お正月は、子どもがいつもよりたくさんのおカネを手にするタイミングでもあります。(写真:yoshi-ka / PIXTA)

子どもに与えるおこづかいの金額設定はどのようにしているでしょうか。
「そのつど適当に与えている」のと「定期的に一定額を与えている」のでは、金銭教育上は定期的に与えることのほうが効果的と考えられます。子どもが自分の頭で考え、限られた予算をコントロールする意識が養われるからです。

金融広報中央委員会のデータ(「知るぽると:暮らしと金融なんでもデータ2017年版」)によれば、定期的にあげている、という割合は小学校の低学年(28.8%)、中学年(43.2%)、高学年(53.9%)と上昇していきます。「うちの子どもは小2だから、毎月のおこづかいなんてまだ早い」と思い込む必要はありません。

そのつど必要に応じて与えている、というのは、悪い言葉で言えばルールがありません。子どもも何か欲しいときに「強くねだれば根負けして買ってもらえる」というように覚えてしまいますから、「毎月のおこづかいは少し早いかな」と思うくらいで、おこづかいルールを決め、子どもに説明してみるといいでしょう。

一般的なおこづかい額は?

ところで、おこづかいは金額も重要になります。先のデータでは月に1回あげている場合で、中央値は以下のとおりです。

小学校1〜2年生:500円
小学校3〜4年生:500円
小学校5〜6年生:1000円
中学生:2000円
高校生:5000円

ただし、中学校や高校では、塾や予備校に通い始めると食事代を渡したり、書籍代は別途認めるようなケースもあるでしょう。家庭ごとのローカルルールについてはできるだけ明確化しておくことが大切です。

こちらも五月雨方式は避けるべきで、「交通費足りないからSuicaにチャージしておいて」と言われるがままチャージしていたら、利用明細を見てみたら半分くらいはコンビニの買い食いだった、なんてこともあります。仕事に忙しいときほどチェックは甘くなりがちですが、時々確認をしておくといいでしょう。

先ほどは平均的なおこづかい金額を紹介しました。年齢を追うごとにおこづかい額は増額改定されていることがわかります。実はこの「おこづかいの契約更改」も重要な金銭教育です。

おこづかいを定期的に見直す、ということは、子どものおカネの使い道が広がってきており、必要に合わせた金額を渡す、ということです。また、自己管理できる金額が増えてきたことを認めるというステップアップでもあります。

小学校高学年以上なら「なぜこの額か」プレゼンさせる

金銭教育の観点からすれば、「中学生になったから2000円ね」と一方的に決めてしまうのは実はとてももったいないのです。

むしろ子どもに「なぜ中学生になったら2000円にしてほしいのか」と自分の頭で考えさせ、自己PRをさせるくらいのほうが金銭教育としては有意義です。

当たり前のようにおこづかいがもらえるのではなく、「必要な金額」がもらえる、ということを理解することになります。平均に近い額だからと自動的に決めるのではなく、自分なりに必要な額を考え、その考えを説明することで認められるとすれば、これほどの金銭教育はありません。

買いたいお菓子や雑誌、

友達との付き合いでかかるおカネ、

時々買いたいお気に入りアーティストのCD……

親からしたらつまらないものでも、本人にとっては買いたいものを尊重し、自分なりに必要な金額を考えさせる機会です。

もちろん、親としては子どもの希望を無条件にのむのではなく、適切な水準で着地させていくさじ加減が求められます。子どもの説明にダメ出ししたり(ムダ遣いがすぎると指摘するなど)、ガマンを覚えさせることも金銭教育になります。

また、交渉をする以上は少額でもいいので、前年比で少しアップさせてあげるのが着地点としてはいいでしょう。小学6年生が1000円で、中学1年生が2000円に増額、その後3年間ずっと変わらないよりは、中1で1500円、中2で2000円、中3で2500円のように刻んでいってもいいわけです。そのほうが交渉に頑張った子どもの達成感も得られます。

何歳から「おこづかいの契約更改」を行うかは家庭ごとに決めればいいでしょうが、小学校の高学年にさしかかる頃にはチャレンジしてみてもいいと思います。

お正月におこづかいの「契約更改」を

実はこのアイデアは私の両親が採用していたもので、頭を使っておこづかいの交渉に臨んでいたのは何十年前の私自身でもあります。

何におこづかいを使うか積算をして提示してみたり、クラスメイトの平均的なおこづかい金額をリサーチして根拠として示してみたり、ない知恵を絞って増額の権利を勝ち取るために努力をしたことを思い出します。

ちなみに、おこづかいの改定は「正月」と決まっていて、お雑煮を食べ、お年玉をもらった後に、兄弟が順番に呼ばれて交渉をしていました。

読者の皆さんが、もしこの方式を採用してもいいと思うようでしたら「正月」ないし「4月」がおこづかい金額切り替えとしては納得のいくタイミングだと思います。大掃除が終わったら、子どもに「お正月に欲しいおこづかい金額を決めるから、いくら欲しいか自分なりに考えておいてね」と告げておきましょう。

だって、子どもだってお正月にいきなり「いくら欲しいか説明せよ」と言われても困ってしまいますからね。それでは、皆さんもよいお年をお迎えください。