29日、日韓慰安婦合意を認めることはできないというのが文在寅大統領の主張だが、この問題解決のために韓国大統領府がツートラック戦略を打ち出した。写真はソウルの日本大使館前の慰安婦像。

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2017年12月29日、従軍慰安婦被害者と国民の意思を考慮せず、朴槿恵(パク・クネ)政府(当時)が無理に合意を押し通した日韓慰安婦合意を認めることはできないというのが文在寅(ムン・ジェイン)大統領の主張だが、この問題解決のために韓国大統領府がツートラック戦略を打ち出した。韓国・東亜日報が伝えた。

韓国側の意向とは裏腹に、安倍晋三首相は「合意は1ミリも動かすことはできない」と主張している。また、日韓政府間の公式合意を大統領が直接否定することに対する外交的余波への懸念も出ていることから問題解決の鍵となるのが今後の進め方だ。

韓国大統領府は「15年の合意の過程で重大な問題があるのは明らか」としながらも破棄や再交渉に乗り出すのには慎重な態度を取っている。記事は「政府が再交渉を宣言しても、相手側の日本が応じないことが予想されるうえに、15年当時と異なる合意内容を引き出すのは現実的ではない」とし、「大統領府が『合意は無効ではない。文大統領の所感を明らかにしただけ』と一線を引いた理由もここにある」と分析している。

これらの理由により、大統領府は「歴史と未来は分離する」として、「ツートラック戦略」を打ち出した。文大統領も「日韓両国が不幸だった過去の歴史を乗り越え、真の心の友達になることを願う。そのような姿勢で日本との外交に臨む」と述べている。また、大統領府の関係者は「日韓関係を未来志向的に改善するということが文大統領としての立場の核心」と説明した。

大統領府が考えている日韓慰安婦論議の「出口戦略」は、中韓のTHAAD(高高度防衛ミサイル)式の解決方法だ。政府関係者は「交渉の末、THAADへの中韓両国の意見相違を乗り越えて(中韓)関係発展に合意したように、日本とも未来志向的な協力に乗り出すことができる」と述べている。

この報道を受け、韓国のネットユーザーからは「朴槿恵政府の後片付けは大変だな」「無知で拙速な合意だった」「やっぱり合意は破棄だろう」「合意は破棄して国交断絶だ」など、合意への否定的な意見が多く寄せられた。

その一方で、「外交と歴史は別。合意は合意」と、合意を覆すことへの否定的な意見も見られた。

その他に「日本と極端な外交的な葛藤を引き起こして、日米韓同盟を破壊し、中国の支配下に入れる戦略だと思う。恐ろしい」とするコメントもあった。(翻訳・編集/三田)