リテール、広告、エンターテイメントやヘルスケアなど、あらゆる業界に触手を伸ばしはじめているAmazonにとって、2017年は激務の1年だったのではないだろうか。Amazonの拡大と、その広範囲に渡る影響について、これまでのDIGIDAYの記事から重要なポイントを抜粋して紹介していこう。

Amazonの広告事業が加速、「熱視線」を向ける広告主たち



Amazonは、2017年を通じて広告ビジネスを成長させてきた。世界の大手ブランドも、Amazonに広告予算を投入することを検討しはじめた。これは、このeコマースの巨人がGoogle、Facebookの二大巨頭に立ち向かうことができたということの表れだ。

Amazonは、「最高のサービス」と「戦略的なコンサルタント」が提供できる、広告主にとっての「広告プラットフォームのリーダー」となる、というセールストークで、ユニリーバ(Unilever)などの会社のマーケターの幹部に言い寄った。Amazonの切り札はデータだ:Facebookは人々の興味が何であるかを知っているし、Googleは人々が熱心に探しているものが何であるかを知っているが、人々が何を買っているか、というデータを持っているのはAmazonだけなのだ。

Amazon、NY 新オフィスで 着々と広告業界の「足場固め」



2017年10月、Amazonの広告ビジネス戦略として、ニューヨークに新しいオフィスをオープンする計画が明らかになった。これによって、広告を中心に、新たに2000の雇用を生み出すものと予想されている。ニューヨークのメディアエージェンシー幹部によると、Amazonの代表者が、自社や自社のクライアントに対してAmazon広告の売り込みに躍起になっているという。

Amazonのプログラマティック部門のディレクターを務めるサウラブ・シャーマ氏によると、Amazonプラットフォームの大きな強みは、「eコマースと広告の交差点」として機能するところだという。「適切なところにタイミングよく広告を掲載できるというだけではない。関連性も的確だ」。

Amazon、「サーバー・トゥ・サーバー入札」でも独走中



Amazonは、ヘッダー入札を取って代わるものと予想されている、サーバーサイド入札を先導する存在だと自負している。サーバーサイドのヘッダー入札ツールを手がけるサーバービッド(ServerBid)が10月4日(米国時間)に発表した調査レポートによると、広告業界でもっとも人気の高いサーバー・トゥ・サーバーのラッパーは、Amazonの「トランスパレント・アド・マーケットプレイス(Transparent Ad Marketplace)」だ。

パブリッシャーがAmazonのラッパーを採用している理由は、独自の需要をもたらしてくれること、統合が簡単であること、そして異なる複数のプラットフォームにまたがってユーザーをマッチングできることにある。また、多くパブリッシャーやそのテクノロジースタックをコントロールしているGoogleに対抗できる機会を提供してくれることもその理由のひとつだ。さらに、Amazonは独自の購買データや行動データを提供してくれる。

パブリッシャーのパーチ(Purch)でCTOを務めるジョン・ポッター氏は、「広告の分野でGoogleがこれ以上力を持つことを誰も望んではいない」と語った。

Amazonはいまや、YouTube&Facebookの好敵手?



現在Amazonはパブリッシャー向けに、動画配信だけでなく、初日から収益を上げる機会を提供している。Amazonは2016年、動画パブリッシャーやクリエイター向けに、プライムストリーミングプラットフォームとして、「Amazonビデオダイレクト」を公開した。このことで、パブリッシャーは単品の動画やテーマ別の動画コレクション、シリーズ番組の全シーズン、そして会員制チャンネルを配信できるようになった。

HBOなどのプレミアムなケーブルチャンネル会社は、ストリーミングサービスの定期契約を結ぶことによって、Amazonチャンネルの番組を通じてプライム会員向けにこうした動画を販売できる。また、デジタルパブリッシャーも同様に、Amazonのオリジナル動画ビジネスである「Amazonスタジオ」に番組を販売できる。

Amazonビデオダイレクトのプログラムに参加するパブリッシャーのひとりが語ったところによると、2016年の利用開始後の1カ月間で約5万ドル(約565万円)の収益があったという。これは同月にYouTubeから得た広告収入の4倍だったそうだ。

Amazonで3つのストリーミングチャンネルを配信するシネダイム(Cinedigm)でデジタルネットワーク担当エグゼクティブバイスプレジデントを務めるエリック・オペカ氏は、「新たにプラットフォームを立ち上げるとなると、ほとんどの場合で成功までに非常に長い道のりがある」と話す。 「Amazonでは、スタート当初から成功が見えた」。

業界に響きわたるAmazon効果



Amazonは、100社以上の2017年の第2四半期の収支報告での議論の的となった。本記事でまだ触れていなかった、このeコマースの巨大企業が与えたインパクトは次の通りだ。

従来の店舗型の小売:Amazonの台頭により、オンラインショッピングの割合が増え、多くの店舗が閉店した。

配送:消費者がAmazonの配送スピードに慣れきってしまったことで、レント・ザ・ランウェイ(Rent the Runway)などの他社は「その日にお届け」のような別の選択肢を試さざるを得なくなっている。

ヘルスケア:Amazonはヘルステクノロジーの専門家によるチームを結成し、エコー(Echo)デバイスを病院でテストしてきた。ドラッグストアチェーンのウォルグリーンズ(Walgreens)や医薬関連のサービスを提供するエクスプレス・スクリプツ(Express Scripts)は、Amazonをクライアントとして受け入れることに前向きだと語った。

JuJu Kim(原文 / 訳:Conyac)