【六川亨の日本サッカー見聞録】森保ジャパンが初の公式戦に出場。気になるのは…

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▽1月9日から中国で開催される、AFC U-23選手権(中国)に臨む日本代表のメンバー23名が26日に発表された。昨年、監督に就任した森保一氏にとっては、タイで開催されたM150杯(準優勝)に続く大会であり、初の公式大会となる。

▽このAFC U-23選手権は、今年で3回目を迎える歴史の浅い大会でもある。前回の2016年大会はカタールで開催され、リオ五輪の予選も兼ねていた。日本は決勝で韓国を逆転で下し、初優勝を果たすと同時にリオ五輪の出場権も獲得。中島翔哉が大会最優秀選手に選ばれた(前々回の2013年は準々決勝でイラクに0-1で敗れベスト8)。

▽今大会は純粋にAFC U-23選手権として開催され、何かの予選を兼ねているわけではない。日本は2020年の東京五輪を見据え、21歳以下の選手で臨む。森保監督はメンバー発表の際に、「どんな大会でも1試合1試合、勝利にこだわっていく。成果にこだわって頂点を目指していく」と決意を語ったものの、他国に比べ2歳のハンデは否めないだろう。

▽そんなU-21日本を率いる森保監督が選出したのは、GKが3名、DFが5名、MFが12名、そしてFWが3名という構成だ。DF陣は原輝綺(新潟)や古賀太陽(柏)らCBタイプが多く、SBの初瀬亮(G大阪)がMFで選出されていることからも、広島で戦い慣れた3-4-2-1(守備時は5-4-1)を採用する可能性が高い。

▽それは「今後も、タイでも伝えたが、複数のポジションをやってもらう。このメンバーで最大6試合やる。五輪も18名の選手で(決勝まで)6試合となると、ケガ人や疲労のコンディションでチームとして機能不全にならないよう、チーム力を落とさないで戦えるよう、複数のポジションをやってもらいたい」という発言からも見て取れるように、本大会を視野に入れてのチーム作りでもある。

▽そしてFWの3人は、スピードを武器にする前田大然(水戸)、空中戦に強い小松蓮(産業能率大)と田川亨介(鳥栖)といった具合に、「スペシャルなものを磨いて欲しい」(森保監督)選手を招集した。

▽その一方で、Jリーグで主力としてプレーした山中雄太(柏)、冨安健洋(福岡)や、U-17W杯とU-20W杯に出場し、J3とJ1でもプレーした久保建英は疲労を考慮して今大会のメンバーから外した。彼らに加え、いずれはリハビリ中の小川航基(磐田)や堂安律(フローニンゲン)も、タイミングを見て招集されることだろう。

▽そんな森保ジャパンで、気になるのはOA枠だ。まだずいぶん先の話ではあるが、どこかのタイミングで森保監督に質問したいとも思っている。それというのも、前回のリオ五輪でのOA枠3人(興梠、塩谷、藤春)は大会直前に決まったため、チームとしてコンビネーションを高める時間が限られていたからだ。

▽噂によると手倉森監督は長友ら海外組を招集したかったらしい。しかし大会は8月3日に始まり、決勝まで勝ち進むと20日まで選手は拘束される。このため海外組はキャンプと重なり招集はまず不可能だ。さらにハリルホジッチ監督は、ロシアW杯の最終予選が9月1日に始まるため、20日までブラジルに滞在し、そこから帰国したら時差調整が困難になると判断。代表の主力クラス(国内組のため候補は少ないが)を招集しないよう手倉森監督に求めたそうだ。

▽20年の東京五輪は7月24日から8月9日までの開催が予定されている。サッカー競技のスタートはもう少し早まるかもしれないが、堂安や、海外移籍の噂のある井手口(G大阪)と久保建英(FC東京)ら海外組を呼ぶなら、いまからクラブと交渉する必要がある。もちろんOA枠は、チーム作りの過程で補強ポイントが出て来るだろうか、すぐに決められるものではないだろう。

▽しかしOA枠を使うのかどうかを含めて、早めに準備しておくに越したことはない。それがどのポジションになるのか。U-20日本代表をベースに考えると、やはり日本はGKと両SBに不安を抱えているように感じられる。それはフル代表でも手薄なポジションでもある。まだ3年あるので、新たなタレントの出現を期待したいところではあるものの、やはり不安を感じずにはいられない。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。