ストレッチで調整する東海大・関

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 第94回箱根駅伝は年明け1月2日に往路、3日に復路が行われる。4連覇が懸かる青学大は10月の出雲、11月の全日本を落としたものの優勝候補筆頭に変わりはない。若手が躍進する東海大、20年ぶり全日本制覇で勢いに乗る神奈川大など、有力校が連覇に終止符を打つのか。群雄割拠の今大会を彩る注目選手を5回にわたって紹介する。“第1走者”は東海大の関颯人(2年)だ。

 関には理想のエース像がある。走る前から名前だけで他の選手にプレッシャーを与えられるのがエース。「今年に入ってそう呼ばれることが多くなったが、そこまでは至っていないんじゃないか。まだエースとは思っていない」と感じている。

 イメージするのは長野・佐久長聖高の先輩たちの走りだ。大学OBでもある村沢明伸や佐藤悠基(ともに日清食品)の箱根駅伝でのごぼう抜きを目の当たりにした。「エースというのはああいう走り。流れを変える走りができてこそエース」

 そう思うのは前回の反省があるからかもしれない。前回大会ではエース区間「花の2区」を任されたが、全日本大学駅伝前に体調を崩し、走り込みが不足した影響で区間11位。「2区はタフなコースでいろいろな能力が必要になるが、準備不足だった」。エースとは程遠い自分の走りに打ちのめされた。

 ただ、そのままでは終わらなかった。転機となったのは今年2月から約2カ月間、米オレゴン州で行った合宿だった。日本ではあまりないマイル(1600メートル)を基準にした練習に加えて、フィジカルも強化。「スピード練習も参考になった。間違いなくスピードは上がった」。今季は全種目で自己ベストを叩き出すなど確実に階段を上っている。

 高校の先輩で今年の福岡国際マラソンで日本歴代5位のタイムをマークした大迫傑(ナイキ・オレゴンプロジェクト)のタイムも参考にしている。「大学2年のときはどうだったのか、少し見る程度ですけど…」というが、5000メートル日本記録保持者との“勝負”も楽しんでいる。

 「前回は持っていた力以上に期待され、それに踊らされていた」。1年の時を経てプレッシャーを与えるほどのエースに近づけたか。関がエントリーする区間の、他校の選手の顔色に注目だ。

 ◆関 颯人(せき・はやと)1997年(平9)4月11日生まれ、長野県茅野市出身の20歳。佐久長聖高3年時は全国高校駅伝で1区区間賞を獲得した。今年10月の出雲駅伝では6区区間賞。今季は1500メートルからハーフマラソンまで4種目で自己ベストを更新。自己ベストは1万メートルが28分23秒37、5000メートルはチームトップの13分35秒81。1メートル78、56キロ。