シャペコエンセGKフォルマンがフィールドプレイヤーとしてピッチに復帰【写真:Getty Images】

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墜落事故の生存者、右足失った25歳GKがチャリティ戦出場に反響「なんて美しい場面だ」

 サッカーのブラジルリーグ1部、シャペコエンセは昨年11月、飛行機墜落により、監督、選手らクラブ関係者47人が死亡するという痛ましい事故に遭った。しかし、右足を失った生存者の1人の選手が痛ましい事故から1年経ち、22日にチャリティマッチでピッチに復活。義足の右足でゴールを決めるなど、“奇跡の復帰”の瞬間を海外メディアが動画付きで紹介し、ファンに「涙なしでは見られない」「なんて美しい場面なんだ」と感動を呼んでいる。

 あの痛ましい事故から立ち上がり、そして、帰ってきた。22日にブラジルで行われたチャリティマッチ。その舞台に立ったのは、GKとして活躍していたジャクソン・フォルマンだ。

 名前がコールされると、スタジアムは大歓声に包まれた。ゴール後のキックオフの場面から途中出場。交代する選手と熱い抱擁を交わし、ピッチにある生きだした。事故で失った右足は義足。決してスムーズではないが、それでも力強くピッチを踏みしめた。センターサークルに立つと、義足の右足でボールを蹴り、割れんばかりの拍手が沸き起こった。

 そして、感動の瞬間が待っていた。味方がゴール前に持ち込み、ペナルティエリア内にいたフォルマンのもとまで突破。すると、目の前の敵のディフェンス2人とGK1人は、その場で足を止めた。味方は足元でボールを止め、シュートを打つように促されたフォルマン。選んだのは、右足だった。義足とは思えない力強いシュートが浮き上がり、ゴールネットを揺らした。

 両手を挙げて喜びを表したフォルマン。次の瞬間、敵も味方も関係なく拍手を送り、次から次へと選手が駆けつけ、祝福の輪ができ上がった。表情は誰しも笑顔。事故から確かな復活を遂げた瞬間だった。

海外メディアも続々特集「義足で挑んだシャペコエンセのヒーロー」

 感動の一部始終をFOXスポーツアジア版は公式インスタグラムに動画付きで紹介。「なんて素晴らしい瞬間なんだ!シャペコエンセ墜落事故の生存者、ジャクソン・フォルマンが親善試合に途中交代でピッチに立ち、ゴールを記録した」と伝えると、映像を見たファンから大反響を呼んだ。

「神よ…なんて美しい場面なんだ」
「大きなリスペクトを」
「涙なしでは見られない」
「心温まる光景だ」
「心打たれた。サッカーは、美しい」

 海外メディアも続々特集。エクアドル紙「EL UNIVERSO」は「25歳のGKはゴールを決めた。それは、あえて義足でけり込んだものだった」と伝えた。オーストリア紙「Kronen Zeitung」は「義足で挑んだシャペコエンセのヒーロー」と見出しを打ち、「悲劇的な墜落事故から生還したGKのジャクソン・フォルマンがチャリティマッチのピッチに立つ微笑ましい瞬間が訪れた」と伝えた。

 事故の残りの生存者のルシェウは11月に公式戦に復帰し、ネットは来年の復帰を目指している。フォルマンは選手生命を断たれたが、記事によると、試合後に右足を失ったことについて「人生を生き続けていく上で、常に笑顔でいたいんだ」と力強いコメントを残したという。

 シャペコエンセは事故で大幅にチーム再編成を強いられながら、今季は1部残留。世界で大きな話題を呼び、8月にスルガ銀行杯で来日し、日本代表DF槙野らを擁するJリーグの浦和レッズと対戦したことで日本のファンも注目していた。痛ましい事故が消えることはないが、フォルマンの“復帰”は世界に大きな感動を呼んでいる。(THE ANSWER編集部)