少子化でも小児科医が足りない!
2005年09月26日08時26分 / 提供:PJ
夜中に自分の子どもが咳き込んでいる、とする。心配になった親は、夜間救急病院を探すが、どの病院にも「子どもは受け入れられない」と言われてしまう話は実は全国どこにでもある。この現象は2000年頃からずっと言われてきたことであるが、誰もが自分の子どもが小さいときにしか関心がないため、なかなか「常識」になっていない。
日本小児科学会では「小児科医の需要についての誤解」として、2001年に「少子高齢社会の到来ということで、こどもの数が減り、小児科医の需要が減少してきたかのような誤解が持たれている。しかし、実際には少子社会にあって、少ないこどもを大切に育てるという傾向が強まり、かかりつけ医として小児科専門医を選ぶ親が増えている」と提言をしたが、現状はまったく改善されていない。むしろ、悪化しているとも考えられる。
何故か?まず、もともと小児科医自体が少ない。小児科医学会が今年4月に発表した「病院小児科医の将来需要について」によれば、小児科医学会認定医はこの10年で1万2000人前後のまま、増えていない。ひとつの病院小児科が担当する小児(15歳未満)は5000人という概算まで出ている。少子化になれば、子どもが少なくなるから小児科医も増えなくていいのでは?と思うかも知れない。
しかし、その理屈は現状とは異なるようだ。昼間はまだよいが、夜間休日の時間外には、ひとりしかいない子どもだから、余計に親が神経質になる。「6ポケッツ」という言葉があるように、親が甘やかしたり、共働きなどで病院の時間外にならないと子どもに接することができないため、救急でない子どもを親が救急病院に駆け込んでしまう。よって、小児科医が足りないところに、需要が増えている。結果、慢性的な不足状況がさらに続いている。
小児科医も人間だ。高齢化が進み、夜間診療が体力的に難しい小児科医も増えている。連日の当直や休日勤務が続けば、神聖な医師の仕事とはいえ、嫌気がさすだろう。超過勤務で判断力が鈍れば、診療ミスなども起こりかねない。もちろん、大切な子どもを担当するため、訴訟リスクも高まる。毎年、医師数は増えているが、この過酷な状況を察してか、医学生の小児科希望は減少しており、小児科医減少スパイラルは変わらない。
医師免許自体には、医師(小児科)などという区分はない。小児科など足りない専門医を希望する学生には、奨学金を上乗せして対応するなど、医師への入り口からの政策的な介入が必要だろう。小児科学会では、少なくとも、1000人の小児科医の純増が必要だと試算している。
子どもを持つ親がやらなければならないことは、小児科医がどの病院でも不足していることを「常識」として理解したうえで、子どもの健康状態を絶えずチェックし、予防医療に努めることだろう。そして、いざというときのために地域で小児科医が当直している救急病院がどの病院なのかを調べておく必要があるだろう。【了】
日本小児科学会では「小児科医の需要についての誤解」として、2001年に「少子高齢社会の到来ということで、こどもの数が減り、小児科医の需要が減少してきたかのような誤解が持たれている。しかし、実際には少子社会にあって、少ないこどもを大切に育てるという傾向が強まり、かかりつけ医として小児科専門医を選ぶ親が増えている」と提言をしたが、現状はまったく改善されていない。むしろ、悪化しているとも考えられる。
何故か?まず、もともと小児科医自体が少ない。小児科医学会が今年4月に発表した「病院小児科医の将来需要について」によれば、小児科医学会認定医はこの10年で1万2000人前後のまま、増えていない。ひとつの病院小児科が担当する小児(15歳未満)は5000人という概算まで出ている。少子化になれば、子どもが少なくなるから小児科医も増えなくていいのでは?と思うかも知れない。
しかし、その理屈は現状とは異なるようだ。昼間はまだよいが、夜間休日の時間外には、ひとりしかいない子どもだから、余計に親が神経質になる。「6ポケッツ」という言葉があるように、親が甘やかしたり、共働きなどで病院の時間外にならないと子どもに接することができないため、救急でない子どもを親が救急病院に駆け込んでしまう。よって、小児科医が足りないところに、需要が増えている。結果、慢性的な不足状況がさらに続いている。
小児科医も人間だ。高齢化が進み、夜間診療が体力的に難しい小児科医も増えている。連日の当直や休日勤務が続けば、神聖な医師の仕事とはいえ、嫌気がさすだろう。超過勤務で判断力が鈍れば、診療ミスなども起こりかねない。もちろん、大切な子どもを担当するため、訴訟リスクも高まる。毎年、医師数は増えているが、この過酷な状況を察してか、医学生の小児科希望は減少しており、小児科医減少スパイラルは変わらない。
医師免許自体には、医師(小児科)などという区分はない。小児科など足りない専門医を希望する学生には、奨学金を上乗せして対応するなど、医師への入り口からの政策的な介入が必要だろう。小児科学会では、少なくとも、1000人の小児科医の純増が必要だと試算している。
子どもを持つ親がやらなければならないことは、小児科医がどの病院でも不足していることを「常識」として理解したうえで、子どもの健康状態を絶えずチェックし、予防医療に努めることだろう。そして、いざというときのために地域で小児科医が当直している救急病院がどの病院なのかを調べておく必要があるだろう。【了】
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 國分 裕之
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