“黄金世代”の筆頭、勝みなみ そのスイングを辻村氏が解説する(撮影:鈴木祥)

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今季活躍した注目選手のスイングから強さの要因を探る“Playback LPGATour2017”。第39回は2017年にプロテストに合格した期待のルーキー。15歳でレギュラーツアーを制して以降もたびたび上位に顔を出した実力者は、今どんなスイングをしているのか。上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏が、勝のスイングを解説する。
【連続写真】最注目ルーキー・勝みなみはコンパクトなトップ
今年のプロテストに合格し、来年は活躍が期待される勝みなみさんですが、数年前はトップでしっかりクラブヘッドが入る軽いオーバースイングだった記憶があります。プロの試合に出るにつれ、再現性を重視してコンパクトなトップになったのでしょう。もちろん、コンパクトでも上体をしっかりと捻転しているので特に大きな問題はありません。
おそらくコンパクトなトップのほうが、インパクトでヘッドをスクエアに戻しやすいのでしょう。もしくは、体の回転とクラブを下ろす動作に時間差をつくりたくない気持ちがあるのかもしれません。ダウンスイングの切り返しと同時に体を回し始めると、インパクトでちょうどタイミングが合う感覚だと思います。体重移動の量が少なく、軸を中心とした回転で打つタイプの特徴だといえます。
勝さんのいいところは、お尻の位置が常に安定していることです。体の軸がブレないのでスイングリズムが一定になります。基本的に腰椎が左右にぐらつくのはよくありませんが、その動きは見られません。
スイングのクセとしては、バックスイングでややインサイドにクラブが上がることと、左肩と顔の向きが一緒になることです。トップでこれだけ顔が右を向いている人をあまり見かけません。ただ、人間の構造上、帽子のつばをボールに向けたまま体を120度も回すことは不可能です。無理にやろうとすると、肩に力が入るだけです。勝さんは顔を右に向けることで、上体を捻転しても肩に力が入らないようにしているのでしょう。それでも、ダウンスイングはちょっと体の開きが早い感じがします。せっかくこれだけ上体を捻転したわけですから、戻す時間をゆっくりにしたほうが、より大きなエネルギーをボールに伝えられると思います。
また、トップとフィニッシュは除きますが、スイング中、右ヒジと左肘の間隔が狭いのが特徴です。それだけ手とクラブが無駄な動きをしていない証拠です。しかも、自然なローテーションができて、フォローでは体とヘッドの距離をとれるのでヘッドが走るというメリットもあります。さらに、体の近くでボールをとらえ、インパクト後から一気に体とクラブが離れることで、効率よくエネルギーをボールに伝えています。
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、藤崎莉歩、小祝さくらなどを指導。上田の出場試合に帯同、様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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