―私、年内に婚約するー

都心で煌びやかな生活を送る麻里・28歳は、ある日突然、こんな決意を固めた。

というのも、麻里は気づいてしまったのだ。

女の市場価値を冷静に受け止めれば、20代で結婚した方が絶対お得に決まっている。

掲げた目標は“今年中にプロポーズされる”こと。本気を出した女のリアルな婚活奮闘が、今、はじまる。

「年内婚約 2017」一挙に全話おさらい!



第1話:“逆算”したら完全アウト。結婚相手を28歳でロックオンすべき理由

文末のみゆきの一言に、麻里はクスリと微笑む。社内メールのやりとりは、社内メールらしい文面で送り合うのが二人のルールだ。

―やっぱり、持つべきものは女友達だわ...。

そう、怯んでいる余裕なんかない。こうして協力的な友人とせっせと力を合わせ、人脈をフル稼働して出会いの場を設けられることに感謝しなければならないのだ。だって麻里は、自分自身で“年内婚約”を決意したのだから。

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第2話:紳士で真面目な外銀男と、恋の予感。“超優良物件”なんてウマい話はあるのか?

イイ男と出会うために必須なのは、自分と同レベルの、一緒にいれば何倍もの相乗効果を発揮してくれる女友達の存在と言っても過言でないと、最近痛感している。

「まぁ、浩一さんは悪くないわよね。和也くんとも、来週平日に約束しておいた」

和也くんというのは、慶応幼稚舎出身の広告代理店の営業マンである。同い年で、ジャニーズ系のイケメンだった。

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第3話:“チヤホヤ”=“モテ”ではない。男を甘く見過ぎた美女が受けた、屈辱

―浩一さんは既婚者よ。しかも二人の子持ち。早急に帰宅してー

「...は?」

親友のみゆきからのLINEを目にしたあと、麻里はショックのあまり、凍りついたようにしばらく動くことができなかった。

浩一は、たしかに目立つ欠点はなく感じのいい男だったが、それほどモテそうでもない、女慣れしてそうでもない、どちらかと言えば“草食”っぽい雰囲気を醸し出していた。

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第4話:食事会で「二度めまして」はツラいよ。撃沈女を狙う、元彼の甘い罠

「ウチ、すぐそこなんだ。寄ってくだろ?」

和也が当然のように言ったとき、麻里はあまりの驚きに言葉を失った。ハッキリ言って、二人の食事は全く盛り上がらなかった。

というのも、和也の態度はとにかく上から目線で、「麻里ちゃんみたいな子って、何人も男がいるんだろ」「週の半分以上は飲み会でしょ」などと、麻里を完全に軽い女扱いする発言ばかり繰り返したからだ。

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第5話:バスルームに直進した、絶対に外れない“女の勘”。男の口から出た咄嗟の言い訳とは?

―元彼と戻るなんて、ちょっとダサいけど...。まぁ、改めてサトシの良さが分かったし...。

麻里は自分に言い訳するように思案に暮れながら、彼の部屋に一歩踏み入れた。

―...ん?

しかしその瞬間、麻里は明らかな違和感を持った。

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第6話:“結婚できるイイ男”を探すのは、至難の業。女が利用すべき最良の男とは・・・?

―俺はもう結婚はしないし、残念だけど身を引くよー

サトシの放ったこの一言が、麻里の頭の中で何度も反芻される。麻里自身、サトシのような破天荒な男との将来なんて考えたことはなかった。

出会ったのは24歳の若かりし頃で、麻里は彼の少々ネジの外れた“ザ・港区感”が単純に面白く、夜な夜な遊ぶうちに深い関係になっていっただけなのだ。別れを告げたのも麻里の方からで、復縁を迫られるも、それを断ったのも麻里である。

それなのに、この途方もない敗北感の正体は、一体何だというのか。

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第7話:「僕に任せて。」エリート既婚男が独身女にオススメする“表に出ない男”の正体とは?

「独身の素敵な男性を紹介してもらえませんか」

自分を騙した男に遠慮はいらない。麻里は敢えて、抑揚のない冷めた声を出してみる。既婚(それも二児のパパ)であることがバレたにもかかわらず、なぜか執拗に自分に許しを乞うてくる男を、何となくいたぶってやりたい気持ちもあった。

婚活がスムーズに進まず、ストレスが溜まっているのかもしれない。

「も...もちろんだよ!うちの会社の、デキる後輩を紹介するよ」

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第8話:“イチ、抜けた”!年内婚約をもくろむ28歳女に、卒業の兆しが見えた...?

「後輩の、優樹です」

麻里が振り向いた先には、つい先ほど『上島珈琲店』で見惚れた男が立っていた。派手ではないが、爽やかで整った顔立ちはハンサムで、控えめな優しい笑顔が素敵だった。一言でいえば、外見がとにかく超ド級に麻里のタイプなのだ。

彼はアフロ氏とガリ勉くんよりも後輩で、29歳だという。年齢的にも文句はない。こんな素敵な人が外資系投資銀行に勤めるエリートで、スペックにも申し分がないだなんて、もはや運命としか思えなかった。

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第9話:鳴らないスマホに焦るモテ女。運命の(#はずの)彼は、ただの草食系?それとも...

「雅也さんね、今度の“エド・シーラン”の来日コンサートのチケットも取ってくれたのよ」

そういえば、みゆきは学生時代ダンスサークルに属しており、クラブで踊るのが大好きだったことを思い出す。ちょっとした趣向がリンクするだけで、理想の高い女心が、これほど簡単に傾くものなのだろうか。

そんな彼女の幸せそうな得意顔を眺めていると、麻里ものんびりとしていられないような焦燥感に駆られた。

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第10話:「俺、君のことが...」5回もデートしてるのに、ナゼ告白されない?純朴男の寸止め地獄の秘密

まるで韓流ドラマの如く、こんな風にピュアに惹かれ合う男女が、果たして港区にどれだけいるだろう。いや、希少すぎるに決まっている。これだけ婚活に励み、週に7回以上の食事会に赴いた女がそう思うのだから。

「会ったばかりなのに、俺、本当に麻里ちゃんのことが......」

優樹が切なそうに声を振り絞るのを、麻里は胸を高鳴らせながら、ウンウンと元気づけるように頷きながら見守った。

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第11話:彼の電話に出た、意地悪オンナ。2番手の女が「勝てる」と確信した修羅場のストラテジー

年内婚約の目標を掲げて婚活に励んではいたが、優樹のことは本気の一目惚れで、自分なりに大切に大切に関係を築き上げているつもりだったのだ。

―優樹くんは、違ったのかな...。

計5回の幸せなデートを思い返すほど、悲しみで涙が止まらなくなる。しかし、電話を切られてから数分後、撃沈する麻里のスマホが優樹からの着信を知らせた。

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第12話:「俺のものになればいいのに...」情熱的な恋人に前のめる女が、夢砕かれた意外なギフト

「さすがに付き合って数週間で、指輪はないでしょ...?麻里、盛り上がるのはいいけど、のぼせすぎて失敗しないでよ?そもそも、優樹くんは彼女持ちの男だったんだから...」

みゆきの忠告に、麻里はほんの少しムッとする。

「あのね、優樹くんは、これまでの男とは全然違うの!彼だって絶対同じ気持ちよ。結婚を意識してないなんて有り得ないから大丈夫よ」

しかし、数日後にはその自信が打ち砕かれることになるとは、麻里は全く予想していなかった。

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第13話:明日は我が身...。30歳でハイスペックな恋人を失う未来を恐れた女が犯した、致命的なミス

「俺、やたらと結婚したがる女の子って、物凄く苦手なんだ」

優樹の言葉が、刃物のように麻里の胸をえぐる。

「...ど、どうして?優樹くんは、結婚願望ないの...?」
「そういうワケじゃないけど...“結婚したい”って必死になる女の子って、何か怖いんだよね...」

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第14話:彼氏が結婚してくれないなら、二股上等!婚活市場に舞い戻った女に訪れたチャンス

元カノの被害を被っても、NY土産がGodivaのチョコレート1つでも、優樹ならば良いと思えた。港区女子的思考を持つ麻里にとっては、これは“愛”ゆえの意識革命とすら言える。だが、“結婚”の一言が地雷となるのは、さすがに危機感を持たずにはいられない。

このままでは、華の20代という貴重な時間を無駄に費やす可能性があるのだ。しかし、愛し合う恋人同士、しかもアラサーの男女が結婚を視野に入れて交際するのは、それほど悪いことだろうか。

「きっと私なんか、結婚する価値ゼロの女なんだわ......」

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第15話:結婚したがる女=ちょっと“イタい”女!?世間の荒波と戦う婚活女を救った、男の意外な一言

和也は慶応幼稚舎出身で広告代理店勤務、おまけにジャニーズ顔のイケメンという三拍子そろった好条件の男である。よって一度は意気揚々とデートに出かけたが、結果、ボンボン特有の高圧的な和也と気の強い麻里の相性は最悪だった。

さらに、その後も食事会で偶然に何度も鉢合わせることになったが、二人はギスギスと攻防戦を繰り返してばかりいたのだ。

それがナゼ、突然“付き合って”になるのか。

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第16話:「あんなにディスってた男と、付き合うの?」結婚のため、理想より条件を選んだ親友への困惑

「年内破局、ですって...?」

麻里が思わず顔を歪めると、和也はプッと吹き出し、ケラケラと笑い始めた。

「その顔。なんか麻里って、表情豊かで面白いんだよな」

―あれ...?

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第17話:それは愛情?それとも執着?不本意に「通い妻」に成り下がった女の荒んだ葛藤

28歳。女の市場価値としてはギリギリMAX。この時期を無駄にしようものなら、戦場のような東京婚活市場でのサバイバルはますます熾烈なものとなるだろう。

―でも...結婚なんかできなくても、本当に幸せなのは、心から好きな人と一緒いられることじゃない?
―それに、優樹を信じてこのまま順調に愛を育めば、突然プロポーズされる可能性だってゼロじゃない...。

麻里はそんな風に自分を励ますこともあれば、都合の良い解釈で現実から目を逸らす自分に嫌気がさすこともある。何かがちがう。何かがちがう。頭の隅で小さく警報を鳴らす違和感を拭えぬまま、時はとうとう、12月に突入した。

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第18話:「力ずくで奪うよ?」誠実だったはずの男が、彼氏持ちの女に牙を剥いた夜

つくづく、和也は誠実で優しい男なのだと思わずにはいられない。彼は、麻里が急に電話をかけてきた理由も聞かなかった。

言わずともだいたい見当がつくのか、あるいは気を遣ってくれているのか。だが、二人はとりとめない世間話や仕事の話で盛り上がり、それは麻里にとっては有難いものだった。しかし同時に、心の隅で和也と優樹の二人の男への罪悪感がチラつく。

―でも......。今は、この時間が終わって欲しくないな...。

それでも麻里は、ほろ酔いの頭でそんな風に思ってしまう気持ちを止められなかった。

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第19話:「愛されるより、愛したい症候群」?結婚相手を“賢く“選べない女に訪れた、ある悲劇

「力ずくで奪うよ。いいの?」

和也の両腕に身体を挟まれ身動きがとれなくなった麻里は、動揺と緊張でどうすることもできず、ただギュッと目を瞑った。心臓はドクドクと破裂しそうなほど大きな音を立てているし、和也の顔は、息遣いが肌で感じられるほどの距離にある。

彼氏持ちでありながら、本当にこんな状況に身を任せていいのか。いや、それを言うなら、部屋に上がり込んだ時点で間違っていた。それ以前に、二人で食事なんかするべきではなかった...。

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第20話:「彼と、別れて欲しいの」元カノからの挑戦状。外銀美女のド迫力オーラに隠れた、意外な弱み

「麻里ちゃん、誤解しないで。レイちゃんとは、本当に仕事の相談が......」

―レ、レイちゃん...?

焦りながらも元カノを愛称で呼ぶ優樹の声で、麻里ははっと我に返る。修羅場は慣れているはずだが、この屈辱的な状況には耐えられなかった。

「麻里ちゃん、待って...!麻里ちゃん!!」

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