「誰もが夢見るほどポジティブ」 アルゼンチン人監督、Jリーグと日本を絶賛「長期間いたい」

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2017シーズンから千葉を率いてプレーオフ進出「日本で素晴らしい1年を過ごした」

 J2ジェフユナイテッド千葉は、アルゼンチン人のフアン・エスナイデル監督に率いられてリーグ6位でJ1昇格プレーオフに進出したが、準決勝で名古屋グランパス(2-4)に敗れた。

 惜しくも涙を呑む形となったが、エスナイデル監督は日本での生活に満足しており、「できれば長期間、日本にいたい」と絶賛しているという。アルゼンチン紙「ラ・キャピタル」が伝えた。

 エスナイデル監督を直撃した母国メディアは、現役時代に計5カ国を渡り歩いた経験豊富な指揮官を「世慣れ人」と称して次のように紹介している。「若い頃から夢を追求するために街を出た。ブエノスアイレスでの滞在後、スペインのマドリードを旅し、イタリア、ポルトガル、フランスなど、様々な都市のチームでプレーした」と言及。スペインのレアル・マドリードやアトレチコ・マドリードをはじめ、イタリアのユベントス、ポルトガルのポルト、フランスのアジャクシオに在籍した経験を持つ。

 エスナイデル監督はヘタフェのアシスタントコーチとして指導者の道を歩み始め、レアル・サラゴサやコルドバ、ヘタフェで指揮。2017シーズンから千葉の監督としてチームを率いるが、日本での生活を問われると笑みを見せながら次のように答えたという。

「日本で素晴らしい1年を過ごした。私のキャリアの中でもベストだった」

 目標としていたJ1昇格は惜しくも果たせなかったが、それでも指揮官にとっては充実の日々だったようだ。「なぜ日本での1年が良かったのか?」と訊かれ、エスナイデル監督はその理由を明かしている。

日本サッカーは「情熱に満ちている」

「なぜなら、日本でのサッカーは驚くべきものだった。情熱に満ちており、暴力やクレームもない。誰もが夢見るほど全てがポジティブだったよ。私がいるクラブは最高で、全てを提供してくれるから、感謝と満足の気持ちしかない。素晴らしい1年を過ごし、来年はもっと良くなることを望んでいる」

 現役時代にレアルやユベントスなど世界的名門でプレーし、スペインのクラブで指揮を執ってきたエスナイデル監督にとって、日本は驚きに満ちた場所だったようだ。あらゆるものがポジティブに映ったと手放しで称賛している。

 話題はアジアサッカーへと移り、「日本で起きたブームが去った後、アジアの中心は中国になった」と振られ、エスナイデル監督はその事実は肯定した。しかし、日本の選手を称えつつ、サッカーの質も底上げが進んでいると指摘する。

「ただ、日本には中国よりも良い国内選手が揃っている。中国は巨額を海外選手に費やしているが、日本には良い選手が揃っているし、サッカーも成長していると思う」

 さらにエスナイデル監督は就任1年目ながら、日本での生活に満足し、指揮官としても良い経験を積んでいると力説する。

長期の日本滞在を熱望「できれば…」

「監督として、とても良い時間を過ごしているし、大きく成長することができた。日本での経験は大きな助けになっているよ」

 今後、アルゼンチンやスペインへ戻る可能性も含めて、将来的な進路に関しても言及。母国へ舞い戻る気持ちはさほどないようだが、それ以上に長期の日本滞在を強く望んでいる模様だ。

「アルゼンチンの可能性は低いが、スペインはいつでもあり得る。ただ、できれば長期間、日本にいたいと思っている」

 2017年を「素晴らしい1年」と断言したエスナイデル監督。11月19日に千葉との契約を更新し、2018シーズンも指揮を執ることが決まっている。クラブ公式サイトを通じて「このチーム、この選手たちを率いることができてとても誇りに思っています。クラブの期待に応えられるように頑張りたい」と意気込みを語った44歳の指揮官は、日本での2シーズン目で再びJ1昇格のミッションに挑む。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images