「精神的に病んでしまい、音楽を聴くことも作ることも嫌になってしまったんです。バンド活動休止後の1年間はひきこもりのような生活を送っていました」

 こう話すのは、人気バンド・キンモクセイでボーカル、キーボードを担当し、ほとんどの楽曲を手がけた伊藤俊吾(40)だ。2作めのシングル『二人のアカボシ』でいきなりブレイクし、『紅白』に出場した人気バンドに何が?

「いきなり売れましたが、その後のセールスは徐々に下がっていきました。そんな状況の中でメジャーアーティストとしてセールスを意識して活動を続けることが、精神的に厳しくなってきたんです」

 1年のブランク後、伊藤さんはゲーム音楽やパチンコ台から流れるBGMを作って収入を得ていたという。

「2014年ごろに、全国の小規模なカフェなどで弾き語りライブを始め、この時期から新曲を作りだしました。今は、やっと自分の力で収入を得ているという喜びを実感できています」

 キンモクセイの活動再開も期待したい。

いとうしゅんご
 1976年11月25日生まれ 神奈川県出身 2016年に初ソロアルバム『四畳半レコード』をリリース。サトミツ&ザ・トイレッツ名義でトイレをテーマに児童向けソングを多数収録した企画アルバム『White Album』発売中

(週刊FLASH DIAMOND 2017年11月10日増刊号)