“日本初”のくさや専門店がオープン

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くさやを最も美味しく食べるために設計し尽くした“日本初”のくさや専門店「AIGAE KUSAYA BAR」が、12月20日(水)に東京・南池袋2丁目にオープンした。

くさやアヒージョ(税抜980円)

同店のくさやは、くさや液を毎日欠かさず攪拌かくはんし、酵素を活発にすることにより旨味を引き立てた独自の製法で生産。このくさや独特の旨味を活かした「くさやチーズ」、「くさやアヒージョ」、「くさやピザ」などを提供し、今までにはない新しいくさやの食べ方を提案する。また、焼酎と相性が良いとされてきたくさやだが、シャンパンやテキーラ、ワインといった若い世代にも好まれるお酒と合う、おつまみとしてのメニューも並ぶ。

店内には、くさや独特の香りを楽しむための専用個室「くさやVIPルーム」まで設計。5人程度が入れる街中の喫煙所のようなスペースとなっており、完全個室ではなく、仕切りで仕切られているような構造になっている。VIPルームで焼いてカウンターで食べたり、腰掛けスペースがあるので、そこで食べるのも可能だ。従業員も生のくさやを焼くとニオイがキツく、服などにも移ってしまうので、基本的に「焼き」の調理はこのVIPルームで行っているとのこと(アヒージョ等の料理はキッチンで作って提供)。

絶品のくさやをぜひ楽しみたいところだが、気になるのはやはり独特のニオイ。だが、心配はない。退店時にファブリーズをかけられる消臭サービスも用意しているのだ。この消臭サービス、プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(P&G)より、1年分のファブリーズが提供されたため実現したものだという。以前、P&Gがファブリーズとくさやが対決するTVCMをオンエアしたところ、「生産者を馬鹿にしている」とネット上で炎上してしまったことがあった。その後、炎上の声を受けて、くさやとファブリーズ双方を上手くPRする動画を公開するなど、くさやへの「お詫び」の気持ちも兼ねた取り組みが行われてきた。その「お詫び」の延長として、今回オープンしたくさやバーにP&Gからファブリーズの無償提供が申し込まれたというのだ。

今回同店をオープンした、藍ヶ江水産・加藤幸代表のくさやにかける思いは熱く、「臭いものに蓋。それを取りに来た。」とコメントしている。江戸時代から続くと言われる日本の伝統的発酵食にも関わらず、「強烈に臭い」というイメージが形成され、若い世代を中心に身近でない食べ物として扱われている現状。くさや製造業者の後継者不足なども課題になっており、くさや産業が窮地に立たされる中、「くさやをより身近な食べ物として、1人でも多くの人に味わっていただき、魅力を発信していきたい」と店を立ち上げた。

新感覚のくさや料理を始め、店内の空間演出や、帰る際の消臭サービスにまでこだわった「くさやバー」。くさやのイメージを覆しに、ぜひ行ってみては?(東京ウォーカー・セキノユリカ)