストは細い。

このスタイルをキープするために色々な努力をしているが、こうやって褒められると普段の努力が報われる気がする。

「いえいえ。…光一さんは、お仕事は何されてるんですか?」

「僕は自分で会社を経営しています。杏奈ちゃんは?モデルさんか何か?」

「まさかぁ。ただのOLです!でもたまに、雑誌で読者モデルみたいなことをしていますが...」

「そうんなんだ。綺麗だから、プロのモデルさんかと思ったよ。」

そんなことを話しながら私たちはLINEを交換する。
きっと食事か飲みに誘われるだろうなと思いながら。

すると案の定、翌日に光一さんの方から食事の誘いがきた。


人は見た目がすべて?初対面で男を惹きつけた女のデートでの失態


Q1:結局、女はスタイルが良い方がいいに決まってるでしょ?


-何か食べたい物ある?

毎回この質問の答えに困るのだが、最近炭水化物抜きダイエットを行っているため、イタリアンや中華などコッテリ系以外が良い。

申し訳ないと思いながらも素直にそのことを伝えると、光一さんはすぐ「分かった!」と返信をくれ、西麻布にある和食の『田中田』を予約してくれた。

『田中田』は旬の食材が楽しめる上、小皿で好きな物を頼める。誰と行っても楽しめる、西麻布界隈で好きなお店だった。




「杏奈ちゃん、好きな食べ物は? 」

メニューを見ながら光一さんが優しい眼差しで問いかけてくる。

「野菜が好きです。あとはお肉かなぁ?お任せします!」
「了解。じゃあ適当に頼んじゃうね。」

そう言って光一さんはパパッと何品かオーダーしてくれた。しかしその中に、食べられないものがあることに気づいた私は咄嗟に言った。

「すみません、実はイモ類は食べられなくて..」

光一さんがオーダーした料理の中に、ポテトサラダがあったのだ。

本当は大好物なのだが、今は少し体を絞りたいため、イモ類は控えていた。

「あらら、残念。ここのポテトサラダ絶品だから、オススメだったんだけどな〜。でも嫌いなら仕方ないね。」

そこから私たちは、お酒を飲みつつ美味しい食事を楽しみつつ、お互いのことを語り始める。

「へぇ、じゃあそのスタイルの良さは毎朝のグリーンスムージーのお陰なんだ。僕も真似しようかな。」

ここ数年、朝は朝食代わりにオリジナルグリーンスムージーと決めている。ほうれん草とリンゴなどを加え、レモン汁を絞った物を毎朝飲んでいるのだ。

「朝をスムージーに代えるだけでも十分効果があるから、オススメですよ!でも光一さんは既にスタイルが良いから、あまり必要ないかもですが...」

初めて会った時はスーツだったので分からなかったけれど、私服の光一さんを改めて見ると中々肩幅が広く、二の腕あたりもガッチリとしている。

「食べることが好きなんだよね。だから走ったり筋トレをしたりと気をつけてはいるんだけど。お酒も好きだし、杏奈ちゃんとは正反対だよ(笑)」

「でも少食の男性より、しっかり食べてくれる男性の方が女性は好きですよ。特に美味しそうにご飯を食べる男性を嫌いな女性なんて、いないと思います。」

女性からすると、よく食べる男性は魅了的である。

そう伝えると、光一さんは嬉しそう微笑んでいた。

「もう一軒行こうよ。」

外に出ると、すっと光一さんが近づいてきた。

私たちの距離はグンと近くなり、冬の寒空の下、2人で寄り添いながら2軒目へと向かう。私の鼓動も、少しだけ早まっていく。

「今日は楽しかったです。また次回。」

この日は2軒目で解散した。


夜10時からのデートの約束。でもその後誘われないのはナゼ?


Q2:2回目のデートは彼の会食終わりから。これってどういう意味?


2回目のデートは、向こうの会食終わりに合流しようということになった。

本当は食事に行きたかったが、年末で光一さんのスケジュールはほぼ埋まっており、1軒目が早く終われる日に2軒目から約束をしたのだ。

光一さんが約束の場所に指定してくれたのは、六本木交差点からほど近いバー『ケージュレップ』だった。周囲の喧騒が嘘のようなスタイリッシュで静かな店内で、私はダイキリを飲みながら光一さんを待つ。




「遅くなってごめんね!」

そう言って店に慌ててやって来た光一さんは、既にほろ酔いだった。

「食事に行きたいんだけど、年末はほぼ忘年会で予定が埋まっちゃってて...こんな遅い時間から、ごめんね。」

「全く問題ないですよー。師走ですしね。」

師走の東京は、忙しい。忘年会シーズンだし、食事に行けないのは仕方のないこと。こうして少しでも時間を作ってくれるだけでも嬉しかった。

「お酒は、飲むんだっけ?って、今日も相変わらず、抜群のスタイルだね。」

光一さんに褒められ、少しくすぐったい気分になる。脚が目立つようミニスカートで来てよかった。

「飲みますよ!家では全く飲まないですが...焼酎が好きです。」

お酒は好きなのだが、ビールは飲めないので普段はもっぱらワインかシャンパン、それか焼酎だ。

「杏奈ちゃん、焼酎飲むの?意外だね。」

焼酎はダイエット中でも飲める(と思っている) お酒だ。蒸留酒は糖質を含まないと聞いたことがあり、お酒好きにはありがたいアルコールである。

シャンパンは大好きだけれど、糖分が多いので泣く泣く一杯のみと決めている。

「本当はワインも大好きなのですが...でも最近は、ビオワインが好きで。」

「そうなんだ。ビオワインとか、杏奈ちゃんに似合うよね。」

「どういう意味ですか?(笑)」

そんな風に楽しく会話をしながら、私たちの夜は更けていく。

「年明けになっちゃうけど、時間あればご飯行こう。好きなカジュアルフレンチが外苑前にあるんだよね。」

「いいですね!でも私、フレンチも良いけれど、どちらかと言うと焼き鳥とか蕎麦の方が好きなんです。」

「お金がかからなくて素晴らしいね(笑)OK、じゃあまた日程擦り合わせよう。」

そう言いながら、私と光一さんはかなりの至近距離で会話をしていた。

-次回のデートで、そろそろ向こうからプッシュが来そうだな...

そう思っていた。



「じゃあ杏奈ちゃん、また年明けにね。」

しかし、そう言って手を振ってタクシーで別れて以来、光一さんから連絡は来ていない。

1回目も2回目も、かなり良い感じだった私たち。それなのに、どうして急に光一さんは連絡をくれなくなってしまったのだろうか?

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光一が、杏奈に感じていた違和感とは?:デートの答えあわせ【A】

<これまでのデートの答えあわせ【Q】>
Vol.1:2軒目のデート開始30分。彼女が「明日朝が早い」と突然帰宅したのは、ナゼ?
Vol.2:2人きりでの食事・デートの誘いに乗ってきた。=“脈アリ”じゃないの?
Vol.3:初デートは「19時、駅に待ち合わせで。」このNGポイントはどこ!?
Vol.4:私の、どこがダメだった…?会話も、化粧も服装もすべて完璧だったのに
Vol.5:初デート。「もう1軒行かない?」と言われた時に男が取るべき行動とは
Vol.6:デートの重要なポイント、店選び。女が男を“友達”だと判定した理由とは?
Vol.7:デートにおける永遠のテーマ、お会計問題。どう振る舞うのが女として正解なの?
Vol.8:2対2の食事では全然話せなかったのに。デートで彼女の心を掴んだ平凡男の勝因とは
Vol.9:デート中、体を寄せてきた彼女。ボディタッチ多めなのに、ナゼ答えはNGなの?
Vol.10:「こういうお店、大好き♡」デート中は楽しんでいた彼女の態度が急変した理由
Vol.11:料理大好き、気配り完璧♡男心のツボは押さえても、次に繋がらないのはナゼ?
Vol.12:俺の話に「すごい♡」を連発してたのに。女心を掴めぬ男の、致命的ミスとは