肩、首のこりを和らげる“動的ストレッチ”とは【写真:photolibrary】

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ストレスも原因? 五輪級スイマーも肩はこる、名トレーナーが教えるお手軽な対策

「忙しい人ほど肩や首がこる」――。そんな定説にも、きちんと理由が存在する。フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一氏が、スポーツトレーニングの舞台裏を語る連載。一年の仕事を納め、疲れを解消したい年末年始、今回は「仕事を頑張るお父さんはなぜ首と肩がこるのか?」という素朴な疑問について、卓球の福原愛、バドミントンの藤井瑞希など日本を代表するアスリートの個人指導経験を持つ同氏に訊いた。

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 仕事を頑張るほど重くなる首や肩のこり。私のクライアントさんを見ていても、重責を担う仕事をしている方、多忙な日々を過ごすお父さんたちは、全員と言っていいほど、こりに悩んでいます。

 忙しい人ほど肩や首がこるのには、きちんと理由があります。

 まずは「パソコン姿勢」や「スマホ(スマートフォン)姿勢」。パソコンやスマホを操作する際、両肩や頭の位置がやや前に出る姿勢が、近年のこりの主な原因です。

 両肩が前に来ると肩甲骨が左右に広がるので、肩甲骨を覆う僧帽筋が常に伸ばされ、緊張した状態になります。同じく、頭が前に出ると、僧帽筋上部や首の後ろのインナーマッスルが緊張。筋肉は長時間の緊張により血行不良を起こし、こりという症状となって表れるのです。

 2つ目は精神的な影響によるこり。首の裏側にある僧帽筋上部は、プレッシャーなどのストレスによっても緊張すると、科学的に証明されています。

動的ストレッチは動かすほど効果あり…ストレスの場合は気分転換を有効に

 実は、オリンピック代表クラスのスイマーでも肩はこります。もし、肩こりの原因が血行不良や筋力不足であれば、常に肩甲骨を大きく動かすスイマーは、こりとは無縁なはず。しかし、大舞台の前はやはり彼らも肩がこり、マッサージをしたり、レース前に腕をよく回したりするのです。

 最後に、デスクでできる肩こりにいい動的ストレッチを紹介します。

 肩こりが気になったら、肩周りを大きく動かして血流を促す、“動的ストレッチ”を取り入れます。よく「何回、やればいいですか?」と聞かれますが、動的ストレッチは動かすほど効果があります。逆に言うと、週2〜3回やった程度では、さほど効果は期待できません。肩の回し過ぎで1日のエネルギーを消費することはありません(笑)。仕事が一区切りするたびに、体を動かす習慣をつけるといいでしょう(肩周辺に痛みがある方は無理をせずに医師の診断のもと行ってください)。

 ストレスが原因の肩こりならば、一番の改善策は気分転換。コーヒー好きなら休憩時に美味しいコーヒーを飲む、ランチ休憩時に本を読む、音楽を聞くなど、短い時間でも気分転換は有効です。

デスクでできる! 肩、首のこりを和らげる動的ストレッチ例

【肩や首のこりを和らげる動的ストレッチ1】

1.両手の指先を肩に置き、肘を正面に向ける。
2.指を肩につけたまま肘を正面→真上→真横→後方斜め下→再び正面の順番に向けながらすっきりするまで回す。円を描くようにリズミカルに動かしましょう。動きが小さすぎると、肩関節や肩甲骨周りが十分にほぐれないので注意。


【肩や首のこりを和らげる動的ストレッチ2】

1.両手の指を左右の耳上あたりに添える。
2.両肘を左右に開いていき、同時に頭を後ろに倒す。このとき、あごを上に向けて胸を大きく開き、肩甲骨が中央にしっかり寄っていることを意識する。
3.続いて両肘を閉じていき、同時に頭を前に倒す。1〜3を呼吸を止めずにリズミカルに繰り返し動かす。(長島恭子 / Kyoko Nagashima)

長島恭子
編集・ライター。サッカー専門誌、フリーランスを経て編集ユニット、Lush!を設立。インタビューや健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌、WEBなどで編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(共に中野ジェームズ修一著、サンマーク出版)、『つけたいところに最速で筋肉をつける技術』(岡田隆著、サンマーク出版)、『肩こりには脇もみが効く』(藤本靖著、マガシンハウス)、『カチコチ体が10秒でみるみるやわらかくなるストレッチ』(永井峻著、高橋書店)など。

中野ジェームズ修一
1971年、長野県生まれ。フィジカルトレーナー。米国スポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP-C)。日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナー。「理論的かつ結果を出すトレーナー」として、卓球の福原愛選手やバドミントンの藤井瑞希選手など、多くのアスリートから絶大な支持を得る。クルム伊達公子選手の現役復帰にも貢献した。2014年からは、青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化指導も担当。主な著書に『下半身に筋肉をつけると「太らない」「疲れない」』(大和書房)、『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版)、『青トレ 青学駅伝チームのコアトレーニング&ストレッチ』(徳間書店)などベストセラー多数。