今月7日に東京都江東区の富岡八幡宮で起こった4人殺傷事件。宮司の富岡長子さん(58)が、弟で元宮司の茂永容疑者(56)に日本刀で殺害された“お家騒動殺人”である。2018年の初詣は、参拝客が激減するとみられている。容疑者が「死後も怨霊となり、永遠にたたり続ける」と書き残して自刃した事件の後、現場はどうなっているのか。26日現場を訪れた。

 現場は、東京メトロ東西線・門前仲町駅から徒歩2分ほどで、居酒屋や甘味処、そば屋などの飲食店が立ち並ぶ「深川仲町通り商店街」の近くだ。平日の昼過ぎでも人通りは絶えないが、商店街の店主らは「初詣の参拝客がどれだけ来るか心配」だという。近所で飲食店を営む70代の女性が肩を落としてこう語った。

「商店街に立ち並ぶお店はどこも、三が日と8月のお祭り(深川八幡祭り)が一番のかき入れ時。特に正月は水を飲む暇もないぐらい毎年忙しいの。三が日に来るお客さんの多くは参拝客だから、初詣に来る人が減ればお客さんも減ってしまう。なんでこんな事件になってしまったのか……」

 地元の和菓子屋で働く50代男性はこう嘆いた。

「2008年のリーマン・ショックあたりから、お客さんの数がめっきり減って、最近になってようやく客足が増えつつあった。(事件について)正直に言うと『何してくれたんだ』という感じです」

■飲食店では予約のキャンセルも

 店先が犯行現場となったスーパーは通常の営業を再開し、規制線などはすでに取り払われている。境内は初詣の準備のためか、白い大型のテントが2カ所に設置してあり、参拝客の姿が目立った。幼い子どもを連れた親子が散歩にくる平穏な昼下がりだ。

 永代通りに面した赤い大鳥居を眺めながら商店街を歩く人もいて、自転車に乗った男子高校生5、6人が「ここ(富岡八幡宮)って、誰か日本刀で殺されたところでしょ」と興味半分に話しながら去っていった。

 一見すると、参拝客が絶えることなく訪れ、商店街を過ぎ行く人も多い。だが、普段の参拝と初詣は違う。飲食店では、三が日の予約のキャンセルが相次いでいるという。商店街のタメ息は止まらない。