2008年頃、ジンバブエを危機的なインフレが襲った。月次のインフレ率は一時800億%に達し、そのうち同国の通貨は廃止に追い込まれた(Photo: © Philimon Bulawayo/Reuters/Corbis)

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新聞やテレビで見かける経済ニュース、ネットで飛び交う経済政策の議論、経済学の授業で学んだはずのあの理論……。私たちの身のまわりを飛び交う「経済」にまつわるお話に、ふとこんな疑問を感じたことはないでしょうか?
「どうして、経済学や経済のオハナシは難しく見えるの?」
「エコノミストの人が何を言っているのかよくわからないんだけど、自分だけ?」
需要と供給から、金利、インフレ、GDP、為替レート、金融バブル、行動経済学まで、いざその意味を考えると「何だっけ?」となるような言葉ばかり……。そんな疑問を解消すべく刊行された新刊『1分間で経済学』は、いま知っておくべき最重要単語を200網羅し、そのすべてを「見開き1ページ+図解」した、まさに最強の入門書。今回は同書より、盛んに論争になるインフレ(インフレーション)のメリットとデメリットについての解説をご紹介します。

インフレのメリットとデメリット
――The costs and benefits of inflation

 物価と所得がすべて3%上昇すれば、誰も損はしない。なのにどうして人は、インフレは悪いと言うのだろう?インフレは貨幣の価値を下げる。だからインフレのコストの1つは、人が現金を持たなくなり、頻繁に銀行へお金をおろしに行かないといけなくなることだ。企業も、製品の値札をたびたび書き換える羽目になる。企業がそれぞれ違うタイミングで値札を書き換えれば、相対価格が変わる。市場は相対価格に反応するから、インフレは市場を歪め、効率を損なう。

 インフレの大きなコストにはもう1つ、不確実性がある。インフレ率は高くなるとき同時に変動も大きくなる傾向がある。そのため、投資計画はとても立てにくくなる。インフレ率が低いときにはそういうコストは小さく安定しているかもしれない。しかしハイパーインフレーションが起きると経済を躓かせることがある。

 しかし、インフレは経済が健全に成長してる証かもしれない。また、経済が不況から立ち直る過程で、よく起こることの1つでもある。インフレは実質金利や実質賃金を引き下げるから、企業の投資を促進したり労働需要を高めたりする効果がある。

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