DIGIDAYの「告白」シリーズでは、メディアおよびマーケティング関係者に匿名で本音を語ってもらってきた。この記事では、2017年に掲載したもののうち、選りすぐりの告白を振り返る。ニューヨークタイムズ編集関係者のレイオフからインフルエンサーへのフラウド(不正行為)、そしてエージェンシー文化までトピックは幅広い。

合理化で揺れる、NYタイムズのコピーエディターの告白



去る6月、ニューヨークタイムズ(New York Times、以下NYT)ではレイオフに抗議する多くの従業員が職場放棄し、コピーエディターの人材不足が懸念された。それから1カ月も経たないころ、NYTのコピーエディターから話を聞いた。彼は、1年前に編集デスクのシステムを再編してから、仕事内容がどのように変わったかを語ってくれた。「最近、ひと晩に8本の記事を抱え、仕事に埋没したことがあった。トイレに立つのもやっとだった。とにかく早く記事を出して、スピーディに時流に追いつく、という方向にシフトしていった。かつてのNYTはそうではなかった。今後、編集部員はさっと記事に目を通すだけで、ゴーサインを出すだけになる。すると、あとになって名前のミススペルが発覚したり最初に名前への言及がなかったり、事実が間違っていたりするようになる。新しいシステムにシフトした結果、読者に小さなミスを指摘されることが増えた」。

ブランドの元グローバルメディア責任者の告白



多国籍ブランドの元グローバルメディア責任者は、メディアオーナーがクライアントと完全に切り離されており、クライアントとエージェンシーの契約がどのように機能しているかどうかも把握できていないと主張している。「私は、エージェンシーのピッチを娼婦のダンスと呼んでいる。ピッチを裏で指図する悪党はエージェンシーの仲介屋で、個々のエージェンシーはショーウィンドウのなかの少女なのだ。価格決定プロセスを促進しているのはクライアントだから、エージェンシーは特定のメディアパートナーを利用することで固定価格をクライアントに保証する。そのようなエージェンシーがピッチに勝利し、これが固定化する。だから、大手の放送局が新しい番組の放送をスタートさせる際、そこに関与したいクライアントがエージェンシーにボーナスを設定したからといって、彼らが必ずしも頑張ってくれるとは限らない」。

広告エージェンシーに勤務する新米ママの告白



ある代理店に勤める新米ママは、出産後の職場復帰について語ってくれた。「エージェンシーに務めていると、1日中ミーティング地獄だ。毎日夕方5時30分から6時まで本格的なミーティングが予定されている。家にいる必要がない人ならそれもいい。でも、そうはいかない人もいるのだ。朝から晩までベビーシッターを雇う余裕のない親ならなおさらだ」。

インスタグラムインフルエンサーの告白



インスタグラムのファッションインフルエンサーは、ボットを利用して人為的にエンゲージメントを増やすよう圧力をかけられていることを明かしてくれた。「ブランドはインフルエンサーやエージェンシーにフォロワーを増やしてもらうことに躍起になり、自動的に写真に いいね! を付けてくれるボットを利用するように、インフルエンサーに強要しているのだ。数年前は誰もが有機的にフォロワーを増やしていた。ブランドが広告料を払いはじめてから、ボット企業はフォロワーが売れることに気付いたのだ。そして、ブランドさえもろくでもないボットを利用している」。

ミレニアル世代のエージェンシー社員の告白



デジタルメディアエージェンシーの若き社員は、エージェンシー文化について掘り下げている。「互いに助け合おうなどと誰も思っていない。この業界では、誰もが激しく競い合う。あるいは少なくとも互いにしのぎを削っている。悪意のあるゴシップ文化もある。エージェンシーの人間は皆、排他的だ。ゴシップは人々に付きまとう。5年間で8つのエージェンシーを渡り歩いた人もいるが、嫌な話を山ほど聞く。くだらない人間ばかりだ」。

JuJu Kim (原文 / 訳:Conyac)
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